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企画書づくり〜出版までの行程を見てみよう(2)

崖っぷち作家のニジマルカです。

「出版までの行程を見る」2回目です。

1回目はこちら。↓


出版までの行程おさらい

出版までの行程はこんな感じです。↓

1.アイデア出し
2.企画書づくり
3.企画会議
4.執筆
5.推敲・改稿
6.校正
7.デザイン
8.印刷
9.告知・宣伝
10.発売

今回は、「2.企画書づくり」です。


2.企画書づくり

アイデアが受け入れられたら、次は企画書をつくります。

ジャンルによって違うと思いますが、企画書に盛り込む内容は、だいたい以下のような感じでしょう。

(1)タイトル
あらすじ
ウリ
キャラ表
プロット

それぞれ見ていきます。


(1)タイトル

企画書に書くタイトルは、もちろん仮タイトルです。

ですが、できれば最初から、市場で勝負できるタイトルをつけられるといいですね。

良いタイトルとは、新規性をワードやフレーズ、センテンスの形で盛り込んであるタイトルです。

もうちょっと詳しくいえば、

いままでなかった新しい気持ちよさがあると納得できるタイトル

が良いタイトルと言えるでしょう。
(私がいるエンタメジャンルでは)


タイトルを考えることは、作家が売上に影響を与えられるほぼ唯一の作業です。(次に紹介するあらすじも)

これ以外に、作家にできることはありません。

ですから、タイトルとあらすじは作家にとっての生命線と言えます。

さて、市場では超重要なタイトルですが、企画書の段階では、そこまで良くなくても大丈夫な印象です。
(良いタイトルの方がもちろんいいです)

どちらかというと、基本的なアイデアがOKなら、プロットを見て決めている感じもします。

ですから、企画書を通すという目的では、タイトルよりもプロットに力を入れた方がいいのかもしれません。


あらすじ

何行かのあらすじで、話の内容をまとめます。

企画書の段階では、どんな話なのかざっくりと伝わればいいです。

ですが、あらすじが裏表紙などに印刷される本の場合は、最終的にあらすじがとてつもなく重要になります。

読者が本を買うのは、ほぼ「タイトル」「あらすじ」に寄るものだと考えられるからです。

市場向けのあらすじの考え方ですが、まず、あらすじは「話の内容を伝えるものではない」と考えておくのがいいと思います。

あらすじは「話の内容」ではなく、「この本を読むとどういう風に得をするか」を書くものです。
(もちろん、話の内容を盛り込みつつですが)

話の内容を書くだけで売れるジャンルならそれでもいいですが、私がいるエンタメジャンルは飽和しきっているので、そうはいきません。

「どういう内容で、読むとどう得をするのか」まで書かないと、手に取ってもらえないのです。

「得をする」とは「感動する」「泣ける」「熱くなれる」「気分が上がる」「落ち着く」「興奮する」……などのことです。

読者は本を読んで得をしたいと考えています。

ですから、「こういう展開があって、こう盛り上がる」とか「こうなって最後はこう報われる」といったことを具体的に書くといいでしょう。

多少ネタバレになっても構わないので、「こうやってうまくいく」とちゃんとおいしいところまで書くのがコツです。

あらすじを編集者さんが書く場合もあります。

ですが、コツがわかったら、自分で書いた方がいいと思います。

何度も同じことを言いますが、タイトルとあらすじを練ることは、作家が売上に影響を与えられるほぼ唯一の作業だからです。


ウリ

その小説の新規性やウリを、箇条書きでいいので書いておきます。

「この本はこういう理由で売れます。だから出した方がいいですよ」

と編集者さんに伝えるためです。

もちろん編集者さんはプロですから、その理由を頭から信じることはありません。

ですが、なんの勝算もないと思われない方がいいでしょう。

出版社は営利目的で本を出しています。

この本を出せば得をするかもしれない、と少しでも思ってもらった方がいいです。


キャラ表

登場人物を一覧にしておきます。

年齢や境遇などを書いておけばいいです。

1行くらいのセリフを書くのもいいですね。

キャラの性格が一発でわかるようなセリフを入れておくと、編集者さんもキャラを把握しやすいです。


プロット

私がいるエンタメジャンルでは、だいたいの本は4〜5章くらいで構成されている感じです。

1章が文庫換算で50〜60ページ程度。

全部で250〜300ページくらいになります。

章ごとにわけて、その章で何が起こるのかを簡潔に書きましょう。

ついつい描写を入れてしまいがちですが、もちろん描写はいりません。

主人公がこれをしたので〜こうなった、と原因と結果を説明する感じで書いていけばいいです。

コツというほどのものはないのですが、あまり詳しく書かない方がいいかもしれません。

詳しく書くと、ツッコミどころが増えるからです。

編集者さんに「ここはどうなってるの?」とか「ここ矛盾してない?」などと指摘されないよう、あまり材料を与えないことです。

どうせプロット段階では話の全体像は見えていませんから、あやふやなところは書かなくて大丈夫です。

話の根幹だけ書きましょう。

プロットだけでA4用紙5枚とかになるなら、明らかに書きすぎです。
(自分用の詳細プロットなら別です)

どのくらいが適切なのかはちょっとわかりませんが、1、2枚で収めるくらいで考えておけばいい気がします。

短くできるなら、その方がいいです。
(編集者さんも読みやすいので)


今回のまとめ

出版までの行程を見る2回目「企画書づくり」でした。

1.アイデアが通ったら企画書をつくる
2.盛り込む内容は5項目程度
3.
アイデアがOKなら、プロットを見て通している印象もある
4.
最終的に、タイトルとあらすじは超重要
5.詳しく書かない方がいい場合もある

次回は「企画会議」です。↓

それではまたくまー。

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