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日本でもっと “カスタマーサクセス” を盛り上げよう!! #6に参加してきた!

こんにちは。中村綾香(@niloiv51)です。

2018年12月21日(金)に開催された、「日本でもっと “カスタマーサクセス” を盛り上げよう!! #6 」に参加しましたので、イベントレポを。
私の怠慢でだいぶ時間が経ったことを反省しながら、アップしたいと思います…!
☟☟過去のレポもあります☟☟

■JCSC(Japan Customer Success Community)とは?
日本ではまだまだ普及・浸透していない「カスタマーサクセス」について情報交換、議論をし、カスタマーサクセスという概念を日本に浸透、活性化させることを目的とした、日本でカスタマーサクセスに挑戦する人たちのコミュニティです。
※ベルフェイスのCSメンバーが立ち上げたコミュニティで、FBページはコチラです!

<当時のイベントの様子>

*司会*
ベルフェイス株式会社 カスタマーサクセス企画室 室長 小林泰己さん

小林さんはベルフェイスで、テックタッチ領域を1人で担当されていらっしゃいます。TECH CS Meetupでご登壇されていたり(登壇スライドレポ)、CSに関する記事をnoteで書かれていたりして、私もいつも拝見させていただいています!

通常のJCSCはお一人の方の講演なのですが、今回は年末ということでCSを牽引されている5社の方の失敗談から学びを得る!ということで、パネルディスカッション形式で開催されました。

早速小林さんから、登壇者の方のご紹介です。
※私は実はこのコーナーが大好きです!!

では早速、パネルディスカッションの内容に入っていきたいと思います。

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■お題①:顧客情報管理

CSをやっているとどんどんたまってくる顧客情報。これには静的情報(契約など)と動的情報(ログ、アクティビティなど)が含まれると思うのですが、これを各社がどうやって管理をしていたか、というお話。

クラウドサイン:
結論から言うと、本当に初期から情報を管理する仕組みを作っておくべきだった、という事でした。
情報が点在しているということは、企業あるあるかと思いますが、クラウドサインさんもあらゆる所にデータが散在しており、最初は月末締め作業は気合でこなしていたが、PMFを迎えたあたりで限界を迎え、MRRをぱっと出すことが出来なくなってしまったそうです。
現在はZuoraを導入され、めちゃ高価らしいですがその分の効果は体感している、と。早い段階でスプレッドシートから抜け出そう!といことでした。

取り組みを進めていく中で要素が追加されていくことがあると思うが、せめて情報を取りまとめられる上位のIDは整えておくべき、と。

また、スナップショットと履歴管理については、「契約情報」と「顧客情報」により異なるが、どの段階でどのような変化があったかを見れるようにする必要がある、ということでした。スナップショットの積み重ねが履歴になっていくイメージでしょうか。

Sansan:
情報の一元化に取り組んでおり、Salesforceに統一しているが、かなり骨の折れる作業だったので、もっと早くに取り組むべきだった、との事。
変化のポイントが蓄積されておらず、なぜ今この状態になっているのかが分からない事もあったそうです。

私の会社(事業部)でも現在CSの立ち上げを進めていますが、散在しているデータ、名寄せができていないデータにとても苦労しています。会社全体のデータの在り方を変えるのは時間が掛かるので、CSでDBを作って様々なデータをとりあえず(前よりは少し)簡易的に見れるようにしていたりします。

■お題②:再現性

CSの立ち上げは少数で行われたりすると思うのですが、スケールさせる過程で、ベストプラクティスをどう蓄積していくのか、というお話。

bellFace:
CS立ち上げから2年を振り返ると再現性が課題だったとのこと。小林さんのバックグラウンドとしてコンサルがあり、顧客を変えるためには接点を多く持って入り込んでいくことだ!となっていたい時期があったとのこと。ただこれは経験値などの採用難易度が高く、スケールの阻害要因となったとのこと。サービスレベルを下げる(誰でもできる状態にする)、ということが重要だった、とのこと。

Sansan:
仕組みが整ってきた。例えばセミナーでもフォーマットを定めて誰でもできる状態を作っている、との事。

HiCustomer:
再現性も重要だが、最初はトライ&エラーで最適解を探り、そのあとに取捨選択でフォーマット化していくのが必要では、との事でした。

CSでも何でもそうですが、新しい役割/サービスの立ち上げって、情熱や想いを持ったメンバーががむしゃらに取り組んだりすると思います。その後一定期間して組織として形を整えていく際に、どういった背景でどういった取り組みをしたのかが分かるように、アウトプットしていく事が大切だったりするのかな、と思っています。これはスケールにも関わりますが、その役割/サービスが陳腐化せずに進化し続けるには重要な要素なのではと。

■お題③:忖度

HiCustomer:
例えばSNSでお客さんと繋がっていたりすると、繁忙期や体調の情報が分かってしまい、連絡することを躊躇ってしまったりする。ただ、顧客の成功を考えたときに「このタイミングでやるべき事」は心を鬼にして伝えることが重要。

それから、顧客が忖度して言ってくること、本当に実態はそうなのかを見極めるのも大事。

HRMOS:
社内に忖度をしない。フィードバックをする時は、ポジティブな事ばかりではなくネガティブな事もしっかり伝えることで、顧客の目線を見失わないようにすることが大切、との事。

■お題④:ユーザー会

CSでは「コミュニティタッチ」といった言葉も生まれていますが、CSが一方的に顧客の成功を支援するのではなく、ユーザー同士でも成功を支援できる仕組みって素敵だと思います!

