ネット小説のことも知っておこう〜小説新人賞の攻略法(3)

崖っぷち作家のニジマルカです。

「新人賞の攻略法」3回目です。

2回目はこちらです。↓

書籍化の流れ

最近はネット小説からのデビューの方がおそらく多いです。

ですので、ネット小説についても簡単に触れておきます。

ネット小説サイトにはいろいろありますが、基本的な書籍化の流れはこうです。

1.投稿する
2.ランキングに載る
3.出版社からオファーが来る
4.原稿手直しなどを経て、出版する

主に新人賞との違いという視点から、それぞれを見ていきましょう。

1.投稿する

大体3000〜5000文字程度を、毎日(最初の方は1日2,3回更新などで)投稿するのが一般的なようです。

毎日3000文字書くと、1ヶ月で9万文字です。

新人賞は文庫本1冊分なので、目安は10〜12万文字くらいでしょう。

ですから、1ヶ月ちょっとで新人賞に出せる分量になります。

10万文字書ける人なら、とりあえず書き溜めてから、分割してネット小説に投稿し、同時に新人賞に出すこともできます。
(もちろん応募規定で問題がなければ)

最近ではネット小説から新人賞に簡単に応募することもできますので、新人賞にこだわらず、最初からネット小説で書くのもいいと思います。

2.ランキングに載る

ランキングに載らなくても、オファーが来ることもありますが、載った方がいいのは明らかです。

ランキングはほとんど市場と同じです。

読む前タイトルとあらすじを見て、ブックマークのつもりでポイントを入れる感じでしょう。

ですから、ランキングに入るためには、タイトルとあらすじを、とことん練る必要があります。

新人賞では選考を通っていく過程が、ランキングと少し似ているかもしれません。

ですが、あくまでも読んでから通すかどうか決めるので、性質はだいぶ違います。
(この辺りのことは前回の「新人賞と市場はぜんぜん違うで説明しました)

タイトルで選ばれることは、ほぼないと思います。
(印象に残るタイトルの方がいいでしょうが)

新人賞では、あらすじの提出も求められますが、手に取ってもらうためのあらすじではなく、物語全体を要約したものです。

ですので、あらすじで選ばれることもありません。

正直に言えば、エンタメ小説界隈では、今は新人賞受賞作よりも、ネット小説から書籍化した本の方が売れる傾向にあります。

その主な理由は、ランキングで淘汰された作品を書籍化するからでしょうね。

つまり、一度、市場を通っているようなものだからです。

残念ながら、少数の専門家(編集者)の意見より、大勢の素人(ポイントを入れる人たち)の意見の方が正しいようです。

3.出版社からオファーが来る

最近は、どこの出版社も売れるコンテンツが欲しいので、ランキング上位に載った作品には、好条件でオファーをしてくることが多いようです。

最初からコミカライズが確約されていることも多いです。

コミカライズとは小説をマンガにすることです。(逆はノベライズ)

複数の出版社からオファーがあれば、条件を見て、どこで出すか選択することもできます。

新人賞でいうと、これは受賞に当たります。

新人賞の良いところは、同期受賞者が仲間になり、先輩や後輩ができることでしょうか。

先輩がいろいろ教えてくれたり、また後輩の面倒を見たりすることで、レーベルを盛り上げていくこともできます。

とは言え、ネット小説でも今ではいろいろな繋がりがあるようで、勉強会や合宿をやっているところもあるようです。

4.原稿手直しなどを経て、出版する

この行程はどちらも同じですが、ネット小説の方は、あまり手直ししない印象もあります。

すでに市場を通っているようなものですから、そのまま出した方がいいと判断されるのかもしれませんね。

新人賞の場合は、大幅改稿もあり得ます。

改稿したからといって、売れるわけではないのですが……

印税などについては、また別の機会に書こうと思います。

今回のまとめ

新人賞の攻略法3回目「ネット小説のことも知っておこう」でした。

1.ネット小説は市場とほぼ同じ
2.新人賞受賞作より、ネット小説の書籍化の方が売れがち
3.新人賞とネット小説、両方やるのもあり

次回は「まず守りを固めよう」です。↓

それではまたべあー。




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