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【第493回】日本はジェンダー後進国か?〜必要な政策を考える〜(2022/04/27)【山田太郎のさんちゃんねる】文字起こし風要約

出演者:

  • 山田太郎 参議院議員・全国比例 公式サイト Twitter

  • 小山紘一 山田太郎さんの政策担当秘書・弁護士 Twitter

  • 小寺直子 山田太郎さんの秘書 Twitter

  • 萌生めぐみめぐみ アシスタント・イラストレーター Twitter

さんちゃんねるとは

めぐめぐ:
 みなさんこんばんは山田太郎のさんちゃんねるの時間です。この番組は、表現の自由をめぐる問題をはじめとして、さまざまな政治的な話題について、一緒に考えていこうという目的でお送りしております。ぜひともチャンネル登録・いいね・コメント・実況ツイート等をよろしくお願いします。

山田さん:
 
今日は「日本はジェンダー後進国か?」ということで、ジェンダー論等についていろいろやっていきたいと思っています。
 今日は赤松さんがお休みで、代わりにうちの秘書の小寺さんにこの辺いろいろ調べてもらっていますので、解説してもらおうと思っています。さて、ニュースから。

ニュース 木村さん母 侮辱罪厳罰化 国会で意見

木村さん母「責任課して」 侮辱罪厳罰化、国会で意見

山田さん:
 今この侮辱罪の法定刑、それから時効の問題というのを見直そうということで、この番組でもやってきたんですけど、いろいろ論点がありまして、例えば刑罰がすごく軽いのではないか、科料が1万円未満なので大体9千円になる、最高でも。

 それから拘留は30日未満ということでありまして、これを1年以下の懲役・禁錮、または30万円以下の罰金というのを追加して、科料も拘留も選べるということなんですね。

 よくこの罰則強化と書かれるんですけれども、実は今回の法律の改正によって、侮辱罪そのものの判断が変わるわけじゃないんです。

小山さん:
 侮辱罪は名誉毀損罪とともに、刑法の制定時からずっとあります、どういう行為をしたら侮辱罪に当たるかというのは今回も変わりません、何か新しいことが処罰されるようにはなりません。

 今回侮辱罪の法定刑の引き上げをしたのは、侮辱罪で処罰できる範囲がまだまだ残っているにもかかわらず、公訴時効の問題で出来ない…。

山田さん:
 公訴時効というのは、裁判にかけるのに時効があるんです、それが1年。1年だとすごく短くて、ネット(の匿名性)で誰が加害者かわからなかったりすると、実際に告訴とかできない。

 間に合わないということで警察も受理しないだとか、罪に問えないケースがありますので、やはり3年ぐらいいるだろうということなんですね。
 次は国立国会図書館。

ニュース 国会図書館 ネットで絶版本閲覧

国会図書館、ネットで絶版本閲覧

山田さん:
 これはかなり我々が努力したところで、やっと絶版本も閲覧可能になりました、感慨深いです。これは小山さん、ずいぶん現場で提言書を書いた身としてはどうですか?

小山さん:
 国会図書館の担当者もいろいろ御苦労があったと思うので、ありがとうございましたと言いたいのと、やはり日本の出版物は知的財産として非常に大事だと思っていますので、埋もれさせておくのはもったいない。

 もちろん権利者に利益が渡るというのが一番いいんでしょうけども、もう絶版で流通しないということであれば、こういう仕組みで皆さんが見られるようにしていくというのは、国会図書館の重要な役割だと思っておりますので、山田さんと一緒に進めてきた、このデジタルアーカイブの取り組みとしては、画期的かなと思っております。

山田さん:
 これは絶版本ということでまだまだ難しい問題、もともとデジタルでこれからは納本されてくるかもしれない。絶版の定義というのは難しい、デジタルでそのまま図書館に収納されて見れるようになったら売れなくなっちゃうんじゃないかということにもなるので、実は2000年以降のものはデジタルがほとんどだということなので、それをどうするか、これからしっかり議論をしなきゃいけないと思っています。
 では、次はイーロンマスク氏。

ニュース Twitterは欧州の規則に従う必要がある 欧州委員会 ブルトン委員

「Twitterは欧州の規則に従う必要がある。マスク氏はよくご存じだろう」と欧州委員会のブルトン委員

山田さん:
 いくつか論点があるんですけれども、Twitter社の実質上のオーナーにイーロンマスク氏がなるということで、しかもイーロンマスクさんは表現の自由を守っていくと。

 あまりにもTwitterが表現の自由を守れていないのではないかというような思いで買収したというんですが、これに関しては、それそのものであれば大変歓迎すべきなんですが、僕はちょっと穿った見方をしちゃうと、これはある特定の人に依存しちゃうと逆に不安ですよね。

