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花と路地裏のカフェ

この世のすべての花が好き!花屋さんの、道野辺の、山で見つけた人知れずのも…。

花嫁のブーケはカスミソウ、雪の下は太陽の光で白砂糖のように輝いて…。

日本人、特に男性は清楚でおとなしい女性が好きだと思っていましたが、

純潔という言葉はもう死語になりましたか?

燃える赤いバラは情熱的!ピンクの桜のそこはかなさ。だんだん色が抜けていくとやっぱり…白い花弁に惹かれます。

いつも近くにいくと必ず寄る小さな隠れ家カフェがあります。

お洒落な熟年マダム。決して着飾った人ではなくシャツにゆったりとしたパンツそれにソムリエエプロン。さりげなくきらりと光る小さなピアス。

ご主人はインドの方でお国料理のレストランを元町でされてます。

カフェはご自宅の1階部分。ガレージを改装して作られました。ほぼ趣味で始めたとか。いつも季節の花を飾っておとなの雰囲気に一役買っています。

入ると温かいレンガ色のマットな壁、一番奥が調理台。マシーンもかっこよく、小さなブルーの器がアクセントで並んでいます。

テーブルごとにさりげなく摘まれた野の花。

お客はほとんどが年配の常連で私のような客はほぼゼロのようです。ゆっくり新聞を広げて朝のコーヒーを飲むお爺さん。毎日の日課のようです。

気さくに「いらっしゃい」媚びない声のトーンで迎えてくれます。庭で咲いた水仙を持って来た近所のおばさんは暖かいミルクティーを頼みます。これも毎朝のことだそうです。

落ち着いた感じのママですが、お話しするとサバサバされていて気持ちがいい。自宅のリビングに招き入れられたみたいな雰囲気です。

お洒落な内装は南フランスの田舎にありそうな大人かわいらしさがあります。が、壁にインド象の 版画でしょうか?玄関にもあの象の木彫りが迎えてくれます。なんとアンバランスな組み合わせ!ですが全くインドの雰囲気はありません。オリエンタルとヨーロピアンが上手く混ざり合っています。

あの北海道の鮭を咥えた熊の黒い木彫りと並ぶほど有名なインド象。民芸品の雰囲気ですがその雰囲気が微塵もないのです。それにも感心しました。ただただ溶け込んでいます。うまく調和しているとはこのことと思わせる雰囲気です。

いつも大きな花瓶に季節の花は大胆に。彼女の人柄が現れているようで…。

小物も可愛くてセンスの良さが効いています。

しゃべり過ぎず、短い会話が時々。BGMはなし。

今まで一緒に行った友達は2人。私の内緒の場所です。

神戸にもいろんな人がいます。中には大阪の人のように陽気なラテン系。例えるなら籠いっぱいのひまわり。

神戸の人の印象は「すましている!」らしいですがそれは隣の御影や芦屋のマダムたちかも⁈彼女たちはまさしくバラの花束。

神戸はどちらかというと派手なお洒落ではなくトラディショナル。長くいいものをと母に教えられました。流行は追いかけない。

イメージは他人が決めるもの。それがいい風に言ってもらえるのならありがたくいただくことにしましょう。

さっぱりしていて物事にこだわらないことがこだわり⁈

昔の元町商店街にはブランドのお店よりオーダーメイドの洋装店やテーラーが並んでいて、もちろん舶来のモノを扱う店もありました。

(祖父が通ったたばこの店にはパイプに洋煙、葉巻が並んでいました。ラベルでラクダをキャメルと知りました。とてもクラシックな商店街でした。新しい元町界隈には世界に名だたるブランドショップが並んで、今やそちらがメインストリートとなりました。)

話がそれましたが、そのカフェのママは私のすきな女性像のような気がします。飾らないけれど何だか魅力のある、花なら「白いカラー」のような方です。つい最近行ったのにまた行きたくなるそんな路地裏住宅街のお店です。

今日もいい日にしましょう!

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