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生きものすべてが美しい

随分昔なら競馬場はおじさんたちが馬券を握りしめて、ゴール寸前には歓声と怒号の嵐。負け馬券花吹雪が舞いました。

小さな時の阪神(仁川)競馬場は川の土手からも見えたレース場でした。と言っても観覧席ではないので松の木や競馬場の建物で走っている様子は時々閉ざされますが、ゴールの何百メートル手前は蹄の音とたくさんの馬が尻尾を激しく動かしてデットヒートを繰り広げます。土を蹴る肥爪の音がすごい迫力でした。どの馬が勝ったのかは見えませんでしたが、何しろ馬の美しさに惹かれました。

当時は残念ながら競馬場に連れて行くのは少々気が引けたのか中に入ったことがありませんでした。が、動物好きの私に美しい馬の走るさまを遠くからでも見せてやろうという親心。「まじかで見てみたい!」とせがみましたが願うことはなく「大人になったらね!」とはぐらかされたものです。

まだまだギャンブル性の方が強かった時代です。

しかし今や、ゴール前の歓声は若い女性の黄色い声!

もちろん華やかな色に競馬場は変わりました。

ウマジョなる女性も現れて馬たちも喜んでいるでしょう⁈

今までは行きにくかった場所でも女性が楽しんでいる光景を見かけます。

私たちの親が聞いたら「なんとまあ」とあきれそうですがいい時代になったなあと思います。

お金を賭けることイコール悪いことや、か弱い女性には危ない場所といったイメージがはずれて女性が楽しめるのはいいことです。

結婚した相手はなんと馬が大好きな人。ロマンス馬券!とか言って、勝てそうもない馬を応援したり何しろ馬が好きで将来は馬主になりたいとまで言う人でした。夏には北海道の牧場に行ったり、映画「優駿ORACION」は何度も観に行きました。別れの場面では人目もはばからず泣く優しい⁈男性でした。

それから全く違えど四つ足の柴を飼うことの始まりになりました。

子供たちが幼稚園児の時は家族連れを歓迎する広い子供のスペースもできて、よく行きました。子供たちも馬が大好きになりました。

親になると勝ち負けよりどうか無事でレースが終わりますようにと祈ったものです。馬にもそれぞれの物語があってとても奥深いものがあるようでした。

最近は真摯に走る姿を競馬場で見ることもなくなりました。たまにテレビで観ると、やっぱり走る姿の美しさはどの馬も同じです。
懸命にゴールを目指す!ただそれだけで感動します。
また涙腺が緩んできそうです。
生きものすべてが愛おしく美しい!そう感じるこの頃です。

今日もいい日にしましょう!








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