 難しいんだけれども、表現の自由を守る仕組みの中でいかないと、イーロンマスクさん個人に頼るというのはどうなのかなと。
 一方で、今回のDSA(デジタルサービス法)というのは大変問題があると、もう既に宣戦布告を欧州委員会がされたと。

 これはコンテンツに関しても厳しい基準を作ってくるとなると、例えばTwitterというのは日本だけの基準というわけにはいかない可能性がある。

 そこに漫画アニメゲーム等のエログロ暴力シーンもダメだとか、フェイクニュース対策ということで制限が行われると、かなりの影響を日本もグローバルの中で受けるかもしれないので、ちょっとこれは今後のTwitterとDSAとの関係がどうなるのか、イーロンマスクさんの運営がどうなるのか、見ていきたいと思います。

小山さん:
 GAFAの人達と話をすると、GDPRという欧州の個人情報保護の規則が厳し過ぎると、でもそこに合わせておけば全世界どこでも通用する。

 基準が明確なのであればそれに従いますよという形で、失敗すると思われていたGDPRが結構ワールドスタンダードになりつつあるという状況でして、もしDSAがワールスドタンダードになっちゃった場合、日本の企業も相当な影響を受けるのは間違いありませんので、このDSAとイーロンマスクさんが、どんな感じに折り合いをつけるのかというのは非常に重要かと思っております。

ニュース 子ども家庭庁法案審議入り 虐待など政策の実効性焦点

子ども家庭庁法案審議入り 虐待など政策の実効性焦点

山田さん:
 
このニュースを取り上げたのは、メディアを含めて今回のニュースもそうなんですけど、なぜかこども基本法が一緒に議論されているのに取り上げられない。

 こども家庭庁以上にこども基本法というのは重要で画期的ですので、また特集を組みたいと思いますが、今日言っておきたいのは、こども基本法というのは、児童の権利に関する条約というのがありまして、日本は1994年に批准しています、批准をしているんですが、ずっとこれに関する基本法を作れなかったんです。

 いろいろな人たちから反対をされた、特に自民党内からかなり反対をされてきたということで、反対の理由はまた特集の方で詳しくやりたいと思いますが、こどもの人権を認めるという大変重要な条約でして、日本はこれをちゃんと遵守していないんじゃないかと、実はかなり勧告を受けてきたりしました。

 児童の権利に関する条約は4つの原則というのをあげているんですけど、1つは当たり前なんですけれども、命を守られ成長できること。これは世界各国の中で子どもがすぐ殺されたり、誘拐されたり、そういうことがすごくあって、やはり第1に、子どもの命が守られ成長できることを原則としています。

 それからここは相当の議論をしましたが、(子どもが)意見を表明し、参加できるこということ、子ども自身が一人の人格として意見を表明できること、親の権利が、親権を含めて極めて日本では強いんです。

 それから子どもの最善の利益というのがありまして、児童養護に関しても、子どもにどうしたいのかということも聞かずに処置をしているのではないかとかというようなこと。

 そういう意味で大変重要な、国連の人権に関する、子どもの権利を日本はある種、ないがしろにしてきたということでして、これについての基本法を今回しっかり固めたということです。

 子ども基本法を通すのは大変でした。党内ではマルキストとかこれは左翼政策だとか、あるいは子どもが我がままになるとか、さんざん言われました。逆にネットでは僕が反国連主義者とか(言われてるけど)、日本で最も子どもの人権に関しては言っております。

 子どもの権利をずっとやってきた、だって1994年から28年ぶりの、これだけの快挙なのに、記事ではこども家庭庁ばかりで、まだ幼保一元化とか、そんな話がすごく多いです。

小寺さん:
 こども基本法の何がすごいかというと、今まで子ども政策とか子どもの法律って何十何百ってあって、いろんな方向を向いてバラバラにされてたんです。

 それが児童の権利条約に基づいて、こういう方向で子ども施策を進めるんだというのを一元的にはっきり明示して決めた。
 それはすごく今後、子どもたちにとっても大きな一歩ではないかなと思います。

山田さん:
 だから何度も人権はグローバルで文化・カルチャーはローカルだって言っているんですけど、確かに国連だっていろいろな問題を抱えていると思いますけど、別に反国連主義者ではないですし、ここはかなり頑張ってやってきたと思っています。
 またちょっと、これは極めて重要なので特集をしっかりとやりたいと思っています。

トピックス 続報!月曜日のたわわ問題 内閣府と外務省からの回答

山田さん:
 月曜日のたわわの問題について、外務省経由で直接UN Womenに対して質問を投げているんですが、その回答を小山さん説明をしてください。

小山さん:
 はい、まず規約問題から。規約をくださいとということで、UN Women日本事務所のカウンターパートである内閣府男女共同参画さんに、サポーターとして入っているのであれば確認していますよね?と聞いた。

