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【第567回】今週の山田太郎〜新サイバー犯罪条約、デジタルコンテンツ戦略〜(2024/2/7)  #山田太郎のさんちゃんねる【文字起こし】

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発言者:
(山田さん) 山田太郎 参議院議員
(小山さん) 小山紘一 山田さんの秘書


山田太郎の1週間の一部(2024年1月30日~2月6日)

(山田さん)
今日は2月7日ですが、この1週間で私が何をやってきたのかを中心に、その中でも重要な内容を厳選してお伝えしていきます。

(山田さん)
まず最初にどうですか小山さん、いよいよ国会が始まったという感じですけれども。

(小山さん)
やはりかなり各省庁とのやりとり、参議院の事務方とのやりとりなどが相当増えてきまして、山田さんが金融委員会の筆頭理事に就任して、お偉いさん方、金融庁の長官がいらっしゃったり、いろんな方との意見交換や打ち合わせなども入ってきまして、非常に責任重大ということで、身が引き締まる思いでございます。

参議院財政金融委員会 筆頭理事に就任!

(山田さん)
いろんな委員会を私も経験していますが、結構大変で毎年のように揉める、重要法案が多い三大委員会は、内閣委員会と厚生労働委員会とこの財政金融委員会なんです。

まず予算委員会と連動していて年度末までに税制をまとめなきゃいけない。
所得税、法人税、その他関税、いろんな税金に関するものをまとめなきゃいけないんですけど、論点がすごく多いんで、普通の委員会は4月になってから本格的に始まるんですが、財政金融はもうスタートします。

3月末までやらなきゃいけないこと、3月以降も通常の委員会と合わせて戦場になりますが、筆頭理事ということになりましたので、与党を代表してまとめていくということになります。

立場上、私はどちらかというとインボイスを始めとして財務省とはぶつかってきた立場ではありますが、財務省が出す法案に関しては、与党として共闘していくということで、もちろん財務省に対して厳しく言わなきゃいけないところに関しては、厳しくやっていこうというスタンスは変えていませんので、頑張ってやっていきたいと思います。

財政金融委員会 今国会提出法律(予定)

(山田さん)
今国会の財政金融委員会にかけられる法律は6本を予定しています。
これは状況によって減ったり、逆にプラスアルファになってくることもあると思いますが、結構大変な重たい法律をこれから国会で議論していきます。

1月30日:施政方針演説

(山田さん)
施政方針演説ということで、総理がこの国会における方針を説明する。
政治と金の話から始まり、被災地、能登半島周辺で起こった大地震に対する対応、それから物価高の問題、関西大阪万博の問題などが語られました。

2月1日・2日:参議院 代表質問

(山田さん)
それに対して与野党が代表質問をしたんですが、その中でちょっと気になった内容がありましたので、ちょっと取り上げていきます。

代表質問:条約と勧告をめぐる質問・答弁

日本国憲法は条約を誠実に尊寿することを定めており、批准した条約は国内でも法的拘束力を持つとされていますが、政府は度々勧告に対し法的拘束力を持たないと無視するのはなぜですか。

立憲民主党の質問抜粋

人権諸条約の委員会による勧告が加盟国に対し法的拘束力を持たないことは当該条約の規定ぶりから明らかですが、我が国としては、関係省庁において勧告の内容を十分に検討することとしており、無視をしているというわけではありません。

内閣総理大臣の答弁抜粋

(小山さん)
ポイントとしては、条約違反があるという聞き方はしていなくて、条約に関して委員会から勧告が出ているのに、なんでそれを無視しているんだというような聞き方をしていて、分かってる上なのか、分かってないから聞いているのか、ちょっと判断しづらいところですが、要は勧告を無視するなと言いたいところに対して、総理は無視はしていないし、そもそも法的拘束力がないし、条約違反でもないという質問と答弁になります。

