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八月の御所グランドを読んでみた

第170回直木賞受賞作品、だそうです。
この本には、2篇の小説が収められています。

舞台は京都。
1つめは、高校生の駅伝大会、2つめは大学生たちの草野球大会のお話です。
体育会系の熱いお話かというとそうではなくて、スポーツをしている人物の日常を通して、少し不思議なことが起きる世界を綴っています。

1つめは、主人公の女子高生の心情描写で綴られいて、ワクワクするお話が展開されます。
清々しい読後感を味わえます。

このお話だけで満足した私は、2つめに進もうか、違うものを読もうか(私の場合は聴こうかでしたが)、少し迷いました。

時間があったので、すぐに2つめの物語に進みました。

そしたらあーた!
これが傑作でした。


○草野球にドラマがある

野球をやったことがない、まったく知らない、興味すらない、という人でも、野球の魅力に引き込まれてしまう、そんな作品です。

読んでる最中(私は聴いてる最中)ワクワクドキドキしてる自分に気づき、

「オイオイ、ワクワクしている自分、これは甲子園でもプロ野球でもなく、ましてやWBCの決勝でもなく、ただの素人集団の草野球の試合だぞ〜」

とツッコミつつも、

「でも、楽しい〜♪」

と、先が気になって気になって。

もう、作家さんの掌の上に、身を任せて転がされまくりな展開、それがまた心地いいのなんのって。

それだけでもスゴイのに、後半のミステリー要素はもう、「先が気になって止めどころがないー」と、子どもの頃、かっぱえびせんを食べていたときのあの感覚が蘇りました。蘇りです。

正直、物語を作る、それこそ草ショートショート作家の身の私が言うのもおこがましいのですが、このネタでこんなに楽しいエンタメにしてしまう力量。

「プロの作家って、スゲ〜」

って、思わずにはいられません。
私も、頑張ろ。

なにも特別なことを綴らなくても、こんなに人をワクワクさせる物語が作れるのかー、と、ストーリーもさることながら、そこに感動してしまいました。

そんな訳で、なんだか楽しい小説だったのでオススメしてみました。
まだ読んでないかたは、気が向いたら読んでみてくださいね。


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画像:msk/illustAC



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