 すると確認してないということだったので、じゃあしてくださいというのと、それは政府としても確認する必要があるので、もらってくださいと言ったんですが、もらえませんでした、現時点の結論としては。

山田さん:
 ただ、たぶん内閣府もこれは問題だと思っているらしく、一応規約の中身については取り寄せようとしているようですし、たぶん内閣府に取り寄せられたら、我々もそれを見ることができると思います。

 UN Womenだってステレオタイプというのをなくしていこうという運動をしているのだから、別に公開してもいい話だと思うんですよね。

小山さん:
 本部がどうやら規約を管理しているらしいので、今外務省に本部に問い合わせをしてくださいとお願いしていまして、ちょっと今日まで回答間に合いませんということです。

山田さん:
 だけどさ、日本支部の方からもクレームが来て、所長含めてインタビューにも応じたのだから、日本支部だって持ってるんじゃないの?

小山さん:
 日本支部もたぶん出せるはずなんですけど、出してくれなかったと、外務省に聞いたら、いやちゃんとあるはずですと言うので、じゃあ出してくださいということで今交渉しているんですが、ちょっと国連が思った以上に情報を出さない可能性があります。

 我々がWHOにICD-11の件で問い合わせをした時は厚労省経由でしたけれども、WHOはちゃんと出してくれました。
 UN Womenが出せないはずないし、隠す必要もない、規約なので一対一の契約書ではないんですから、規約なんですからそれは出してもらいたい。
 内閣府から出てきたのは↓の画像ですけど…

小山さん:
 これは十何ページぐらいある資料の一部なんですが、概要資料を見てサポーターをやることに決めましたという、かなりアバウトな回答でした。

山田さん:
 それで今日議論したいのは、特にジェンダーに関して、ジェンダー指数というのが日本は非常に低いと言われているんですね。
 上の画像の赤い四角で囲っているところ、日本は153カ国中121位、先進国の中で最下位だと言われている。

 ジェンダーの問題は我々もしっかり認識していきたい、とはいえ、今回のたわわの件に関してどうだったのか、なんかモニター調査もあるんでしょ?

小山さん:
 こちらは我々がした調査ではないですけれども、サーベロイド社ウェブモニター調査というものが、4月20日で発表されておりまして、こんな感じです。

小山さん:
 日経新聞に載った広告に問題を感じるか、全体だと20.5%は問題を感じたが、約80%は問題を感じませんでしたと。女性に限って言うと、問題を感じるというのがちょっと上がって3 割弱、それでも7 割強が問題を感じないという結果でした。

小山さん:
 次に以下の意見に賛同するかということで、5番目、性的な要素をあるとしても、この程度なら問題ないと思うに、イエスと答えたのが過半数。
 6番、女の子がかわいくて素敵な絵だと思うも過半数、最後全体として、この程度なら表現の自由の範囲で問題ないと思うも過半数という調査でした。

小山さん:
 月曜日のたわわ広告に問題を感じる人の割合:性別×年齢別ということで、女性の方が問題を感じています、男性はあまり感じていません。

小山さん:
 女性で問題だと感じるのは40代が一番高く、次いで50代となっています。 
 この調査自体にいろいろ批判的な意見も目にしておりますけれども、女性全体の総意だとは言えないということでは、分かりやすい調査かなと思います。

山田さん:
 このへんは小寺さんはどう思いますか?

小寺さん:
 私自身は全く問題ないと思うんですが、確かに周りの、全く表現の自由のこととか普段考えたことのない同世代の女性に聞くと、う~んちょっとどうかな~、子どもに見せられないな~という意見は聞きます。

山田さん:
 この見せられない自由とか、不快な表現に触れないようにする自由というのも、今後の特集で継続していきたいということと、UN Womenから規約を手に入れてどうなのかという検証を、引き続きやっていきたいと思います。

ジェンダー特集1 男女共同参画に関する国際的な指数

山田さん:
 ということで、先ほどのUN Womenのところにもありましたが、ジェンダーギャップ指数と言われるものが日本は低い。
 何とかこの男女の格差、いろいろな問題点を解決しなければならないということで、このジェンダーギャップ指数について見ていきたいと思います。

小山さん:
 男女共同参画に関する国際的な指数は幾つかありますが、そのうち一つが先ほどご紹介しましたジェンダーギャップ指数。こちら日本は120位で先進国中最下位と言われていますけれども、実は指数はこれだけじゃないんです。

山田さん:
 日本はジェンダーですごく遅れていると言われます。その原因になっているのがこのジェンダーギャップ指数が非常に低いということなんですが、実はいろいろなデータがありまして、実はこればかりではないんです。

