お勉強440:世界はα線PSMA治療も

https://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(23)00638-1/abstract

Lu-PSMA治療を通り越して、アルファ線核種のAcのPSMA治療の報告

世界の7施設でのレトロ研究
8MBqを2か月ごとに投与

2016年1月1日から2023年5月31日の間に
488人が225 Ac-PSMA 治療を1174サイクル受けた
(中央値2サイクル)。

患者の平均年齢は68.1歳
ベースラインのPSA中央値は169.5ng/mL
前治療歴は、
・ドセタキセル324例(66%)
・カバジタキセル103例(21%)
・アビラテロン191例(39%)
・エンザルタミド188例(39%)
・Lu-PSMA 177例(32%)
・ラジウム223 18例(4%)

前治療が1/2/3/4以上が24%/23%/15%/38%
91%がラストラインの治療であったと。

骨転移 89%
リンパ節転移72%
内臓転移 20%
腹膜播種 2%

追跡期間中央値は9ヵ月
観察終了時に63%が死亡 81%が進行
全生存期間中央値は15.5ヵ月
無増悪生存期間中央値は7.9ヵ月であった。
33%がGa-PSMAPETで`minimal residual disease`になった

488例中347例(71%)において
治療誘発性口腔乾燥に関する情報が得られ、
(PSMAは唾液腺に集積する)
347例中236例(68%)が一回目の治療で口腔乾燥を報告。
225 Ac-PSMAを7サイクル以上受けた患者全員が口腔乾燥を報告した。
(回数が多くなるほど乾燥は強くなる)
2%の人が口腔乾燥を理由に治療中止

グレード3以上の有害事象として
貧血は488例中64例(13%)
白血球減少は19例(4%)
血小板減少は32例(7%)
腎毒性は22例(5%)
に発現した。

全生存期間や無増悪生存期間は
PSA低下レベル(50%以上)
※best responseでは50%以上の低下が57%の患者で見られている
前治療ライン数
転移パターン(内臓転移や肝転移、腹膜播種は予後悪い)
貧血
と関連

総じて、かなり後ろのlineだが効いている。
口腔乾燥が結構問題のよう。

Lu-PSMAどころかPSMA-PETも撮れない日本…
世界はどんどん進んでますね。



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