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ヒレンジャクの群れが戦場ヶ原に来るようになった

 奥日光は関東の北部に位置しているので、冬に渡来するレンジャクは、キレンジャク(黄連雀、全長約20cm)が大部分を占めていた。しかし、今では関西に多く渡来するヒレンジャク(緋連雀、全長約18cm)の群れが多く見かけるようになった。思うに、いずれ戦場ヶ原は、キレンジャクは来なくなり、ヒレンジャクだけになるだろう。
 レンジャク(キレンジャク、ヒレンジャク)は、黒い過眼線や黒い喉、頭の後ろに伸びた冠羽、柔らかな羽毛に覆われた太めの体、短い尾羽、やんちゃな目で、翼を大きく動かして飛ぶ。過眼線を隈取の二本隈に見立て歌舞伎を連想したり、サングラスをかけた顔と言い表す人もいる。
 特筆したいことは、美しい金属的な鳴き声だ。渡来数の多い年は、連なる雀を連想させる群れ(連雀)のいる林から、複雑に響き合う鈴の音色が風に乗って流れて来る。冴え渡る冬に調和する鳴き声に、誰でも心を奪われてしまう。
 冬鳥の数は年や月によって大きく変動するものの、奥日光のレンジャク(キレンジャク、ヒレンジャク)は、例年11月末頃に渡来し、5月の連休まで長く滞在していることが多い。

キレンジャクの群れが、林に並んで止まっている。鳴き声は繊細で鈴を振り続けているように響いて来る。幸せを感じる。©nishiki atsushi
戦場ヶ原の湿地にはツルコケモモが生育している。その赤い実を口にくわえ、仲間のヒレンジャクに見せている。©nishiki atsushi
ズミの実に飛んで来たヒレンジャク。正面から見ると、赤みのある顔に黒い過眼線や黒い喉が目立ち、独特な印象を受ける。赤い下尾筒の周りに、大きく尾羽を広げている。その12枚ある尾羽の先端の赤い特徴から「十二紅」という名前(漢名)がある。©nishiki atsushi
黒く伸びた過眼線と尖った冠羽、体の滑らかな羽毛や華やかな色などが印象的だ。©nishiki atsushi
キレンジャクの黄色は目立つ。腰から上尾筒にある落ち着いた色、藍鼠も綺麗だ。次列風切の羽軸先端に付いている赤い蝋状(Wax)物質がキレンジャクの特徴で、英名は色よりも蝋に注目して「Bohemian Waxwing」になっている。©nishiki atsushi
蝋状物質が付くという赤い箇所は、軸状に出ていて赤い。寒さに対応するものだろうか? 一方、ヒレンジャクの同じ箇所は、蝋状物質が付かず赤い斑紋だけになる。ところが、蝋状物質のないヒレンジャクの英名は「Japanese Waxwing」…。蝋状物質とは何か?分からないことが多い。©nishiki atsushi
丸く太めの体で飛ぶ。©nishiki atsushi
戦場ヶ原のキレンジャクの大群。この写真の中に、一羽だけヒレンジャクが紛れて飛んでいる。頭は隠れ赤い尾羽だけが写っているから、空nyan! 探してみて…… ©nishiki atsushi

 空nyan!へ   また、鳥の写真を送るからね… Look forward to it.


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