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【書評】まんがでわかる 理科系の作文技術

 最近にぎわっている文書偽装。
 財務省のレポートを 改ざん(?)前・後を読んでいてどうしても気になる、誤字脱字の多さと、読みにくさ。 頭のいい人達が書いてるはずなのに極端に読みにくい、ビジネス不向きなあの文章。ナニアレw

「客観的事実」「籠池氏の発言」「籠池氏の気持ち」「首相夫人の発言」「財務省の見解」「担当者の意見」全部ごっちゃ
改ざん後とされる資料の良さは、少なくても事実か推論かわからない要素が全部取り去られてシンプルで読みやすくなったのは事実。

そんな財務省の方に読んでいただきたい!この本。
ほら、まんがだから、すぐ読めちゃう!わかっちゃう!読みやすい!
読もうよ財務省!

(さて。本題)

以前(かなり昔)に 伝わる・揺さぶる! 文章を書く 山田ズーニー

を紹介したことがあります。記事はこちら
その後こういった文章系はあまり読む機会がなかったのですが、現在のメンバーでも同様によくわからない文章を展開するメンバーがいるので、
これを読んでみました。(全編、まんがじゃないよ!)

まんがでわかる理科系の作文技術  木下 是雄, 久間月 慧太郎

 ビジネスの場で
 わかりやすく
 相手に伝わる

文章を書こうという点で、言ってる事は前回のズーニーさんの本と同じ。

私はドキュメントというのは、長短にかかわらず、種類(メール・企画書)にかかわらず、この書で書かれているポイントを意識すべきだと思っています。

この本は「理科系」としてますが、ビジネスでほぼイコールです。
何故なら、ビジネスという世界が、複数人数で行われ、全員が正しい共通認識で進めるという性質をもっています。このため「読み手にその判断をゆだねる」という共通認識を持ちにくい日本語の微妙なニュアンスでドキュメントを作成するのは非常に危険なのです。

これに対応するのに、恣意や感情が介在しない(しにくい)文章を書くというスキルが非常に重要になってきます。必要な要素がこの本にはエッセンスとして記載されています。

大体目次を書くとネタバレになる本は、ビジネス本として優秀ですが。
こちらの本もそうです(w)

今回のこの本は
6章24項で成り立っています。

どれも大事な事ですが、私が個人的に大事だな、と思う所を、理由と共に上げます。あくまで主観です。

 1章 01 必要なこと「だけ」をもれなく記述

  ・これができない人が本当に多い。
  ・これが混ざるとその資料が「判断材料」にならないんですね。
   必要のない「感想」(02に記載)は本当に読み手にとって不必要な
   情報なので、読み手を意識した「必要なこと」を洗い出す技術と共に
   一番に身に着けていただきたいです

 2章 01 重点先行主義

  ・よく言われる「結論を先に言え!」です。
   ここの記載に新聞記事のリードに学ぶということが書かれていました。
   なるほど!と思いました。いいですね。
   若者よ新聞を読め!

 3章 02 文章の構成の重要性

  ・あはは。結構高等技術なんですけど。大事ですよね。
   この「最も筋の通った形に配列・構成する」という技術は、何を、
   誰に、どのように言いたいかが明確でないとブレたりします。
  ・01で触れられている、説得目的の説明の順序が大事というのもここに
   つながりますね。
  ・文章の「うまさ」より「構成」はその通り!

 4章 03 明確な主張のすすめ

  ・これね。これね。保身に走ると私もやってしまったりします。
   「ダメだな」と思いながらも保険をかける。
   そうすると文章が緩衝表現だらけになるというのをよく見るので、
   「ここだけは!」というところにだけ使うように心がけてます。

 
 5章 03 文は短く、格は正しく

  ・本当は02も大事なのですが、「事実と意見を分ける」というのは、
   1章にもつながる話なので一旦割愛。
  ・私はビジネス文書は「1文 60-80文字」と決めていました。
   (80は本当は長い)そうでないと主語が破綻するんですね。
   この主語が破綻する文章をよく見ます。
   読み直していて主語が破綻する文章は英語にも訳せません!
   「主語を意識して」話す・書くトレーニングをする機会が少ないので
   ここはかなりできない人が多い。

プレゼンの仕方の章はとりあえず外してみました。

以前レポート作成の御成敗式目というのを書いたことがあるのですが。かなり重なります。
ズーニーさんの本もこの本(ネタ本も含めて)ベストセラーになるということは、ビジネス文章を書くスキルが普遍的な課題として認識されているのに、なぜにこれがとレーニングされにくいのか。
コーチ(ここでいう所の上司)がいないからなのか。そこは新たな課題ですね。



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