女子差別撤廃委員会:日本の第7回及び第8回合同定期報告に関する最終見解

(小山さん)
こちらは2016年3月7日付で、女子差別撤廃委員会から日本の最終見解が示されております。

家父長制に基づく考え方や家庭・社会における男女の役割と責任に関する根深い固定観念が残っていることを依然として懸念する。特に以下について懸念する。
(b)メディアが、性的対象とみなすことを含め、女性や女児について固定観念に沿った描写を頻繁に行っていること、
(c)固定観念が引き続き女性に対する性暴力の根本的原因であり、ポルノ、ビデオゲーム、漫画などのアニメが女性や女児に対する性暴力を助長していること、

一部抜粋

(小山さん)
その懸念を示した上で、さらに締約国、つまり日本に対して、以下を要請しました。

(b)差別的な固定観念を増幅し、女性や女児に対する性暴力を助長するポルノ、ビデオゲーム、アニメの製造と流通を規制するため、既存の法的措置や監視プログラムを効果的に実施すること、

一部抜粋

(小山さん)
ということで、ビデオゲーム、アニメなどの製造と流通を規制しろと言ってきているのが、いわゆる勧告ということになっています。

女子差別撤廃委員会:最終見解の性質

(山田さん)
それで私が外務省とやり取りをして、性質について確認をしています。

Q
女子差別撤廃委員会では、事前質問票や対面審査の質問案、最終見解はどのように作成されているのか。
A
女子差別撤廃委員会のメンバーが独自に作成したり、国内の団体から送付された意見をもとに作成されている。

(山田さん)
結構いろんな団体の人たちの意見がかなり根強く反映されていると言われていますし、これが外圧のもとになっていると言われています。

Q
女子差別撤廃委員会からの最終見解やその中で示される勧告に拘束力はあるのか。
A
最終見解やその中で示される勧告に法的拘束力はない。

(山田さん)
これも外務省に確認して、法的拘束力はありません。

Q
最終見解の中で示される日本に対する認識は国連の公式見解か。
A
女子差別撤廃委員会のメンバーの個人的な見解にすぎず、国連の公式見解ではない。

(山田さん)
これも、女子差別撤廃委員会メンバーの個人的な見解に過ぎず、国連の公式見解ではないということがはっきりしています。

(小山さん)
3つ目の質問で、強調はしていませんが、外務省としては国連の公式見解ではないので、事実と異なる認識が示されていたとしても、日本政府はいちいち反論することはない。

そして反論しないことをもって、認めているわけでもありませんということでした。

(山田さん)
もちろん国連のいろんな勧告は、私から見ても守るべきで、日本国内で是正するべき内容もあります。

女子差別撤廃委員会の全ての意見に対して、おかしいというつもりはありませんし、その通りだと思うような内容もあるんですが、容認できないのはこの漫画とかアニメに関する勧告です。

その整理をしっかりした上で、この本会議でやりとりが変な形にいかないようにちゃんと見ていきたいと思っています。

新サイバー犯罪条約:議論の状況

(山田さん)
新サイバー犯罪条約については何度かやってきた内容ですので今回は詳しくは説明しませんが、最終段階、条約の草案を作っていくという作業にいよいよ入っていく、今年の秋までに採択をするということで、夏までにできる可能性もあるということであり、結構緊張感が走っている段階。

新サイバー犯罪条約:最終会合草案 第13条(非実在規制関連)翻訳

(山田さん)
大事なのは、我々がずっと、この番組で議論してきました、何とか死守しなければいけない第13条の3、

締約国は、第2項で指定された製造物が次に該当する場合に限定されることを要求することができる。
(a)実在する児童を描写または表現していること、又は、
(b)児童の性的虐待又は性的搾取製造物を視覚的に描写していること

(山田さん)
この描写というのがありますから、非実在のものに関しても制限できる。
ただしそこは各国の判断で採用しなくてもいいという、留保に近い形があって、基本的には漫画に関しても厳しい規定を設けるものの、各国の事情に鑑みて判断できるとあるんですが、なんとこれを削除しろという意見がエジプトから出てきた。

