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週刊コロコロコミックの『都市伝説先生ウラモン』を読んでくれ

サムネは第2夜「足売りババア」の怪より。あきれるほどに超常現象が大好きな教え子・神山カイキがまたもヤバい都市伝説に関わってしまったのをなんやかんやで解決した際の担任教師・ウラモンの言葉。ここだけでも彼の優しさが身に沁みるほどに伝わってくるのだが………まさかこれに、あそこまでの意味があったなんてね

・週コロの月曜日といえば…

webサイト『週刊コロコロコミック』が開設しはや一年。“毎日マンガを無料で朝10時に配信!”と謳うように曜日に応じて過去にコロコロコミック本誌別冊等で連載されていた作品や週刊オリジナル作品が配信されており、その中でのオリジナル作品の代表作といえば木曜日に配信される『ぷにるはかわいいスライム』……は今回おいとして、隔週だが月曜日に配信される『炎の闘球女 ドッジ弾子』だろうか。往年のレジェンド作品『炎の闘球児 ドッジ弾平』の主人公だった一撃弾平の娘である一撃弾子たちが活躍する、いわば二世もの作品がまさかの大ヒットした作品だ(実は以前にも弾平の息子が出てた読切もあったらしいが…)。ということで今回はその隔週の月曜日に連載してる………“もう一つの漫画”について触れていこうと思う。“もう一つ”……?それは田村光久先生の『都市伝説先生ウラモン』である。

ちなみに作者は一部の人には分かるかもしれないが「リョウガ…なったのね…ゼクロムに!」の人だったりする。あれからもう干支が一周するくらい経過したのか……

少し前まで週刊連載だったが最近になって弾子のない月曜日に配信とうまい具合に変更したこの漫画、ぷにると同じく週コロ開設と同時にスタートした作品であるのだが……たぶん上記のふたつよりかは世間での知名度は正直低いと思う。固定ファンがしっかり根付いてるのにこんなこと言ってしまってすまない。それならばなんでわざわざこの作品を紹介するのかと言うと理由は2つ、一つは「この作品を見てほしい層がいるから」、そしてもう一つは「最近始まった新しい話がとても面白くなりそうだから」だ。ということで初めてお目にかかる人も、最近そういや読んでなかった人も、不思議な扉、一緒に開けてみない?(1話アオリより)


・まず都市伝説先生ウラモンとは、そしてどの層に伝えたいか

まずはここから説明せねばならないかもしれないが、この漫画は小学校をはじめとした場所で様々な超常現象が発生したりオカルトバカが自ら首を突っ込み事件を発生させ、それを謎の教師である古ノ裏このうら門戸もんど通称ウラモンが右手に隠す秘密の力を交えて解決する……かつて某週刊少年誌で連載されてたバリバリ最強No.1教師(これ通じるかな)を彷彿させる設定である。都市伝説と銘打ってるだけあって単なる妖怪退治ではなくSFチックな事象なども幅広く扱っていたりするのが特徴でもあったりするぞ。


第5夜「黒服の男」の怪より。絵がうまいのでホラー描写が普通にこわい。ちなみにこの話、単行本で実際に見てほしいから詳しくは言わないがコロコロコミックだからこその結末が待っていたりするので個人的にはかなりお気に入りの話だったりする。

第4夜「キモだめし」の怪より。異形の化物に追われ隠れ怯える少女……この話もオチが秀逸なので是非ともその目で読んでほしい

第6夜「迷い猫の探し方」の怪より。弟のように可愛がってた猫・ハチタビを探してた月岡ルナが自分自身も猫になってしまい……ちなみにこの話は公開当時“あっちの方々”が国内外問わず注目の視線を寄せてたことも。あっちの方々の嗅覚鋭すぎる……

この漫画、さきほど言ったように上記ふたつに比べたらそこまで話題にはなってないとはいえ内容は普通に面白い。画力も見やすくかつキレイ、話の起承転結もしっかりしており、月刊連載ではないことを活かし来週どうなるというヒキもうまく用いてる……ちゃんと面白さの地力をしっかり備えてる漫画だ。しかし今回書いた第一の執筆理由「この作品を見てほしい層がいるから」というのはこれだけじゃない、じゃあなんだってんだよとなるとそりゃもう………ヘキさ。


…コイツいきなりぶっちゃけやがったぞ!いやまぁ待ちなさい、ぷにるだって持ち前の変幻自在っぷりでギャルだのおねーさんだのカビ女だの阿修羅だの小鹿だのでありとあらゆる方向の性癖を多種多様に突いてくるし、弾子だってオリジナルキャラはもちろん父親を超す程の筋肉隆々と化した五十嵐柔里にどちらかというと(前髪以外は)父親の面影皆無に八尺さまレベルの長身長な三笠はこといったまさかのニッチな層の需要にあまりにも尖りきった姿で出てきたりとでSNSは常時話題沸騰じゃなかいか。そのくらい強いキャラクター性…いわば「狂う」ポテンシャルがあるかってのは作品において強い持ち味なのだ。そしてこのウラモンには………それが“ある”!さっきのルナちゃんみたいな一時的なケモナー需要だけじゃなくて恒久的に!それこそ主人公のウラモン自体にそれが“ある”ッッ!