小山さん:
 ジェンダー開発指数というのがあります。

山田さん:
 国連の発表している方は55位、120位じゃないの?という話なんですけれども、実はジェンダーの指数のとり方によって順位が変わってきてしまう。
 55位は必ずしも低くはないですね、ちょっと他のも見ていきましょう。

山田さん:
 ジェンダー不平等指数は24位ということで、案外日本はいい成績、男女のそれぞれが不平等を感じていないという数字が出ています。

小山さん:
 この3つの指数があるんですが、先ほどのジェンダーギャップ指数だけが、報道でよく取り上げられます。

山田さん:
 国連等が出してきているものを扱わず、世界経済フォーラムが出してきているものを毎回使って、日本は低い低いということを、特にメディア、政府の男女共同参画もこれを使う。

小山さん:
 共同参画通信みたいなものがあるんですけれども、このジェンダーギャップ指数が更新される時だけ特集!みたいな形でやるんですが、他のやつはあんまり取り上げられていないように思います。

小寺さん:
 圧倒的に120位というセンセーショナルな数字だけが報道されて、相当勘違いしていらっしゃる方は多いと思います。

山田さん:
 さて、この男女不平等指数とジェンダーギャップ指数を比較するとこうなります。

山田さん:
 ジェンダーギャップ指数だと先進国の中では日本は最下位、ジェンダー不平等指数だと5位なんですね。
 イギリスやアメリカよりもいい成績ということになっているという話であります。

小山さん:
 世界価値観調査というものがありまして、幸福度の男女差というのも計ると、日本は120位のジェンダーギャップがあると言われているんですけれども、常に女性の方が男性より幸福度が高いというのがこの表です。

山田さん:
 ジェンダーギャップ指数だけを見ていると、男性優位で女性は不幸みたいにすごくなるんだけれども、別の調査を見ていると、女性の方が幸福度を感じているというのが、結果として出ている。

 この幸福度格差とジェンダーギャップ指数との相関関係を見ているものがあるんですけれども、つまりこの二つは関係ないということがわかります。

上に行くほど男性よりも女性の幸福度が高く、右に行くほどジェンダーギャップ指数が低い、日本はやや右のかなり上の方にある。

山田さん:
 2つの指数に相関関係があるなら1列に並ぶはずなんですが、結構ばらついていてる。

小山さん:
 OECDはネガティブ感情度というものも測っています。さっきの幸福度の調査と並べると、こちらはネガティブ感情度は上に行くほどネガティブじゃない、ポジティブであるという見方ができますが、日本はネガティブ感情度5位です。

小山さん:
 次は女性の方が否定的な感情に陥りがち、世界ではやはり女性の方がネガティブになりやすいと言われているらしいんですけれども、日本は例外的に逆で、女性はかなりポジティブで、男性の方がネガティブなんです。

小山さん:
 次は若者と高齢者のネガティブ度合いですけども、若者は幸せで高齢者はネガティブになりやすいという世界的な傾向がありますが、日本は一番ネガティブ度が低いのは50歳以上と、若者達の方が高齢者よりネガティブに感じているという、日本は不思議な国と言われています。

小山さん:
 もう1つ、高学歴の者ほど感情がネガティブではない国民が多い中で、日本だけ赤い丸が三角より上に来ている。

小山さん:
 日本は学歴が高い人の方が何故かネガティブだという結果で、だからと言って何かここで結論がすぐ出るわけではないんですけれども、他の情報もあります、自殺者の年次推移。

小山さん:
 ちょっとこれはLGBTQまでは分からないデータですけれども、今の戸籍上のデータだけでいうと、男性の自殺者は女性の約2倍です。

山田さん:
 もちろんこのコロナ禍で女性の自殺者数が増えたというのは事実です。ただ絶対数としては、実は男性は女性に比べてはるかに自殺者数が多いんですよね。

 ということでジェンダーギャップ指数で日本は120位、何でこればかり取り上げてダメだダメだ、ジェンダーが遅れてるのだって言われるけど、いろんろなデータを見ていると必ずしもそうとは言えない。

 では、ジェンダーギャップ指数の中身を見ていきましょう。

小山さん:
 確かにジェンダーギャップ指数だけを見ると、後進国と言われても、それはその通りです。

山田さん:
 否定しません、間違っているとかは言いたくありません。

小山さん:
 何が問題かというと、こちらのジェンダーギャップ指数は4つの分野で評価されます、政治・経済・教育・健康の4分野です。
 ギャップ指数が1に近ければ男女平等、0に近ければ不平等があるということです。

 2021年の結果を見ると、政治0.061・147位、経済0.604・117位。そして教育0.983・92位、健康0.973・65位というのは、あまり良くないように見えますけれども、0.98前後なのでもうほぼ上限に張りついています。

