見出し画像

9月〜12月に読んだ児童書(2022)

児童書を年間300冊読むことを目標としてきた2022年。最終的に読んだ冊数は280冊でした。12月にラストスパートしたのですが、あと20冊のところで目標がクリアできず…。でも、良い本にたくさん出会えたので、よしとします。
2023年も目標は300冊。読書を楽しみつつ、しっかりと記録していきたいと思います。

今回は9月から12月に読んだ児童書98冊の中から、特に心に残った15冊を紹介します。

絵本

ねこの看護師ラディ

渕上 サトリーノ ・文 上杉 忠弘 ・絵 2016 講談社
動物保護のシェルターにいる黒猫ラディは、運ばれてくる動物たちに身体をくっつけて寄り添います。素敵なお話だなあと思ってあとがきを読むと、なんと実話だということでした。言葉を話さない動物たちは、どんなことを考えているのでしょうね。

もぐらのバイオリン

デイビッド マクフェイル 作・絵 野中ともそ・訳 2006 ポプラ社
地面の下で、ひたすらバイオリンの練習をするもぐら。バイオリンが上達するにつれてもぐらの家の上に生えている木もどんどん成長していきます。何かに熱中することの素晴らしさ、そしてそのことが知らず知らずのうちに周りも幸せにしている…そんなメッセージが美しい絵やストーリーから伝わってきます。

こたつ

麻生知子・著 2020 福音館書店
定点で描かれるこたつの描写が新鮮。お正月を迎える特別な空気感が伝わります。ちゃぶ台の上に置かれたお菓子の包み紙や、調味料のびんなどが繊細に描かれていて、見ているだけでも楽しい1冊。

ほしじいたけ ほしばあたけ

石川基子・著 2015 講談社
息子が学校の図書室で借りてきた絵本。表紙には、よぼよぼのほしいじいたけとほしばあたけの姿。でも、この2人、ただものではありません。ぜひ読んで、ほしじいたけとほしばあたけの活躍を楽しんでください。絵力があり、読み聞かせにもおすすめです。

ふゆのようせい ジャックフロスト

カズノコハラ・作 石津ちひろ・訳 2009 光村教育図書
冬の妖精、ジャックフロストと出会った主人公のコリン。春の話はしないという約束で、たくさんの冬遊びをします。ところが、春が近づいてくると…。白と青で表現されたイラストとお話の世界観がぴったりマッチした美しい作品。

やさしい読みもの

きりぎりすくん

アーノルド・ローベル・作 三木卓・絵 1979 文化出版局
きりぎりすくんが旅の中で出会う虫たちは、みな個性的でやっかいものばかり。そう、世の中にはいろんな人がいるよね。きりぎりすくんのように、上手に関わっていけたら素敵だなあと思います。ちょっと笑えて癒される1冊。

こだぬきコロッケ

ななもりさちこ・作 こばようこ・絵 2018 こぐま社
おばあさんの忘れていったコロッケがあまりにもおいしくて、こだぬきのポン吉とオオカミはコロッケ屋さんに行くことに…。化けるのが苦手なポン吉ですが、もう一度あのおいしいコロッケが食べられるでしょうか。読みやすい文章とほっこりするストーリー。低学年の子どもにおすすめです。

特急おべんとう号

岡田よしたか・作・絵 2009 福音館書店
岡田よしたかさんのちょっとシュールな世界観が全面に出ています。フルカラーで3つのお話に分かれています。お弁当の中身たちがマラソン大会に参加する話では、誰が優勝するのかわくわくしながらページをめくりました。

シールの星

岡田淳・作 ユンジョンジュ 2011 偕成社
岡田淳さんの本。「リクエストは星の話」の中から1話のみ取り出して書籍化されたものだそうです。シールで子どもをコントロールしようとする先生に対して、教員の私としてはいろいろ考えさせられました。

ワニのガルド

おーなり由子・著 2022 偕成社
ワニのガルドは淋しい人にしか見えないオバケ。ひっこしてきたばかりのヒナちゃんが、ガルドとの関わりによって成長していきます。淋しい気持ちを誰かが分かってくれるだけで、心が軽くなるものですよね。

高学年向け児童書

選ばなかった冒険 ー石の光の伝説ー

岡田淳・文・絵 2010 偕成社
ゲームの世界に入ってしまった学とあかり。夢と現実の間を行き来しているうちにどちらが本物の世界か分からなくなっていきます。物語の構成が秀逸で、お話のラストまで目が離せない展開!さすが岡田淳さんです。ぜひ大人にも読んでもらいたいおすすめの1冊。

チョコレート・アンダーグラウンド

アレックス・シアラー・作 金原瑞人・訳 2004 求龍堂
健全健康党が選挙で選ばれ、「チョコレート禁止法」が発令されました。チョコレートが大好きな少年、ハントリーとスマッジャーは、チョコレートを密造し、この法律に対抗しようとしますが…。お話の展開はユーモアに満ちていますが、政治によっていつの間にか自由が奪われていくというお話の展開には恐ろしさも感じます。分厚い本ですが、おもしろくて一気に読めました。

飛ぶための百歩

ジュゼッペ・フェスタ・作 杉本あり・訳 2019 岩崎書店
美しい装丁に魅かれて購入。主人公のルーチョは目が見えません。人に頼ることを拒んできたルーチョが山小屋での生活を通して少しずつ変わっていきます。ルーチョと少女キアーラの最後のシーンでは、思わず涙が出ました。勇気を出すっていいなと思える1冊です。

みどりのゆび

モーリス・ドリュオン・作 ジャクリーヌ・デュエーム・絵 安東次男・訳 2002 岩波書店
主人公のチトには、ふしぎな力がありました。チトがゆびで触ったところに花が咲くのです。チトは子どもですが、世の中には様々な場所があり、様々な人々が生きていることを知っていく中で、自分に出来ることを熟考し行動を起こします。世の中をよりよくするために動きまわる健気なチトの姿に、心が動かされました。

きみの町で

重松清・作 ミロコマチコ・絵 2013 朝日出版社
「こども哲学シリーズ」に載っている短編と震災をテーマにした短編を合わせて本にしたそうです。短い中にも深いテーマが込められていて、1つ1つのお話が胸に染み込んできます。高学年の子どもたちと本の感想を話し合ってみたいなぁと思いました。

終わりに

今回は15冊の子ども向け図書を紹介しました。今回、高学年向けをたくさん読めたのが良かったです。岩波少年文庫をもう少し読みたいのですが、なかなか時間が取れないのが悩み…。うまく読書の時間を確保していきたいなぁと思います。2023年も素敵な児童書との出合いがありますように。
最後までお読みいただきありがとうございました!