第1夜「人形かくれんぼ」の怪より。かっちょいいぞウラモン

いつもはナヨナヨしているのにここぞという時には秘密の力を開放し生徒たちを守るミステリアスな教師…コロコロコミックでは珍しいと思われる大人の主人公である。元々別冊コロコロの方で読み切りが掲載され連載は週刊で始まったこの漫画、そんな週刊コロコロコミックは児童だけでなくSNSやってるような中学生以上の方々もターゲット層にしており、それなら成人男性が主人公の今作はこちらで連載する方が良案だろう……これから語る彼の魅力はコロコロキッズには伝わりにくいだろうから……そんな彼はなんというか…かわいいのだ。


第1夜「人形かくれんぼ」の怪より。裏では対怪異のプロフェッショナルだけど表の業務である夜の学校の見回りに本気でビビる。大丈夫かウラモン


第4夜「キモだめし」の怪より。異形の化物に怯える少女の叫び声にビビるウラモン。彼女の緊張を和らげるためにわざとビビるフリしてるとも捉えられるがマジでビビってるかもしれない


第5夜「黒服の男」の怪より。怪奇現象の情報収集を日々欠かなさいカイキくんが猫の集会所について知ってるそうなので聞いてくるネコちゃん大好きウラモン。もうここまでくるとあざといとかそういうのだろ(ちなみにこれが次回の迷い猫の話につながる)

………週コロ開設当時に自分がウラモン見た際に真っ先に浮かんだ感想は「こういうの好きな人ぜってぇいるやろ」だった。話自体というよりもこのウラモンというキャラが。半ば決め付けじみているが子供向けアニメや漫画に出てくる本来の主人公である少年たちからちょっと外れたポジションの男性キャラに狂わされるファンに深く刺さるというのが。個人的に思い浮かぶのは『ヘボット!』のチギル・チギールというキャラが物語中盤に出てきてから目に見えてこれまで見てなかった人が視聴を初めて彼のなんかこう……アレなイラストがワッと増えた(なんなら劇中で本人がエゴサしてナニかを見たのか深く凹んでたりしてた。コラ!)とかもあった。そしてそのような狂わすポテンシャルをウラモンは強く秘めているッ!!たぶんこういう本来コロコロをそこまで積極的に買わない層の需要を狙って週刊の方でスタートしたんだと俺は今でも思ってる。もちろん先生はこんなあざとかわいいだけじゃないんだぜ〜!他には……


第3夜「魔の13階段」の怪より。怪奇現象に巻き込まれた教え子の小針鈴虫すずむに恐怖でのパニックのあまり椅子を頭部にぶつけられようが落ち着かせようと笑顔を絶やさないウラモン。グレートティーチャー……
こちらはまだ単行本になってない42話から。理由はここで詳しくは言わんが数日間放浪せざるをえなくて身なりがボロボロになってしまったレディーにこれ。タ…タラシ…!

サムネのコマもそうだったようにウラモンはすごく優しい…時には荒ぶる怪奇現象にすらも手を差し伸べ鎮めるほどに。もはや聖母。プ○○ュア。これを嫌味なく出せるのは本当にずるい。コロコロ読む女子の初恋の相手か?(ゴクオーくんとか本誌にも時たまそういう罪深いキャラが出てくる)やっぱり作者も編集も需要を理解わかってるでしょ!!


これが今回書いた理由が一つ……ウラモンの沼性能が凄まじいから一部の層が知らないままなのは勿体ないからである。児童誌となるとどうしても買うのを躊躇いがちだが、せっかく読みやすいweb媒体で連載されてるんだし……ね!しかも、しかもだ。実はウラモンには“もう一人”なんかこう業が深そうなキャラがいる。都市伝説の行商人・ロジィが。

第2夜「足売りババア」の怪より。あっしはババアじゃありませんがね。

明らかに「そういう」デザインだこれ!古来より危ない雰囲気醸し出す長身のおっさんと野郎のポニテは蠱惑の象徴とされ、おなごを狂わすとは有名な話だが(嘘。いま思いついた)今作にはそういうやべーのがいます。かつて作者が描いていた『妖逆門ばけぎゃもん』に不壊なるキャラクター(1巻表紙の奥にいる人。最初は主人公を利用しようとしたが…)がいたのを思い出し元々そういうキャラ作るの得意なんだなぁ……と頭によぎった。ともかくこの邪をばら撒く謎多き男にも目が離せないのだ……