最終会合:エジプトの主張と日本等の対応

(山田さん)
日本の立場としては、13条の3は維持すべきであると非常に強く主張して、今各国が分かれて対立していています。

仮に13条の3がなくなって、その条約に批准するということになると、日本のマンガ・アニメ・ゲームは大打撃を受ける、はっきり言ってコミケも簡単には開けないぐらい、表現規制が進むということになりますので、なんとかしてこの13条の3は残さなければならない。

外務省とも連絡を取りながら、状況を確認しつつ作戦等を立てているところですが、まずは今こういう状況になっているということをご報告しておきます。

新サイバー犯罪条約:これからの動き(予定)

(山田さん)
最終会合が2月9日までを予定していて、ちょっとこの調子ではずれ込む可能性もあるかと思いますが、その後の国連総会で提案されて決議されるということになります。

今までの番組でも言いましたが、国連の方で良い形でまとめられたとしても、今度は国内での法整備が改めて行われますので、その時に我が国も13条の3を適用せずにそのままマンガ・アニメ・ゲームを規制しようという話になりかねません。

先ほどの本会議場の中での女子差別撤廃委員会みたいなものが改めて議論されることにもなりかねませんので、かなり重要な局面に来ていると思っています。

(小山さん)
外務省の方からの連絡では、大半は維持すべきというような意見のようだということで、外務省さんには引き続き交渉を頑張っていただきつつ、他の条約、国連の条約もそうですけど、人権を大事にしていくという中で、表現の自由ははその中核を成すものなんだということを忘れないようにしていただいて、バランスを取るようしっかりと、他の国々を説得してほしいということは伝えています。

2月6日:デジタルコンテンツ戦略小委員会

(山田さん)
2月6日にデジタルコンテンツ戦略省委員会で、私が事務局長ということで新たな会合がスタート、多くの議員や役所の関係者が集まりまして、これから5つプラスアルファのことをやっていこうと、まず議題の整理をしました。

DA:ジャパンサーチの連携機関、連携データベース等の状況

(山田さん)
まずデジタルアーカイブのところ、いろんなデータをどう整備していくのか、日本にどんなデータがあるのかをまとめたのがこの表です。

ジャパンサーチというのは国立国会図書館が運営しているデータベースなんですけど、基本的にメタデータが中心で約3000万件が整備されて、222のデータベースと連携しているということですが、その先のデータを見れるわけじゃないということで、コンテンツデータも見れるようにするべきということで議論をスタートしました。

DA:海外の分野横断統合ポータルとの比較(2023年春時点)

(山田さん)
海外と比べてみると、欧州のEuropeanaが約5600万件、アメリカのDPLAが約4800万件、しかもそのうちほぼ全てのコンテンツにアクセス可能。日本はこの時点では約2800万件ですが、そのうちアクセス可能なものは約17%しかない、検索もできなかったりと整備状況も良くないので、この辺りのデータ整備をすると同時に、メタデータと紐付けて閲覧できるようにしようということ。

(小山さん)
ジャパンサーチのメタデータが少ないというコメントもありましたが、人口比率で考えると、ヨーロッパは7億人ぐらい、アメリカは3億人以上、日本は1億人、7対3対1で考えればジャパンサーチも結構あるとも言えます。

ただやはり課題となるのは、直接メタデータから飛べるコンテンツが約17%と、非常に大きな課題になっておりますが、コンテンツデータを整備するにはお金も労力もかかる、権利処理も非常に大変、そこを国としてどのようにしていくかということで、デジタルコンテンツ戦略小委員会でいろんな議論をしています。

