お勉強449:早期肺がん切除後の二次発がん発生率

海外のpT1a(2cm以下)N0M0なら葉切=葉切以下の切除(区域or楔状)
というCLGB140503(Alliance)試験の二次解析

https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2212083

(JCOGの試験とは違い非劣勢しか示されていない)

根治的外科切除を受けた早期非小細胞肺癌(NSCLC)患者に
おける二次原発肺癌(SPLC)についての解析。

上記試験に組み入れられた患者は
手術後、プロトコールに定められたCTサーベイランスを受けており

※一年は6か月おき、5年後まで一年おきから途中で
 二年は6ヵ月ごと、その後5年間(術後7年間)は年1回のCT検査

それでSPLC(担当医判断)の発生率を推定した。

SPLCの定義としては昔提唱されたものが
現在でも尊重して使われており
・組織型が違う
・最初の肺がん治療後から2年以上
・組織型が一緒の場合は他葉、他区域
 (リンパ節転移なしの場合)
となっている

SPLCの発生率(患者1人当たりの年間発生率)と
5年間の累積発生率について、
研究集団全体および各群に分けて解析。

追跡期間中央値は7年
全体、葉切除以下群、葉切除群における
患者1人当たりの年間発生率は、
それぞれ
3.4%(95%CI、2.9~4.1)
3.8%(95%CI、2.9~4.9)
3.1%(95%CI、2.4~4.1)

全体、葉切除以下群、葉切除群における
SPLCの推定5年累積発生率は、
15.9%(95%CI、12.9~18.9)
17.2%(95%CI、12.7~21.5)
14.7%(95%CI、10.6~18.7)

5年生存率は
・再発も二次がんもなし 89.1%
・再発 52%
・二次がん 63.9%
と二次がん集団もかなり悪い

2年の時点で再発も二次がんもない集団で
ランドマーク解析しているが、
SPLCの累積発生率、OSの傾向も変わらず

筆者らは
・判断が現場の医師の判断なので
 再発と二次がんの区別は若干怪しい
→ランドマーク解析しても値は変わらないので
 ある程度信頼性はあるだろうと。

ハザード的には葉以下切除、高年齢、PS低い
などはリスクが高い。

海外のデータなので日本とは事情が違うのかも
知れないが、思った以上に二次肺がん、あるんですね。

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