山田さん:
 結局政治・経済、特に政治の問題がジェンダーギャップの順位を押し下げている。教育・健康は、もちろん威張れる程の順位じゃないんですけど、必ずしも低いかというと中位ぐらい。
 もちろんいろいろ変えていかなきゃいけないけど、次にもうちょっと中身を見ていきましょう。

小山さん:
 政治分野、女性議員(衆議院)の比率が0.1、内閣の女性閣僚の比率0.1、女性元首在任期間、過去50年女性元首は日本にはいませんので0点、これでは順位が低くなって当然です。

 経済分野、労働力比率は0.84、賃金格差は0.65、所得格差は0.56、まあ高いとは言えませんが極端に低いわけでもない。低いのは管理職比率0.17です。専門職・技術職比率は0.7、まあ普通位かなということ。

山田さん:
 ということで分かってくるのは、まず政治分野は女性の議員が増えて、女性の閣僚を入れて、女性の総理が出れば、ジェンダーギャップは圧倒的に日本は改善しちゃう。

 経済分野に関してはやはり管理職比率が低いのは事実ですね。これは政財界も努力していまして、もうちょっと女性の管理職を増やそうということもやっていたりします。

 所得格差や専門職比率も決して低くはない方だと思いますが、いずれにしてもこの経済の一部と、政治分野が圧倒的にこのジェンダーギャップ指数を下げているということをしっかり見ないと、全体で幸福じゃないということではないということ。

小山さん:
 教育と健康では日本が1位の面もありますので結構上限です。では1位と日本の平均を比べましょうというのがこちらの図です。

山田さん:
 1位のアイスランドと、120位の日本を見ると、健康と教育は変わらないんです。確かに経済の部分に関しては改善の余地があるとしても、それでも一応平均よりは上回っている。

 問題は政治参画が0に近いと、ここが順位を押し下げている要因なので、ちゃんとこういう分析をした上で、何をしなきゃいけないのかということ。

山田さん:
 政治の問題はつまり、女性議員の割合とか女性閣僚とか女性首相を増やさないとダメと。

小山さん:
 次は経済に関しても、管理職の女性比率を高めましょうということ。専門職・技術職も若干足りていないということで、そこも頑張りましょうと。

山田さん:
 同一労働での賃金格差に関しては、スコアだけを見ると実はそんなに差がない、平均と比べると。パートになっているとか、たぶんある職種に女性が偏っているのではないか、そして収入における男女格差になると平均より少し高い。

 管理職は全くダメということなんですが、逆に労働参加率では、日本の方が平均をかなり上回っている。

山田さん:
 これは女性議員を増やさないとどうにもならない。

小山さん:
 女性首長の割合もこんなものです、二人しか都道府県知事はいません。

小山さん:
 女性議員の国際比較ですと、日本は衆議院だけでいうと168位です。

小山さん:
 次に女性役員割合の国際比較、右下の諸外国の女性役員割合を見ると、日本は10.7%しかおりません。ただ左下を見ていただくと、女性役員数の推移は9年間で約5倍で、改善されはています。

山田さん:
 女性国家公務員の割合、日本は極端に低い国なんですよね。

小山さん:
 給与額の男女間の格差、男性の方がやはり女性よりももらっている。

山田さん:
 これはやはり見直さなきゃいけないんだけれども、単純な比較がなかなかできない。

 職種の内容でどういうものについているのか、責任のあるなしとか、いろいろ考慮をしないと、単純に女性だから増やせばいいってことになると、逆差別になっちゃうので、だからちゃんと機会を均等にしつつ、女性の賃金をどう増やすのかということは考える必要があるということ。

小山さん:
 学歴別も含めたのがこちらで、女性の大卒と男性の高卒が同じくらいで、このあたりがやはり改善が必要なのかなと。

小山さん:
 男女間の所定内給与格差の推移ということで、こちらは内閣府が出してる白書からの引用なんですけれども、一応改善してきている、男性の給料の6 割しかなかったのが、7 割8 割近くまで来ています。

ジェンダー特集2 男女間における犯罪と暴力

小山さん:
 ジェンダー平等もそうですけど、やはり女性や子供をしっかりと守っていくのは何よりも大事というのが大原則です。

小山さん:
 今の男性と女性の犯罪はどうなっているか、配偶者間における犯罪、総数としてはやはり9 割近く、男性が加害者女性が被害者です。
 傷害や暴行は圧倒的に男性が加害者ですが、殺人に関しては、男性の被害者が4 割ぐらいということです。

小山さん:
 夫から妻への犯罪、これが結構深刻な気がします。殺人は増えていませんが、傷害・暴行は平成23年ぐらいからぐっと増えていますので、このあたりの問題への対応が急務かと思っております。

