統合失調症の脳の萎縮

統合失調症と言って、妄想、幻覚などが生じてしまう精神病があります。
この病気の患者さんの脳を見ていて、萎縮がない人が多いことに気づきました。
データ上でも確認されていて、その原因はわからないのですが、脳の機能は異常なのに、形態が変わらないのは珍しいことです。


有病率は結構高くて、100人に1人くらいいます。
大体学年で1人くらいいる計算になりますね。
この病気で、10代から20代くらいにかけて、進学や就職する位につれ、学生の頃のコミュニティや人間関係から脱落していっている人がいると思います。
ただ、別にいきなり死ぬわけではなくて、治療しながら仕事をしたりして、普通に暮らしている方も多いです。僕の経験だと、介護業界に多いです。
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/08-精神障害/統合失調症および関連障害群/統合失調症?query=統合失調症

脳の病気なのですが、不思議なことに、脳の一部が欠損しているとか、萎縮しているとかがほとんど見られません。

細かく解析するとあるようなのですが、肉眼的にはわからない場合が多い印象です。
https://www.smilenavigator.jp/tougou/about/science/02.html

高齢であっても、認知症の合併がない人では萎縮はないですね。これを指摘した時、精神科の専門医は少しびっくりしていました。

脳の神経細胞の脱落を主体とする認知症と比べて、機能的な異常と見られる統合失調症の本質的な違いがわかりやすく現れているのかもしれません。