nijuoti

中堅放射線腫瘍医。癌関連の記事を書き綴る予定。

nijuoti

中堅放射線腫瘍医。癌関連の記事を書き綴る予定。

最近の記事

お勉強453:肺がん術前IO+ケモのメタアナリシス

https://jamanetwork.com/journals/jamaoncology/fullarticle/2816789 非小細胞肺がんの術前ケモvs.ケモ+IOのメタアナリシス ※RT/TKIを加えたものやIO単剤のものは除外 43試験5431人のメタアナリシス (2013-2023年の10人以上の試験) 8つRCT ・CheckMate 816 ・KEYNOTE-671 ・NADIM II ・AEGEAN ・Neotorch ・Checkmate 77T

    • お勉強452:乳がん、術前化学療法でpN0なら領域照射は要らない

      これのスライド。 前提条件としてN=1~3は意見の分かれるところだが、 pN+の乳癌で、 乳房全切除術後の胸壁への照射を含むRNI(いわゆるPMRT) 乳房温存術後の全乳房照射へのRNIの追加(WBI-RNI) の有効性は確立している。 今回は術前化学療法を受けた後にypN0となった患者で 果たしてRNIは必要か?というテーマ cT1-T3、cN1、M0の乳癌で、 8週間以上の術前化学療法(HER2陽性の場合は抗HER2を含む)をして 病理学的にypN0が認められた患者が

      • お勉強451:ADC+ICIの時代がやってくる?

        https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2312117 今更感はありますが… EV-302試験。時代が変わった試験でありました。 https://note.com/nijuoti/n/n05b0491acea0 も参考のこと。 未治療の局所進行または転移性尿路上皮がんに ・エンフォルツマブベドチン(EV)とペムブロリズマブ(PEMB)の併用療法 ・従来の化学療法(GEM+プラチナ療法) との比較 886人を442人EV

        • お勉強450記念 頭頸部CRTと誤嚥の話

          頭頚部がんの誤嚥を防ぐための話 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/hed.23913 最近誤嚥性肺炎の本を読んでおり、 頭頚部がんの誤嚥に対しても色々有用なのでは? と思うことがあり検索。 とりあえずしばらくこの類が増えるかもしれません 日本(順天堂大学)からの報告 後ろ向きケースコントール研究 予防的嚥下運動としてシャキア法 https://www.youtube.com/watch?v=XsFnLeVH1KI

        お勉強453:肺がん術前IO+ケモのメタアナリシス

          お勉強449:早期肺がん切除後の二次発がん発生率

          海外のpT1a(2cm以下)N0M0なら葉切=葉切以下の切除(区域or楔状) というCLGB140503(Alliance)試験の二次解析 https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2212083 (JCOGの試験とは違い非劣勢しか示されていない) 根治的外科切除を受けた早期非小細胞肺癌(NSCLC)患者に おける二次原発肺癌(SPLC)についての解析。 上記試験に組み入れられた患者は 手術後、プロトコールに定められたCTサーベイラ

          お勉強449:早期肺がん切除後の二次発がん発生率

          お勉強448:上咽頭がん、導入化学療法後はCRT?RT?

          https://jamanetwork.com/journals/jamaoncology/fullarticle/2814858 NPCの局所進行がんは導入化学療法が近年標準になっている。 当然導入化学療法すると、後のCRTのコンプライアンスは悪く、 それを踏まえて、 ・導入化学療法→RTのみ ・導入化学療法→CRT(30mg/m2 weekly) の非劣勢試験 今回の導入化学療法はDCF(60-60-600) 3サイクル 対象はIII期からIV期のNPC 端的に結果

          お勉強448:上咽頭がん、導入化学療法後はCRT?RT?

          お勉強447:センチネルリンパ節陽性でも、廓清はしない時代

          https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2313487 センチネルリンパ節転移陽性例に関する新たな知見というか 最近の流れの「ALNDいらんやろ」論文、また出る。 臨床的にリンパ節転移陰性で、 センチネルリンパ節にマクロの転移を1-2個有する乳癌患者で 腋窩リンパ節郭清の省略は許容できるか? という非劣勢試験。 放射線治療は前提。 (乳房温存なら必須、乳切後はその国のガイドラインに従う) 対象は比較的広く、 T1~T3の原

          お勉強447:センチネルリンパ節陽性でも、廓清はしない時代

          お勉強446:アントラサイクリン系は注意して使うべし

          https://ascopubs.org/doi/10.1200/JCO.23.01428 2017年に報告されたAnthracyclines in Early Breast Cancer(ABC)試験は 高リスクの早期乳がんでアントラサイクリンを省いた レジメンは非劣勢か?という試験で ・ドセタキセル+シクロフォスファミド ・ドセタキセル、もしくはパクリタキセル  +シクロフォスファミド+ドキソルビシン の比較試験。(非劣勢証明試験) 結論としては非劣勢証明ならず。