HRMOS:
「ユーザー会にエンジニアを呼んだがうまく巻き込めない」という課題があったとのこと。会の設計にもよるが、最初はコンテンツの発表→懇親会という流れで実施していたが、懇親会からエンジニアが参加すると輪に入れず、お酒渡すスタッフみたいになってしまっていたので、最終的にエンジニアのモチベーションも下がり…ということで、エンジニアも巻き込めるユーザー会を設計した。

現在は、以下4つに分けて月2回のユーザー会を実施しているとの事。
①ユーザー登壇型:事例になっているユーザーが採用ナレッジをシェア
②講師登壇型:ユーザー外のイケてる採用担当の講演
③ワークショップ型:チームに分かれて特定のテーマについて議論
④交流会型:クリスマス会などの交流会

詳しくはコミュニティマネージャーの折元さん(@osososo77)の記事をお読みいただくのが良いと思います!

■お題⑤:戦略

Sansan:
CSとしてやったほうが良いことはたくさんあり、過去にはできることはすべてやるという時代があり、目の前の顧客は救えているが、果たして全体貢献ができているかが見えないことがあったとのこと。それは戦術はあるが戦略がなかったから、と。
今は「Customer Marketing」という部門を立ち上げて、各部門と連携して顧客とのタッチポイントを設計されている、と。最初は嫌われることもあったが、各部門のメリットを提示しながら、時にはごり押しもしながら進めてこられたとのこと。

bellFace:
すべての活動がヘルススコアに相関している事が重要で、明確なコンセプトが決まっていないと施策がぶれて効果的ではなくなるのでは、と。

HRMOS:
戦略なき戦術は時には必要で、CSのプレゼンスを上げるためにできることから取り組み良い施策を見つけていったとのこと。営業同行して成功事例を事細かにCSが話すことで営業から感謝された、とか。戦略を考えて動けないよりは、動いていく中で最適化を見つけるのは良いと思う、とのこと。

クラウドサイン:
全社でCSに取り組んでいく中では、CSの人が突き抜けて行くのが良いのではないか、とのこと。

HiCusotomer:
突き抜けるのは難しい場合もあるので、「○○の人」といったポジションを目指すのも良いのではないか、との事。

CSの取り組みは今後さらに重要性を増してくると思いますが、どうしても営業部門だったりは直近の売上が重要で新しいタスク・やり方に反発しがちだと思っています。その中で、CSの人に相談すればこれが解決するというイメージ付けや、積極的に関係性を構築しにいくことで、事例(メリット)を体感してもらうのが良いのではないかと思っています。

■質問コーナー

今回もsli.doを利用して参加者から質問を集め、それにパネラーのみなさんが回答する形式で行われました。

質問:法人向けのサービスを提供しています。顧客企業の担当者様が1人しかいなくて、その方が異動 or 退職されたときに解約に繋がるパターンがあります。この状態を防ぐためには、どのようにすればよろしいでしょうか?

bellFace:
エースやスターと言われる顧客をたくさん作る。BtoBでは利用者と決裁者が異なることが多いので、しっかりと接点をとっていく。

クラウドサイン:
HiCusotomerを導入した際に、HICustomerの体制図とともに、自社の体制図を埋める欄があった。これはとても上手いと思い、自社でも取り入れた。

Sansan:
商談の最後に、クロージングドキュメントという資料を送っている。その際に、体制を作ってもらうことの前出しをして進めている。

質問:「カスタマーサクセス」という職種の定義がまだ固まっていない状況かと思いますが、各社の「カスタマーサクセス」の業務範囲を教えて下さい。

クラウドサイン:
今年から、プライシング・業務支援・ロードマップ作成などすべてに関わるようになった。お客さんが活用して良かったと思える場面はすべてCSが関わるべき。CSメンバーのキャリアパスを考える上でも、どんなところでも行けるようにしたいという想いもある。

質問:スケール化・再現性を実現させるために、サービスレベルを落とした具体的なケースを共有いただけますでしょうか?

bellFace:
マニュアル化できない部分は有償にする、というのもあり。

質問:CSにて見ているKPI、及びその取得方法・運用体制について教えてください!!

クラウドサイン:
オンボーディング率

bellFace:
利用率

HRMOS:
ヘルススコアとタッチポイント、アクティブステージにいかにあげるか。分析チームが2人いて見ている。

HiCustomer:
昨日の利用率

Sansan:
Marketo等で配信されたコンテンツのリクエスト数、反応率。

質問:MAツールはあまり使わないんですか?サクセスだとMAの方が相性がいいのかなと思うのですが。

bellFace:
使ったほうが良い。ただMAで顧客行動は大きく変わらない、薄く広く当たれるツール。成功事例などのコンテンツをMAで流していく。
※このあたりは、小林さんがTECH CS Meetupでお話されていました(登壇スライドレポ)。

質問:カスタマーサクセスの立ち上げを任されました!わくわく反面、なにから手をつければいいのか全くわかりません。まずはなにから始めるべきでしょうか?助けてください!

Sansan:
1人のお客様を幸せにするために何をすべきかを考えるところから始める。

HiCustomer:
お客様に会いに行って、徹底的に話す。

HRMOS:
お客様によりそう。

bellFace:
何かの施策をやりまくる。やることで初めてわかることがある。お客様のためになることから始めて、そのあとに平準化していく。

クラウドサイン:
オンボーディング。

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こういったイベントで、失敗事例をお話いただける事ってあまりないなと思っています。みなさまの、同じ轍を踏まないでほしい、そしてもっとCSを盛り上げていきたい!という思いをひしひしと感じました!
改めて、CSって素敵だな、と思ったイベントでした!


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