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単独行動を愛する静かなアオシギ

 寒い冬になると、奥日光の湯川上流などにアオシギ(青鷸)が渡来し、浅い水流域で水生昆虫などを細長い嘴で採食している。シギ類では珍しく山間部の渓流や湿地を好み、体を上下に揺らす特徴がある。日本の各地では単独の行動が主で、英名も「Solitary Snipe(独りぼっちのシギ)」になっている。
 日本名の「青鷸:アオシギ」は、体下面などの羽毛が青みを帯びるとして名付けられた。淡い灰色を青としていた時代があったようで、アオシギのアオとは淡い灰色=青灰色と思われ、単独行動の静けさを反映した色合いに感じる。

周囲に溶け込む複雑な模様と青灰色で身を守る。警戒して隠れるときは身を伏せて動かなくなる。©nishiki atsushi
飛んで移動するよりは、ゴロゴロした石があっても足指でつかみ動いて移動する。鳴き声は飛び去るときにジェッと鳴く程度だ。©nishiki atsushi
水浴びのため羽ばたいて着水する。©nishiki atsushi
水浴びを始めた。羽根をばたつかせオレンジ色の尾羽を開いたりする。©nishiki atsushi
頭も水に潜らせて激しく動く。寄生虫や脂粉などを落とすために鳥は水浴びをする。©nishiki atsushi
奥日光のアオシギは流れの急な場所でも採食する。人間なら滑って流されてしまう場所だ。©nishiki atsushi
アオシギとマガモが一緒になった。アオシギは嘴が長いが、体はマガモやカルガモよりも随分小さい。©nishiki atsushi
こちらは、春になると、奥日光戦場ヶ原で見られるオオジシギ。ズビャークズビャークという独特な鳴き声を聞くことが出来る。©nishiki atsushi

 オオジシギ(大地鴫)は、アオシギと同じ仲間のジシギ類になる。戦場ヶ原では、オオジシギの独特な鳴き声と、「ザザザザー」という激しい羽音で急降下するディスプレイの音を聞くことができる。
 一方、アオシギは越冬のために、11月から3月末頃まで留まり静かに過ごしている。

 空nyan! 冬はアオシギに、春になったらオオジシギに会いに行こう!


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