もうすぐ、motohiroさんが営む
カフェ「ひだまり」も閉店の時間。

motohiroさんと黒猫さんが
片付けをしていると、外で
「ばさばさばさっ」
と、音がした。

なんの音だろう。
motohiroさんがドアのほうへ近寄ると

「こんばんは～～！」

と、突然、スワンが中に入ってきた。

「こちらで、カフェメニューの企画をしてると
聞いたんですが、まだ間に合いますか？！」

「まだ、大丈夫ですよ」

「よかったぁ！！急いでやってきたんです」

スワンがバッグの中から包みを取り出すと、
それは、つやっと光る３つのおにぎりだった。

「わたしが住む湖近くの田んぼでとれた、お米です。
きれいな雪解け水を使って、ふっくら炊き上げました。
冬になると、わたしも田んぼに出かけていって
落ちている稲のおこぼれに預かるんですよ。
まあ、稲刈り後の田んぼをそうじしてるって言うのかしら、あはは！
ある時、そこの農家さんと仲良くなってねぇ…」

スワンは息をつく暇もなく、しゃべる。

「それで、おにぎりの中には
わたしが漬けた梅干しと、
ちかくの里山でとれた山菜と、
タケノコを佃煮にしたものがはいってます。
外からは分からないようにしてあるの。
どれにあたるかは、お楽しみ。
そういう楽しみっていいでしょ、うふふ。

たくわんは、もちろんお手製。
お皿にしているハランも、山でとってきたもの。
自然のめぐみを、愛を込めてまるっと凝縮してます。
皆さんに食べてもらって、元気になってもらえると
いいなと思って、つくってみたの」

そういってスワンはほほ笑むと、時計を見やり

「いっけない！！娘をむかえにいかなきゃ。
それじゃあ！間に合ってよかった。
このおにぎりは、お二人で夕飯に食べてくださいね。それでは！」

そう言うと、スワンはあわててカフェを出て
ばさばさばさっと、ピンク色に染まる夕空に向けて
飛び立っていった。

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この落ち着きのないスワン、まさに私です！笑
今日の２１時というのを見つけて、
きゃ～っと思い、アップしています。

ぎりぎりになってしまいましたが
motohiroさん、
スワンの愛情こもった特製おにぎり
いかがでしょうか？🦢💛🍙

素敵な企画、ありがとうございました✨