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「辞めたい」と言ったこともあったけれど今は…【タクシー乗務員インタビュー】

ご乗車ありがとうございます。
日本交通(株)新卒採用担当です。

今回はタクシー乗務員として入社をした新卒社員にお話を聞きました。

タクシーの仕事は決して楽なものではなく、新人でこの業界に入れば誰しも、うまくいかないことや挫折を経験するものです。それでも、そんな経験を乗り越えて、今自分の進む道を見つけて輝いている先輩がいます。

入社2年目の楠井乗務員。
その活躍ぶりを、ぜひご覧ください。

楠井乗務員

【楠井さんのプロフィール】
出身大学:愛知大学 国際コミュニケーション学部 国際教養学科
アメリカ(ロサンゼルス)に1か月半の留学経験あり
2022年4月 三鷹営業所配属、乗務員
2023年4月 メンター(※後述)就任

就活時代について

日本交通の入社理由

最初は観光業界を見ていました。私は留学経験があり、海外など新しい場所に行くことで刺激を受けてきたので、それを誰かに紹介する仕事がしたいと思っていたんです。

しかし、就活期にコロナ禍に入ってしまい観光業界が見られなくなって。そんなとき日本交通に出会い、人を乗せて観光に触れられる仕事っていいなと思いました。

また、就活期から軸にしていたのは、人の繋がりを大事にしたいということ。留学中、海外の人から優しくしていただいたときに人の暖かさを感じ、人とコミュニケーションを取ることが刺激的で楽しかったんです。なので、就活でも人と人を繋ぐ役割をしたいと思っていました。

タクシーの移動を介して人と人との出会いを繋ぎ、人と場所とを繋いでいくという意味で、日本交通では自分が人との繋がりを作れるんじゃないかと思って入社しました。

今の仕事について

この経歴の中にある「メンター」って何ですか?

これは三鷹営業所の独自の制度で、23卒の後輩を対象に先輩がメンター業務を行うものです。後輩と毎月面談をして、不安なことや困っていることを聞き、メンタル面のケアをする活動です。

「メンター制度」発足の経緯

去年3月に22卒の同期が、当時の所長に企画を出したんです。私たちが新人のころはメンター制度はなく「気軽に相談できる人がいたらいいな」と思ったこともあったので、じゃあ自分たちでやってみようと作ったもの。当時の所長にも「ぜひ前向きにやっていってほしい!」と応援をいただきました。

取得資格について

メンター業務を行うにあたり、『メンタルヘルス・マネジメント検定の2種(ラインケアコース)』を取得しました。内容は難しかったですが、心理的なものだったので実体験と重ねながら興味を持って勉強できました。三鷹の22卒でメンターをやる人(約半数)は全員取りました。

メンターの業務内容

普段は、メンターとして後輩と関わりを持つために、所内で会ったらコミュニケーションを取ったり、面談をしたりしています。何を悩んでいるのか・何を目指して頑張っているのかなどの点にフォーカスして、それをメンターの皆で報告しあいます。

たとえば体調面やメンタル面でつらい状況の後輩に対しては、迅速に話を聞き、経験をもとに共感をし、自分はどう乗り越えたか等のアドバイスをする。内容によっては営業所の職員に伝えるなど対策を練りますね。

後輩とのコミュニケーションの取り方

業務的な話ではなく、あえてフランクに話しています。上下関係はありつつ相談しやすいお兄さん・お姉さん的な存在を意識しています。指導役ではないので知識を教えるというより「週末楽しかった?」みたいに、プライベートな話も交えながら雑談ベースで話していますね。

毎月、誰が誰を担当するかをマッチングして割り振る形になっていて、私は毎月2~3人の女の子のメンターをやっています。担当の決め方は、その時のその後輩の状況にあったフォローができるよう、また、共感をすることで安心感を与えられるように心がけています。

乗務員の仕事

仕事の日のルーティン(直筆)

(参考)タクシーは隔日勤務を基本としており、最大21時間の拘束時間と明け休みと言われる24時間程度の休息時間があります。より詳しい働き方については下記記事をご覧ください。

