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読書記録「整う力」    小林弘幸著

高次脳機能障害に気がついてから、仕事もボランティアも趣味も全てがストップ。心身ともにあまり良いとは言えない状態で出会ったのがこの本でした。


自律神経の整え方

「自律神経」この言葉が実はあまり好きではありません。巷には自律神経を整えると称して、本やサプリメント・治療院などが溢れかえっています。

まさに玉石混淆、知識のない私は近寄らない方がいいものという認識でいました。

ただ、本屋さんでたまたま手に取ったこの本。順天堂大学の教授が著者であること。そしてサブタイトルが「ちょっとしたことだけど効果的な78の習慣」と気軽に試せそうで購入してみました。

1章 ゆっくりで整う

1章は“とにかくゆっくり”を意識することが書かれています。

そうすると呼吸も自然とゆっくり深くなる。話すこと食べることもゆっくりを意識。これはいいかもしれないと思いました。

高次脳機能障害のため何かしなければと思うと頭がフル回転し、結果どっと疲れてしまいます。

“take your time”   “don’t rush”
留学中プレッシャーとストレスから著者を救ってくれた魔法の言葉がこの二つだったと言います。

私もリハビリに行った時よく「慌てなくていいですよ」と声をかけられます。その一言でハッとします。

慌てたところで何秒縮まる?焦ると失敗して遅くなるだけ。そのことに気がつかされます。

この章のなかで面白いと思ったのは「ため息のススメ」です。

私も「ため息をつくと幸せが逃げる」と耳にし、なんとなくそうなんだと思っていました。

でもため息とは人間の肉体が持っている素晴らしい浄化作用なのだそうです。あくびと同じような感じでしょうか?

「心と体をリセットして幸せを呼び込むもの」そう思ったらポジティブにため息がつけそうです。

2章 1日30分で整う

ここには意外に普通のことが書かれています。
ただ当たり前だけれど実践しているかと言われるとそうではないことばかりです。

・玄関にメモで忘れ物激減
・必要なものはすぐ取り出せるように
・30分前行動を心がける
・準備は夜のうちに

高次脳機能障害は突発的な出来事に弱いです。でも時間の余裕があればパニックになりにくくなります。

“少し早めに行動するという単純な「時間的余裕」は「心の余裕」になり自律神経は安定するのです”

普通の人にとって時間的余裕が心の余裕になるのなら、私にとってはなおのこと大切なことと思いました。

3章 メンタルが整う

・焦りや緊張対策は「手を開くこと」
・1対2の呼吸法で不安は消える
・カチンときたらあえてゆっくり話す

なるほどと思いながら問題はその時にこのことを思い出せるのか?その余裕があるならばもしかしてこんな対策を練る必要もないのかも?

落ち着かないといけないのに力んでしまう時には効果がありそうです。

どうやったらこのことを思い出せるのかそれが1番の課題のような気がします。

4章 体調が整う

ここでは体調を整えるためのエクササイズについて書かれています。

これで自律神経が整うのかどうかもありますが、なによりこのエクササイズが今の自分の身体に適しているのかどうかわからないので療法士さんに聞いてみようかなと思います。

5章 人間関係が整う

ここで気になったのは“流せる人になろう”です。

“悪性腫瘍が見つかったという「過ぎ去ったこと」はさっさと流して、今できることに専念することがもっとも大切なこととなります”

「仰る通りです」としか言いようがないです。
私も近所の自費リハの先生に「今できる最善を尽くしましょう」いつもそう諭されています。

でもこれは事の重大さにもよるのではないでしょうか。ごく普通の日常で起きる事であれば、過ぎ去ったことを流せるのが良いと思います。

「悪性腫瘍が見つかった」さえ「過ぎ去ったこと」にして今できることに専念することが可能ならなんでも流せちゃうと思います。

私の場合は病気ですが、さまざまな事情により現実を直視できない人はいっぱいいるのではないでしょうか。

わかっているけれど過ぎ去ったことと割り切れない人の方が多いのではないかと思いました。

6章 生活が整う

色々な生活の整え方があるのだなと思いました。そして人間って緊張の連続では生きていけないのだなと思いました。

脳が疲れやすい特性をもつだけに、緊張から解放される時間を持つことを心がけることが大切です。

自分にとってどんな状態だと頭が休まるのか。そんな時間を探してみようと思います。

7章 食事で整う

これ1番苦手なんですよね。こういうことを考えながら何かを食べたり、おやつを我慢することは私にとっては整わない!そう思って今は食べたいものを食べようと思いました💦

読み終えて

最後の最後に身も蓋もないことを書いてしまいましたが、わかりやすくチャレンジしやすいことが書かれていました。

高次脳機能障害だからこそ人よりも「整う力」を意識して養っていきたいと思いました。