          お勉強446:アントラサイクリン系は注意して使うべし

          お勉強445:予後不良群には高線量?

          https://www.medscape.com/s/viewarticle/higher-dose-rt-extends-survival-high-risk-prostate-cancer-2024a10001wc https://twitter.com/DrLesterColl/status/1750564025178689589 GUASCO24の注目演題、今更ながら。 GETUG-AFU試験 ハイリスク(PSA20以上、GG4以上、cT3-4のどれか一つを満た

          お勉強445:予後不良群には高線量?

          お勉強444:脳転移、タグリッソでも、早めの局所治療が良い。

          https://www.lungcancerjournal.info/article/S0169-5002(24)00073-4/abstract EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん患者において しばしば話題となる「脳転移どっち先問題」に関する研究。 オシメルチニブ投与前に局所治療(放射線治療や手術)群と、 オシメルチニブ単独群 で全生存期間(OS)と 中枢神経系無増悪生存期間(CNS-PFS)を比較した後ろ向き多施設共同研究。 日本からの報告です。 今回のEGFR

          お勉強444:脳転移、タグリッソでも、早めの局所治療が良い。

          お勉強443:膵癌、局所治療の意味は?

          https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10840322/ BRや局所進行膵癌で FOLFIRINOX(この試験ではmFOLFIRINOXもOK) で導入治療をして、局所治療の上乗せに意味があるか? また、最適なタイミングは? という研究 2015年~2020年に、 治療された258例の膵腺癌患者を 全身療法群(ST)と集学的治療(MT)で比較 MTは FOLFIRINOX+放射線療法(RT)(MT1) FOLFIRINO

          お勉強443:膵癌、局所治療の意味は?

          PACIFIC2 ネガティブの理由を考える

          PACIFIC2 がネガティブであったことは 以前にレポートした 今回、詳細なスライドなど出たので、 再び再考 https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/news/202403/583699.html が安定の日経メディカルさんまとめ。 KMなどを含めたスライドは以下参照 日経メディカルの記事にもあるが、 いわゆるイミフィンジコンカレント群のほうが ・男性 ・Sq ・PD-L1<1% ・T4

          PACIFIC2 ネガティブの理由を考える

          お勉強442:PSMA-PETでサルベージRTの方針は変わるか?

          https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38290964/ 前立腺がん術後の サルベージ放射線治療を行う際に PSMA-PETを撮ることで、どれくらいの影響があるか? 期間としては2018年9月から2020年8月の間 PSMA-PET群:n=103、対照群:n=90での研究。 前向きランダム化比較試験。 結論から言うと1/3ぐらい変わるよう。 PSMA以外の画像診断はOK(fluciclovine-PET含む) PSMA-PET群 102/10

          お勉強442:PSMA-PETでサルベージRTの方針は変わるか?

          お勉強441:腎がんも定位照射だっ!

          https://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(24)00020-2/abstract 世界の腎がん定位照射を引っ張る Siva 先生の 非ランダム化フェイズ2の原発性腎がんに対するSBRT試験 ASTRO23で発表された https://twitter.com/_ShankarSiva/status/1708536038107619416 の論文化 国際的な非ランダム化第2相試験。 オース

          お勉強441:腎がんも定位照射だっ!

          お勉強440:世界はα線PSMA治療も

          https://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(23)00638-1/abstract Lu-PSMA治療を通り越して、アルファ線核種のAcのPSMA治療の報告 世界の7施設でのレトロ研究 8MBqを2か月ごとに投与 2016年1月1日から2023年5月31日の間に 488人が225 Ac-PSMA 治療を1174サイクル受けた (中央値2サイクル)。 患者の平均年齢は68.1歳 ベースラ

          お勉強440:世界はα線PSMA治療も

          お勉強439:放射線だけが悪者ではない

          https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9939160/ 非ホジキンリンパ腫のサバイバーの 二次悪性腫瘍(SM)リスクを患者因子、治療因子別に解析 した論文. 二次悪性腫瘍と言ってもTisや皮膚がんの一部は除かれているよう SEERデータベースから1975年から2016年に診断された 142,637例のNHL患者において標準化罹患比(SIR)を評価。 方法は細かく書いてあるが、詳しくは分からない… SMを発症した患者は

          お勉強439:放射線だけが悪者ではない