小山さん:
 強制性交等・強制わいせつの認知件数、こちら特徴的なのは、強制性交等は3000くらいあったものがだんだん減っていって現在は1300くらいです、数字の上では減っています。

 強制わいせつについては平成10年からぐぐっと倍増していまして、また平成10年の数字と同じぐらいに落ち着いてきてはいるんですけど、一旦かなり上がったというのは、原因も含めて調査が必要かなと。

山田さん:
 これは統計の取り方が変わったのか、どうして急に増えたのか正直わかっていないので、どなたか知っている人がいたら教えてほしいのですが、減ってきてはいます。

小山さん:
 児童買春及び児童ポルノ事犯の検挙件数は、買春については減っています。ただ児童ポルノ事犯についてはかなり増えていますが、近年では2年連続で減っています。

小山さん:
 20歳未満の者が主たる被害者となる刑法犯の認知件数、平成16年、20年近く前ですけれども、35 万件もの被害があった。

山田さん:
 今はかなり減ってきたと言っても、6万5千件ぐらいある。では、どういう犯罪に巻き込まれているのか。

山田さん:
 6歳以上、学校に通うようになると窃盗、物を取られたというのが多い。学校内でカツアゲというのもあるだろうし、外で登下校中に狙われるというのもあるかもしれない。

 未就学では圧倒的に暴行・障害が多い。これはたぶん虐待じゃないかと思いますけれども、こういう傾向があります。

小山さん:
 今度は法務省の犯罪白書ですけれども、検察庁の新規受理人員の推移、児童ポルノと児童買春はちょっと増えていたのが若干下がってきた。青少年保護育成条例は長い目で見ると横ばいに近く、児童福祉法違反についてはちょっと減っている。出会い系サイト規制法についてはそんなに件数は多くなくて、下の方に張りついています。

小山さん:
 各国における性暴力の発生件数・発生率の推移。発生件数というのは何件というそのままの数字で、発生率というのは人口10 万人あたり何件かということ。

山田さん:
 やはり日本は圧倒的に世界に比べると性暴力等の発生率・発生件数は低いと言えますが、イギリスがすごいんですよね。

小山さん:
 発生件数自体は16 万で、10 万人当たりに換算すると、250人ぐらいは性暴力に遭っている、アメリカはちょっとわかりません。

小山さん:
 で、児童虐待に係る事件、検挙件数・検挙人員の推移、児童虐待はもうかなり上がっています。このあたりは小寺さんどんな感じですか、原因とかを含めて。

小寺さん:
 厚労省が言ってるのは、誰でも通報できるようになったら、今まで隠れていた認知の件数が増えたと。

山田さん:
 そういう部分もあるだろうとは思います。

小山さん:
 そういう意味では救える可能性が高まっているのかなという気もしますけれども、傷害・暴行が圧倒的に多い、強制わいせつとかももちろんあるんですけれども、やはり圧倒的に多いのは暴行と傷害です。

山田さん:
 児童虐待に係る事件、これは実の親がしているということ。強制わいせつとか強制性交に関しても、やはり実の親、特に実の父、それから養父とか継父、家庭内で起こっちゃっているという問題がある。

 ここを何とかしないといけない、そうすると、まさに子どもの人権とか子ども基本法による児童の権利というもので、親からも守らなければ、子どもは救われないという部分は事実ですが、懲戒権というのはまだあるから、子どもにいわゆるしつけをするために、多少厳しく殴ってもいいみたいな。

 やはり子どもの人権とか権利というものが非常に注目されるようになってきましたので、私もそこはしっかり対処していきたいと思います。

ジェンダー特集3 性別による無意識の思い込み

山田さん:
 今回、我々も分析していて思ったのが、いわゆるいろいろな国際機関とか国際関係から言われているジェンダー指数、特に120位というのはどうなのか。

 他の機関の調べてみるともう1つ、ジェンダーに関しての文脈と、性別による無意識の思い込みというような、アンコンシャス・バイアスもあるんじゃないかということで、ちょっとこの辺も調べています。

小寺さん:
 性別による無意識の思い込みというのは、なかなか数値にしづらいということで、世界比較というのはないんですけども、日本は一応調査をしております。

 例えば女性には女性らしい感性があるのかというのは、半分ぐらいの方がそう思っている。男性は仕事をして家庭を支えるべきだというところも、半分以上の方がそう思っている、デートや食事のお金も男性が負担すべきだと。

 こういう古い慣習とか規範に無意識に縛られているところが、女性が生きづらさを感じたりとか、差別をされているというふう感じる、その根底にあるのではないかなと私は思います。