・新たに始まった過去編がやばい

そして第二の執筆理由がこれだ。週コロ開設と同時にスタートしたこの漫画、最初は読んでたけどそういや最近読んでねぇな〜となってしまった方もひょっとしたらいるかもしれない。それならばこの機会に下のリンク先から久々に読んでみるのはどうでしょうか。1巻に収録している分は単行本を買わなきゃ読めないがそれ以外はまだ無料で読めるので(はやく2巻出してくれ)

1巻に掲載してる話以降だとこのくらいがちょうどいいだろうか。先程のアイツも出るし……

……なぜ今になってようやくリンクを貼ったのか?こういうのは冒頭の部分でやってもいいだろうに。それはね、現在やってる過去編に即座に触れてほしくなかったからだ。ちょいとばかりセコい理由ですまない。しかし(毎週は流石に大変だったからか)隔週にシフトして早々に出された過去編はこれまで読んでた方々のことごとくが衝撃の渦に包まれた程であった……自分もその内の一人だ。


告知のやつ。チビモンかわいいね

最初は自分も「あぁそういや修行で一週間風呂に入れなかったうんたら言ってたしその頃かな。たぶん対化物戦闘訓練とかでチベットの山奥あたりで荒行を積んでたとかそういうのでしょ〜w」と呑気に構えてた。しかし実際に見たらそんな楽観的な視点は全て粉々に砕かれた。一体何が………、ここから先は現在進行中の話に振れるので実際の目で確認したい人は一旦引き下がってほしい。では、遥か彼方の記憶の旅へ───。













────荒れ果てた廃墟で物資を漁る幼き頃の門戸少年、どこかの紛争地生まれだったのかと最初は思った。違った。

彼の少年時代、世界は既に滅んでいた。この前のページをよく見ると缶詰には「鯖」「いも」という明記……間違いなく日本の風景だ。怪奇事件は発生するとはいえまだ平和が保たれてる現在にて大人になっている主人公、その過去がなにもかもが崩壊した世界……最初にこれ見た時あまりの衝撃にたじろいでしまった。これはなんだというのだ?その原因であろう大空を引き裂いた空間とは……

そして戸惑いの中にさらに追い打ちがかけられた。世界を崩壊させただろう異界の怪物に襲われ為す術もない門戸少年、その前に現れ呪物を用いて化物をブッ殺す危なっかしい戦いをする男がいた。その男を……あろうことは我々はよく知っていた…!

大人のカイキ君!?ウラモンの幼少期に現在まだ少年である神山カイキが!?これ一話の中で叩きつける情報量か?しかしこれまでの描写を思い返せばふと気になるのがある……一番最初の事件を解決し右手の秘密をカイキ君に迫られ誤魔化した際にウラモンはこう言った…「まだ、真実を教えるわけにはいかないからね…。」“まだ”。さもいつか彼に真実を告げるつもりかのように。そして今回のサムネにもした「ゆっくり成長していけばいいから、先生はちゃんとそばで見守っているからね。」もただの優しさだけではない“想い”もきっと……

1巻に収録されてる第8夜「くねくね」の怪の続き(25話)より。トラブルメーカーなんだけど同時に怪異を突破する際に己の身すらも勘定にかける大胆さと計算高さも持ちうる神山カイキ少年。直視すれば自我を破壊する怪異・くねくねに対し彼は……既に後の自分が“完成”されてる…
30話でこんなんもあった。異世界からの侵食で世界が滅んだとなると異界の行商人であるロジィの危険性もグンと跳ね上がる……

気弱な先生を振り回すヤンチャな教え子という構図は実際よくある光景、けれどそこには………その真相に迫るだろう過去編は現在進行にて描かれどうなるか分かっていない、なんならちょうどこれを投稿する月曜日に最新話が配信されるくらいだ。それならば………共に深淵を覗いていこうではないか


・今日はここまで

いかがだったろうか?今回は「なんとかして現在アツくなってるウラモンを広めていきたいな〜」という気持ちで書かせていただいた。もっとみんなに知れ渡ってほしい……自分も去年になってようやくゴクオーくんの存在知ったくらいだしこっちもね。隔週連載になったということもあって弾子のない月曜にちょうどよく収まってるし、互いに月曜日の楽しみにしてもいいし(読者層けっこう違くないと思ったがそれはそれで)ということでよろしくね!目指せLINEスタンプ化!(ボーナストラックに実装されるだろう はなげモチ がいっちゃん欲しい)

オマケの4コマより。なんだこの実際にありそう感なスタンプ感は

それでは!

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