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週刊日記(230327-230404)

※ひとこと日記と題していたが、全然ひとことで無くなってきたのでタイトルを週刊日記に変更した

3月27日(月)
会社の先輩ふたりと飲みに行き、お姉さんから金言をいただく。「私は一流の素人になるって決めてるの。大衆感覚のプロ。だから大学生からおじいちゃんまで色々な年代の人と話すし、選挙後にはスナックに行って酒のノリで人の話を聞きまくる。どの属性の人が何に不満をもっていて、何を望んでいるのかわかるから。」

少し前に、あるデザイナーさんからも「あなたはもっとおじいちゃんおばあちゃんと話したほうがいい」と言われたのを思い出す。似た話を立て続けに聞くときは、それが今の自分に必要なことなんだと思っている。

3月28日(火)
久しぶりに在宅ワーク。雨が上がった隙を見計らって近所の桜を見に行く。考えることはみんな一緒で、老いも若きも桜を見上げている。幸せそうな人しかいない。最高。

夜、祖母から電話がくる。私の活躍を伝える新聞を送って、それに関する電話だった。なのに最後はいつものように「地元に帰って県庁に就職しないのか」と探るように聞いてくるのものだから、怒りが湧く。ふつふつと、とかではなくもうギュイーンというかんじのスピードで。私の大事にしているものも、築いてきたものも、全く伝わらないし尊重もされていないのがとにかく悲しい。「それはありえないから」といつもより強い口調で言い切ってしまう。

寂しさと心配から出る言葉なのだろう。どうかあなたの考える「幸せのレール」にのせようとしないでほしい。

息子家族も娘家族も、なんなら孫ひとりも徒歩圏内に住んでいてもなお寂しいというのか。私は時々会う孫だから家族と違う優しさがあるのであって、近くに住めば家族ときっと変わらなくなる。寂しさは変わらない。

大企業に入った別の孫たちに「地元に帰れ」といわないのは、「安定した会社に勤める」というあなたの「幸せの条件」をひとつクリアしているからでしょう。もっとも、彼らには「結婚しないのか」「ひ孫が見たい」という。あなたの敷くレールは永遠に続く。私が地元に帰ったとしても終わらない。

孫たちが自分の幸せを理解し生きている健全さに喜び、そのように育てた自分にどうか自信を持ってほしい。自分と違う人生を歩むひとが幸福だったとして、それはあなたの人生が不幸だったことにはならない。

3月29日(水)
同僚とレバノン料理を食べる。やっぱり2人で話すっていいな。2年近く一緒に働いていた人なのに、お互いのことを全然知らない。いつもボケ役で場を盛り上げてくれるひとが、実は聞き役のほうが落ち着くとか、今日初めて知った。

3月30日(木)
元インターン生の送別会。筍や鰆など春の味覚を頬張りながら門出を祝う。インターン生が「ひとりひとりに似たちいかわシールを貼りました!」と照れながらくれたお手紙にキャッキャウフフするおじさんおばさんたち。私はちいかわちゃんだった!ヤーッ

3月31日(金)
職場でよくつるんでいた3人組のひとりが退職することになった。さっき飲みに行って解散した。いま、帰りの電車でこの日記を書いている。我ながら浸っていてちょっといやかなりキモいなと思うけど許してほしい。

全員年が近くて、お互い土足でズカズカ踏み込める性格で、「あんたってこういうところあるよね」と言いあえる関係だったから、とにかく寂しい。

退職すると聞いてから飲むのは初めてだった。新橋で飲んで、店を出た時にはもう23時も目前だった。二軒目はラーメン、の流れだったが私が前から「夜桜見たい!」と騒いでいたので日比谷公園で夜桜を見ることに。探し回った末に桜は無かったのだけれど、公園を出るとちょうど街路樹の1本が満開だった。「これ桜?」「桜でしょ」と言いながらしばし眺める。

そのあと、コンビニで調達したアイスを舐めながら丸の内仲通りを歩く。日比谷〜丸の内仲通りって、キラキラしていて、道ゆく人がみんな幸せそうで、私はすっごく好き。「この中で俺が一番結婚できる」とか「あなたは早く自分がかなり変わりものなことに気づけ」とか悪態をつきながら好きな道を好きな人たちと歩く時間は楽しくて、60%くらい泣きそうだった。

気づけば東京駅まできていた。その頃には終電ギリギリだった。普段は「明日朝早いから」とサッサと帰る同僚が率先して桜を探し回るし、辞める同僚は近くで働く恋人と私たちを引き合わせようと画策するし、みんな寂しいんだなと思った。退職までまだしばらくあるんだけど。

退職する同僚と先に別れ、残る私ともう1人で駅まで歩く。私が「なんか泣きそう」と言うと、「環境が変わると話題がどんどんズレていって、疎遠になりますからね」と見事に言語化してくれた。同僚だったけど、友達になれていたらいいと思う。

4月1日(土)
この土日は美容院以外予定がない。フリーダム!無敵!起きてから床掃除をし3kmランニングする。近所の桜並木が美しい。半身浴をしてから、積読の本とコーヒー、お気に入りのサンドイッチを片手にふたたび桜並木へ。サンドイッチを食べながら、スウェーデンの暮らしを紹介した本を読む。スウェーデンでは親しい人との食事のあとは散歩が定番なんだとか。なんだそれめちゃいいな!まねっこしよう。

小川沿いの桜並木は、京都の鴨川にも似たユートピアだった。

鴨を「カモチャン!」と追いかけるお子、桜を見ながらおにぎりを頬張るおじいちゃん、エビスのロン缶を開ける渋オジ、白髪染めの情報交換をするおばさんふたり、ピカピカのランドセルを背負う我が子と桜を撮るお父さん、カメラサークルらしき大学生3人組、鯉をしげしげ眺める外国人グループ。

そこにいる人たちがめいめい自由にそれなりに幸せそうにやっているのを見て、眩しさに目を細めたくなる。「平和」ってこういうことだよね。

4月2日(日)
BLUE GIANTの極音上映目当てに立川シネマシティまで遠征。もう何度も見ているのに毎回泣く。隣のおじさんも割と早くから号泣していた。わかる、わかるぞ…!

そのあとグリーンスプリングスというおしゃれ商業施設をぶらぶら。paper super marketという紙ものをこれでもかと集めたショップが楽しかった。かわいい一筆箋を2種類買う。

前日に立川の気になる店を散々リストアップしておいたのに、ラーメンが食べたくてその場で調べた店に行く。美味しかった!こういうことがよくあるので、どんどん下調べをしない人間になっていく。

少し歩いて、一六珈琲店へ。コーヒーとスイーツの種類が豊富で目移りする。浅煎りの4月ブレンドとレアチーズケーキはどちらもとても美味しかった。

おいしいコーヒーの飲み方、の案内がかわいい

帰宅後、また近所の桜並木へ行く。後輩から借りたくどうれいんさんの「うたうおばけ」「虎のたましい人魚の涙」を読む。健やかに食べ、さめざめと悲しみ、ぷりぷりと怒り、もりもり働き、そして時々恋に病む、感情と人生にいっしょうけんめいな彼女が愛おしい。今日買ったばかりの一筆箋をおろし、そんな感想を書いて本に挟んだ。

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