明けと休日の過ごし方

明けは同期と飲みに行きますね。ディズニーランドや高尾山に行ったこともあります。同期とは会社だけの関係じゃなくプライベートでも関われる仲。

一人で旅行するのも好きで、最近だと台湾に行きました。歩いて景色を見るのが好きなので、都内の観光名所を回ったりすることも。乗務だけでは感じられない景色が刺激的だと感じます。

あと、ライブにも良く行ってます。K-POPが好きで、好きなグループはNiziU。去年は3回ライブに行きました。この仕事ならではですが、趣味があると、そのために仕事を頑張れます。自分の好きなことができるのは大きいですね。

仕事をしていて嬉しかったこと

月並みですが、お客様から「ありがとう」「頑張ってね」という言葉をいただくことが嬉しいです。一期一会の出会いですが、そこでお客様とのつながりをものすごく感じられますし、自分が実際に人の移動に役立っていると実感できる瞬間です。

また、女性のお客様から「女性でよかった」とよく言われます。「安心して夜中も乗ることができます」とか「また呼んでもいいですか」と声をかけていただけると、とても嬉しいです!

挫折経験

新人のときはどんな人が乗ってくるのか分からない不安が常にありました。落ち込むことが多かったですね。挫折を経験したのは1年目の6月でした。お客様からお叱りをいただいたのをきっかけに、夜の仕事が怖くなってしまって。「辞めたいです」と職員さんに言ったんです。

すると職員さんは親身に話を聞いてくれました。先輩からもLINEで連絡が来てフォローしてくださったり、学生時代の元担当リクルーターの方からも電話が来て営業所にも来てくれたり。

当時は自分が何を目指していいかわからず、目の前の仕事だけでいっぱいいっぱいでした。そこで仕事を続けることができたのは、人の繋がりがあったからです。この会社の強みは人が温かいこと。温かみがあって家族みたいな関係だなと思っていて。だからこそ嫌なことがあっても、そういった繋がりがあってフォローしてくれる環境があります。

タクシーというのは個人業務ですが、それ以上に会社や人に支えられていることをものすごく実感できました。だからもっと頑張ろうと思えたし、長くやっていった先に面白いことがあるんだろうと、ワクワクしながら続けてこられました。

一緒に頑張る理由やきっかけを考えてくれた人がいた――それがきっかけで、営業所職員や本社の先輩のように、自分の実体験を誰かに伝えたり支えたりしたいと思うようになりました。今のメンターにも繋がっているのかもしれません。

新人の頃の悩みやキャリアは、1年目に自分自身が悩んでいたことだったからこそ、今のメンターの後輩に共感できる部分があります。だからこそかけられた言葉もあったとも思いますし、こうやって人をフォローできるのは楽しいです。

全部繋がっていると思いますね。自分のやりたかったことは乗務でも叶えられているし、メンターでも叶えられているし、今になってやりたいことが全部繋がってきています

今後考えているキャリアや目標

就活時から抱いていた「人との繋がりを大事にしたい」という思いに加え、メンターとして「自分の言葉で誰かの心をフォローしたい」気持ちが芽生えました。

次は本社の職員となり、タクシー乗務員の楽しさややりがいを伝えていきたいです。具体的には、この会社と大学生との繋がりを自ら作りたいという思いがあるので、次は新卒採用に行きたいと考えています。

学生へのメッセージ

自分が社会人になって大事にしたいことを考えてみてください。私だったら「人との繋がりを大事にしたい」「人と人が繋がる仕組みを作りたい」と思っていました。

実際に今、人との繋がりを大切にしたいという意味では、人と場所の繋がりを、タクシーを介して叶えられています。メンター業務でも自分が人との繋がりを作って叶えられている部分がたくさんあります。

自分が大事にしたいことを持っておくと、やりたいことや挑戦したいことが見えてきますよ。

協力:三鷹営業所 楠井さん
Interview,Text:飛田

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