海賊版:被害状況及び被害拡大防止に向けた取組み

(小山さん)
スクショ違法化と言われて2019年に一旦取り下げた、海賊版対策のための著作権法改正が2020年に成立しましたが、いくら法律を改正してもそれだけでは被害はなくなりません、しっかり法執行してくださいと権利者団体とも話をしつつ、経産省とも連携を取って、結構な権利執行がされるようになりました。

アクセス数4億超えと言われたピーク時と比べると、大手海賊版サイトが続々閉鎖されて、かなり減ってきたとは言われてますが、ベトナム等の海外の海賊版サイトに日本はどう取り組んでいくのか、その辺りを真剣に考えています。

(山田さん)
これは国家間の公安当局同士でやり取りをしなきゃいけない、つまり都道府県警では対応ができないので、国家警察ということでサイバー警察局を作ったはずなのに、サイバー警察局に聞いたら、著作権とか海賊版とか誹謗中傷に関しては所管外だと言われておかしいじゃないかと。

もともとそれをやるということで私も後押しをしましたし、これは所管させるために、警察等に対して働きかけていきたいと思います。

著作権法改正:新たな裁定制度

(山田さん)
これは簡単に言うと権利者が誰か分からなくて著作物を使えない場合に、文化庁長官の裁定に基づいて使っていい、その代わりに補償金を支払うということと、期限を決めて使えるという仕組み、あとから著作者が分かればその補償金から支払われる。

著作権法改正:その他

(山田さん)
今の国会を見ているとだらしない、法律違反の状態を是正できない与党や国会は何なんだと思いますが、著作権法においても立法と行政におけるデータのやり取りが(法律上は)出来ないという問題があったのを可能にした。

もう1つ海賊版の被害があった場合の損害賠償の計算も見直して、推定してライセンス料相当額というものも損害推定ができるように明確化しました。

今回のまとめ

(山田さん)
ということでこの1週間で私はだいたいこんなことをやっているということをお伝えしました。

何度も言いますが、国会議員は何をしているのかわかりにくい。正直言うと、国会議員にもピンからキリまでいまして、一生懸命働いていたりいろんな問題意識を持って、課題解決に取り組んでいる人もいれば、何をしているのかよくわからない議員もいますが、私は重要な内容に関しては自分がやっていることを皆さんに伝えていかなければいけないと思って、今回こういう手法でやってみました。

今日は時間がなかったので取り上げられませんでしたが、AIと著作権についても、AIがおかしなことにならないように、クリエイターに寄り添うような形で解釈して、パブコメもたぶん終わってガイドラインみたいなものを文化庁を中心に作っていくことになると思いますので、概要が分かり次第お伝えしていきたいと思っています。

(小山さん)
山田太郎の1週間、これ以外にもかなりいろいろやっていまして、今日紹介できていない、実は相当1週間のうちに事務所全体で色々動いているところはありますので、個人的にはあまり手を広げてほしくないという。

(山田さん)
他には予算委員にもなり、最初の方で言ったように財政金融委員会の筆頭理事でもあるということで、今何が起こっているかというと、どーん、これが国の予算書です。

(山田さん)
一般会計から特別会計、いろんな参考関連文書だったり財政投融資とかいろいろあるんですけど、これを中心に予算委員会もやっていますが、これはもう自民党が悪いと思いますけど、政治と金の話でほとんど予算の話ができない状態なんですが、今こそ国の転換期でもありますので、予算の話はしっかりするべきだと思います。

私なりに具体的な予算を国として編成しているのか、一人予算委員会というのを恒例のごとくやりたいと思っていますので、また特集を組もうと思っています。はいじゃあ今日はこれぐらいで、どうもありがとうございました。

虹杜ココロからのお知らせ

著作権関連のトピックス、主にレコード演奏・伝達権(公の演奏権)からクリエイター支援の部分(動画の49分40秒くらいから1時間5分5秒くらい)は内容が良く理解できず、うまくまとめて要約することが出来ませんでした。興味のある方は動画の方でご確認くださいませ。