具体と抽象

若い人は不安よな。「日経 動けます」ことはなんだろう

こんにちは。
先日日経電子版に載った記事です。

これから就職活動が本格化する女子大学生・大学院生に、どのような観点で職場選びをするかを尋ねる記事です。

リクルートキャリア就職みらい研究所の増本全所長は「就活生にとっての『安定』が、一つの会社で働き続けることから、場を変えても仕事を続けられる自分になることに変わった」と指摘する。働きやすさと自己成長は二者択一ではないという価値観を反映しているのだろう。

一つの会社で働き続ける時代が終わり、場を変えても働き続けられるような「どこでも通用する力を身につけたい」と思う姿が印象的だったと、締めくくられています。

■ 過去を示すことと未来を示すこと

ビジネスコンサルタントの細谷功さんは「具体と抽象」という著書で、以下のような整理をされていらっしゃいます。

具体と抽象

日経では、日々1000本以上の記事が出稿され、その多くが企業活動や投資・マーケットに関するもので、それらは「具体」な情報として位置付けられるように思います。

自らの業務や職務が明確で、その範囲で活動するにおいて他者・第三者の具体的な情報はとても意味を持っているように思います。
それらは言い換えれば過去の事実の集積であり、より実践に向いた情報だと考えます。

一方で、先の記事で紹介した女子大学生のみなさんのお話を聞いて(読んで)いると、彼女たちはより全体像をつかめるような、応用が利く状態を求めている姿が見えました。
それは職場だけでなく、日々の情報収集にもあてはまるのではないか。
無理に言い換えると、過去の情報よりも、それらをつないで一段レイヤーの高い知識に持っていけるような未来の情報を求めているのではないかと感じました。

過去の情報ではなく、未来の情報を届ける――。

そんな必要性を感じました。

■ 具体と抽象の融合は必要

今年の春から、グロービス経営大学院大学の講師の皆様にご協力を得て、日々起きる企業ニュースを、フレームワークで解く「ビジネススキルを学ぶ」という解説記事を連載しています。

グロービスさんとよく話しているのは

「企業ニュース=具体」×「抽象=フレームワーク」

という構図です。
働くみなさん(あるいはこれから社会に出ようとしている学生のみなさん)が日々の情報収集を血肉になるような学習活動として昇華できるよう、月2回のペースで掲載しています。

この形態が正解かどうかはわかりませんが、具体に閉じず、抽象さもバランスよく届けたいとあらためて思いました。

ちなみに細谷功さんは前述の著書で、具体と抽象は行き来しなければならないという考えを、福沢諭吉さんの以下の言葉でもって言説されています。

「高尚な理は卑近の所にあり」

身近なところにも、抽象化できるチャンスがある。
日々のニュースにも、学びのチャンスはある。
そうした側面を、もっとわかりやすく伝えていきたいと思います。

活動はTwitterでも公開しています

記事中でご紹介した細谷功さんの本


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