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涙あふれる直感 ~霊園 ①選択

1月29日 ハナコが身体から離れ空へ旅立った日
少しでも一緒にいたくて
まる3日間 暖房も入れず
窓も開けたままの寒い部屋で
ハナコの側にいた

寒がるヒナコのために
コタツだけはつけていたけど
私はダウンを着て、手袋にマフラー
雪山にでもいるような格好で
残された時間を惜しむように
ハナコから離れなかった

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その日をお任せする動物霊園は
お世話になった獣医さんからいただいた
2つのパンフレットから選んだ

気持ちが落ち着かない中
起こったことが認めたくない中
冷静な判断をしなくてはならない

パンフレットを開き
読んでいるはずが
内容が頭に入ってこない

何度も読み返す
必要なことを書き出す
…いつまでたっても、まとまらない頭の中


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1つの霊園は先住犬ロイがお世話になった
その時まで家に置いていた先々住犬のスリーピーを納骨した
丁寧な対応で私たち家族だけのためにお経をあげてくださった
広い敷地の中 草木が整えられ
休日だったこともあり
お参りに来てる人も多かった

1ヶ月前に亡くなった母の遺影を持つ私に
母とロイとの関係を聞いてくださり
 お母さんが大好きだったんだね
 1ヶ月間 娘さんが淋しくないようにという
 おつとめを終えて
 安らかに過ごせるようお経をあげさせていただきます
かけてくださった言葉全ては思い出せないけど
このようなことを言ってくださった

この時の私は周囲が心配するほどの状態で
兄弟が付き添ってくれていた
そのためか記憶がかなり曖昧

覚えていることは
お経の間中 泣いていたこと
待合室で見上げた青い空と雲の流れ
母とロイが続けていなくなった後の不安だらけの自分
お骨を拾う前のキレイに並べられたロイの骨
まるで動き出しそうだった

2つの霊園を比較しながら
ロイと同じところが いいかな
なんとなく そう思っていた

だけど、少し遠い
車を運転しない私にとっては
バス→電車→バス という移動で
気軽に行くという感じではない


もう1つの霊園は距離的にはとても近い
バスなら15分くらい、歩いても30~40分くらい
それはとても魅力的に感じた

大きなお寺に隣接しているため
お経などはそのお寺から僧侶があげてくださるという

同じようなパンフレットではあるものの
ロイがお世話になった霊園は本格的なイメージ
もうひとつは手作り感というか、人のぬくもりを感じるパンフレット

距離の問題だけで却下するには心残りになりそうなので
電話して話だけでも聞いてみようと思った


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書かれていたフリーダイヤルにかける
電話にでたのは、優しい男性の声
愛犬が亡くなったので、少しお話を聞かせて欲しいと伝えた

 まずはお悔やみ申し上げます

この一言で、なんとか事務的にメモに書いたことを確認しようとしていた私は涙が溢れてしまい声が出せない
ハナコと切り離して、問い合わせの電話をしようとしたのに
お悔やみが自分に向けられている
現実なんだ… と


すみません すみません
それだけ言うのが精一杯

 このまま落ち着かれるまでお待ちしますよ
 それか一度お切りになり、落ち着かれてから
 再び連絡いただいても構いません
 お気になさらず、悲しいお気持ちはお察しします

今思えば、この対応で私はココにしたいと決めたような気がする
大切なハナコと別れて、辛く淋しく悲しい気持ちを察して
寄り添ってくれている
そう感じた
もう距離の問題ではなく
私の家族として認識して、はなこを丁寧に接してくれる
そう思えた

急かすこと無く
ゆっくり、辛抱強く
私が話し出すのを待ってくれた

色々教えてもらった後
お願いすることに
お任せすることにした

日時や その他必要事項を確認し
当日までの保冷アドバイスをいただいた


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そして
電話を切る直前に
 お迎えにあがるまで
 ハナコちゃんと
 ゆっくりお過ごしください

止まっていた涙が再び
次から次へと湧いてくる
電話を切ることも忘れて
うずくまって泣いてしまった


獣医さんから頂いた2つのパンフレットから
どちらを選んだか
それだけの話に 長々と書いてしまった

当日の話は次回にでも書き残そうと思う
全てを済ませ
ハナコのお骨と日々過ごしている私は
この決断は良かったとハッキリ言える

決して冷静な状態ではなかったけど
直感は正しかった
最後まで、そして今だに
ハナコを大切に
私の心の状態に寄り添ってくれているもの


今日も一日ありがとう

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