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Vol. 82 コンジョイント分析についてのご紹介

                           (2023年7月)


金融ソリューションチームコラムの第82弾をお届けいたします。

今回は、コンジョイント分析のご紹介です。

すでにご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、「コンジョイント分析」とは、調査回答者に商品の評価をしてもらい、商品の各要素がどの程度評価に影響を与えているのかを明らかにする分析方法です。

例えば新しいスマートフォンを購入するとき、以下のような選択肢がある場合、どのスマートフォンを購入したくなるでしょうか。

  1. 価格は10万円、カメラは超広角・望遠機能付き、5時間バッテリーが持つ

  2. 価格は12万円、カメラは超広角・望遠機能付き、8時間バッテリーが持つ

  3. 価格は10万円、カメラは超広角・望遠機能はなし、8時間バッテリーが持つ

  4. 価格は12万円、カメラは超広角・望遠機能はなし、5時間バッテリーが持つ


あまり長時間は使わないが、景色の写真を撮ることが好きといった方には1の商品が選ばれ、とにかく長時間使うが、写真をあまりとることはないといった方には3の商品が選ばれることが想定されます。
また、性能が見合っていれば他と比べて価格が高くても妥当と判断し、2を選択される方も想定されます。

個々の要素について聴取する際には、価格はできるだけ安く、性能はより良いものが好まれる傾向があるといった平凡な結果となりますが、コンジョイント分析では商品全体を評価させることによって、各要素に優劣をつけることができ、どこの要素に重きを置くべきかを明確にすることができます。

聴取する要素についてはもちろん注意が必要です。
1点目は要素や要素の中の水準を多くすることで、組み合わせが多くなり、回答者の負担が増えます。
2点目は回答への影響度合が明らかに高いと考えられる要素や水準を設定すると、その選択肢に多くの回答が集まりやすくなります。
要素に対する効用値や重要度が不等に高くなるため、その他の要素が回答者に選択されない・評価されない現象が発生し、正しい結果が得られなくなります。

コンジョイント分析は、注意する点はあるものの、「商品の性能を高くしたらいくらで売れるか」、「どの水準がオーバースペックなのか」など、どのような商品にも応用ができる手法です。

弊社ではコンジョイント分析のためのアンケート作成など可能ですので、お気軽にご相談ください。


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■今週の執筆者■
奥山 亜夢(ソリューション本部 アカウント第1部)

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日経リサーチ 金融ソリューションチーム finsol@nikkei-r.co.jp
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