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動いてみると何かある【コトバビタミン】第95回

今回は学生時代の友人とのエピソードである。

私にはJリーガーになった同級生がいる。
今は引退して別の仕事をしているので、今は元Jリーガーである。しかしJリーガーとして過ごした時間は2年間。卒業してから下部リーグに所属し、移籍もしながら選手として10年目にJ2昇格を果たし、30代に入って初めてJリーガーとなった。

学生時代のスポーツの授業でサッカーをしたが、その彼がボールを持つと、相手チーム(自分もそと相手チームの一員でスパイクまで履いていた)は誰もボールに触わることができずに、いいようにやられていた。因みに彼はスパイクではなかった。

やはりサッカーの名門校から来た選手はすごかった。
そんなにサッカーも強くない学校だったので「なんでうちの学校来たのよ?」とよく言っていた。


卒業後も選手として頑張っていることを知っていたので、遠方ではありながら所属クラブのユニフォームを買ったりして、陰ながら応援していた。

そして、彼の所属クラブがついにJ2に昇格したので、遠いところだったが夫婦で試合を観に行くことにした。
車での移動だったが、到着すると所定の駐車場に止めて、シャトルバスで試合のある競技場まで運んでくれるシステムだった。

私たちはそのシャトルバスの中ですごいことに気づく…

なんと彼はその日、イエローカードの累積で出場停止だったのだ。
そのシャトルバスの中で妻に呆れられたことは言うまでもない…

落胆した気持ちで会場に到着し、彼のプレーがよく見えるようにと取っていたメインスタンドど真ん中の席へと向かった。

そこで奇跡は起こる。

なんとその席のすぐ後ろに出場しない選手たちの席があり、そこに彼もいたのである。

そして席も近いので、彼もすぐ後ろに座っていて会って話すことができた。
応援していたこと。Jリーガーになれて喜んでいること。仕事のことなど。

ある意味、試合を見るより良かったかもしれない。プレーする姿ももちろん見たかったけど…


J2でプレーしていることで、テレビで見る機会も増えた。

彼はJの試合で1点だけ決めている。それは学生時代に過ごした土地にあるクラブとの試合だった。何か運命的なものを感じた。

私は家族で温泉旅行をしていて、温泉旅館のテレビでその姿を見て叫んでいた。やっぱり現地で見たかったけど…


彼は今、地元に戻り別の仕事を頑張っている。性格的にJリーガーだったこともあまり話さずに一生懸命やっていると思う。

試合のときスタンドで話した私ではなく妻の仕事の関係で久しぶりに連絡があり(よく覚えてたよね)、自分で開業していることを知り、開業祝いを持って会いに行った。

私も仕事の移動途中だっため、短時間だったが、昔話もできて楽しかった。


完全に個人的な懐かし話なので、何のメッセージもないが、「動けば思いがけない良いことが起こる」というこはたまにあるだろう。

腐らずに動いていこう。
このコラムも95回も書いているので、そろそろ何かあっても良い。

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