山田さん:
 これはどうですか?めぐめぐさんも。

めぐめぐ:
 私も会食とかでご飯を食べに行く時に、私も出そうとする時にいや大丈夫ですって、女性だからというのは感じることもあるんですね。(性別は)関係ないのになあと思うことはあります。

山田さん:
 これは僕は、アンコンシャス・バイアスと言えばそうなんだろうけど、選択肢という考え方もあると思っていて、よくある議論の中で主婦をやりたい人もいれば、それは嫌だというのもあれば、逆に男性が主夫をやりたいというのもあります。

 それは例えば夫婦であったり、それぞれの関係性で議論されれば良いと思っていて、そこに選択肢がないような形で、社会が決めつけてしまうのはどうなのかと思っているんですけど、完全に差が無い方が良いということではないと思います。

小寺さん:
 例えば、同じように育児をしている男性と女性が会社にいたとして、なんとなく女性の方が育児をするために早く帰してあげなきゃいけないとか、本当に無意識に私たちも刷り込まれていると思うんです。

 そういうバイアスはないに越したことはないと思っていて、例えば男性も社会に出て稼ぐべきだっていう刷り込みがあるせいで、一回仕事を失ってドロップアウトした後に、社会復帰しづらくなって自ら死を選んでしまうというパターンも、すごく男性の方は比率が高い。

 そういうアンコンシャス・バイアスはできる限りなくしていった方がいいんじゃないかと思います。

山田さん:
 LGBTなんかもそうで、やはりLGBTの権利というか、事実として認めるべきで、人権問題だと思っています。

 ただ風習・慣習というのは、やはり話し合いの中で徐々にしか変えていけないところもあるから、いきなりこれらを解消するとそれもかなり不自由というか…

小山さん:
 先ほど幸福度調査のようなものをあえて紹介したのは、ジェンダー平等が大事だというのは、山田事務所は男性陣女性陣関係なく、LGBTQ関係なく思っていますが、その結果みんなが不幸になったら、それは何か違うんじゃないのと。

 最終的な目標はどれだけ国民の幸福度を上げていけるかというところを重視した場合、その最終ゴールに沿った形でのジェンダー平等を、プロセス的にも踏んでいく必要があるんじゃないかなという気もしていまして、ジェンダー平等が必要ないということではありません。

山田さん:
 次が性別役割意識(シーン別、性・年代別)についても少し。

小寺さん:
 例えば家庭では、男性の方が仕事と家事の分担に関して性別役割意識が強いというのもありますし、先ほど述べたように、男女とも育児の期間、女性は重要な仕事を担当すべきでないというような意識が相当、顕著に表れています。

小寺さん:
 メディアの影響というのは多くて、性別によって役割が決めつけられているっていうメディアの研究も世界中であるんですけど、日本では特に女性がこういう仕事を、男性はこういう仕事をっていうのが、漫画アニメ含めてドラマでも全て、性別の役割を固定化しているという傾向が高いと言われています。

 そういった小さい時からの刷り込みみたいなものが一番関係してくるのかなと思います。

言葉の問題と今回のまとめ

山田さん:
 もう一つ言葉の問題、実はアメリカの事例をちょっと紹介しておきたいと思うんですけれども、ハッピーホリデーってわかる?

めぐめぐ:
 ハッピーホリデー?なんですかそれ。

山田さん:
 メリークリスマスのこと。アメリカではもうメリークリスマスって言わないようです。

 何でかというと、クリスマスというのはキリスト教的な価値観だから、それを国全体で祝うのはおかしいのではないかという議論だそうです。
 それからクリスマスツリーとは言わずに、ホリデーツリーという。

 それからレディースアンドジェントルマンというのも、ハローエブリワンに。ボーイズアンドガールズや、シー・ヒー(彼女・彼)というのも最近使わないらしい。ブラザーやシスター使わないとか、結構大変ですよ。

 日本でも最近嫁とかというのは言わなくなっているそう。嫁という字は「女」が「家」にいると書く、あと奥さんというのもよくない、男性の旦那さんの奥にいる人という意味だからということで。

小山さん:
 婦人という字もダメだという話です、「女」に「帚」というのは、女性がほうきを持つものと連想されるからダメだみたいな話で、日本でもそういう動きが徐々にある。

山田さん:
 言葉とか価値観というのもある種の文化で、差別を無くすのは当然だし、配慮しなければならないけれども、急に無くせるのかということ。
 無くした先のそういう呼称が、本当にみんなにとって心地良いのかどうかということも含めて、本当はもうちょっと議論が必要なんだと思います。

小寺さん:
 確かアメリカでは何て呼んで欲しいかっていうのを、初対面で最初に確認するらしいんですよ。自分はこう呼ばれたいという選択ができる。

 やっぱり伝統的な価値観が良いと思ってる人と、新しいものが良いと思っている人では価値観が違うので、そこは何でもかんでも欧米を取り入れるべきだとは全然思わないので、そこは日本らしい選択があるんじゃないかと思います。

山田さん:
 漢字はかなり厳しいよね。なんで男が田んぼの力なんだって、表意文字だからさ、昔のそういうのを引きずりながら作られているので。
 でもそこにバイアスがあるんだったら変えるべきだという議論になっちゃうわけでして、これをどう考えるか…。

小山さん:
 言わんとすることは何となく分かるんですけれども、それは過去の歴史と文化を全否定するような気もするんですよね。

 何かの言葉自体が社会的に抹殺されるというのは、それは不寛容の極みだと思っていまして、誰かが嫌な思いをするからもうそれはやめましょうというのでは、何もできない。

 誰かが大きな声で、これはダメですよと言い続けると、何となく社会的なネガティブリストがどんどん増えていくばかりで、やって良いという肯定的なチェックをしてもらったもの以外何もできない。

小寺さん:
 アメリカではとにかくマイノリティに配慮した言葉遣いとか慣習というのが、すごくこの10年間論じられるようになってきていて、逆にこの1年で何が起きているかというと、マイノリティーの取り合いになって、マイノリティーの方が社会的地位が上がっちゃっていて、完全に逆転しちゃっている。

 例えばレズビアンカップルの子どもの方が圧倒的に有名大学に入りやすいとか、自分がどうやってマイノリティーになるかという競争みたいになっちゃってて…。

山田さん:
 だからこれは逆差別ということなんですよ。

小山さん:
 ただ日本もかなりジェンダー平等に近づいてはいると思っていまして、議員会館でも、私が入った当時(2013年)は女性はお茶汲みぐらいしかしませんみたいな、そんな文化がすごくありました。

 それが今は小寺さんもそうですし、政策をやっている女性の方、プロフェッショナルとして議員会館で働いている女性の方も結構見かけますし、女性議員は確かに少ないんですけれども、周りということであればだんだん増えてきてはいる。

山田さん:
 フェミニズムとかジェンダーは触ると相当批判もされるけど、冷静に議論しつつ、日本は日本のあり方というのを考えていかないと。
 文化はローカルと言っているのはまさにここで、ここは表現に関しても非常に危機的だから、文字ですら失われる可能性がある。

 こういう表現はダメだとか排除しなければならないとか、キャラクターに男女の差をつけてはいけないとか、男女が必ず同人数が出ていなきゃいけないとかを意識し始めたりして、表現する側は非常に息苦しい時代に入ってきている。

小山さん:
 具体的に何か損害を被ったんだったら、それは保護されてしかるべきですし、損害が補填されるべきですけれども、あなたの表現とかあなたがしたことは全て気に食わないから謝れとか言ってくると、もはやクレーマーと同じじゃないかという気がします。

 やはり多様性というものを私も大事にしたいと思いますし、その根底には
お互いがお互いを尊重し合いましょうという、個人の尊厳があると思うんですけれども、自分の尊厳しか言わない人達というのが、今力を持っちゃっている国もあるんじゃないかと思って、そこはかなり危惧しています。

 日本でもそういう方向性になりかねない危険はあるんだなと最近はよく感じます。

山田さん:
 ということで特に結論が出ているわけじゃないですが、あのジェンダー指数からいろいろな議論が始まっていて、世論も政府も、特にマスコミ。

 バイアスというのは何で、それは選択肢の問題としてどうなのかとか、文化としてどうなのかとか、それはみんなにとって心地良いのかどうか。
 昨今は社会秩序とかそういう話になってきてしまうので、誰かが不自由にものすごくなるということなんですよね。

 もちろん統計とか数字も、いろいろな調査によっては変わってくるから、なかなか難しいところがあるとは思います。

小寺さん:
 結論は出ないんですけども、議論をして皆さんに投げかけるという機会はすごく重要だなと思いました。どうあるべきかという続編もぜひやっていきたいと思います。

小山さん:
 ジェンダーとかLGBTとか言われると、もうその人たちの言っていることを全部聞きましょうみたいなスタンスが、マスコミにはかなりあるように見えまして、それはどうなんだと、おかしいと思ったらおかしいと言って、議論をして一緒に考えましょうというのがありきだと思うんです。

山田さん:
 漫画とかアニメとかゲームとかを表現したり、あるいはそれを楽しんでいる人たちから見ると、今極めて息苦しい時代に入ってくるかもしれない。

 時代の変化というのはみんなで作っているものなので、誰かが正しいということがないから、これは世論を含めて対話でしか答えを出せないと思うんですけれども、双方あまり極端というのはよろしくないのかなと思っています。

 それでは今日はこれぐらいにしたいと思います、どうもありがとうございました。



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