BURRN!叢書 28として「90年代ヘヴィ・メタル／ハード・ロック　ディスクガイド」を買ってみた。考えてみると、自分が比較的自由にCDを買えるようになりだしたのも90年代であるし、今振り返ってみるとこの10年間の音楽の多様性は凄かったな、と。
そこでいつものように対象のアルバムを聴きまくりながら、この10年間を1年間ずつ振り返ってみる。当然ながら完全に独断と偏見であり、自身の音楽体験を回顧するためのものであることはご容赦いただきたい。

今回は1回目の1990年。
まずは少ない小遣いを叩いて当時から聴きまくっていたこの3枚から。

１．スラッシュメタル四天王のうち"三天王"がアルバムを発売
SLAYER "Seasons in the Abyss"

MEGADETH "Rust in Peace"

ANTHRAX "Persistence of Time"

当時からスラッシュ四天王と呼ばれていたわけではなかった気がするが、当時数多あるバンドの中でもやはりSlayer, Megadeth, Anthraxは知名度もあり、楽曲のカッコよさや音の良さは頭一つ抜け出ていた気がする。
2022年の今聴いても、"War Ensemble"なんて曲が始まった瞬間、緊張感が走るなあ。音楽視聴体験から言っても今のほうが当時よりも良い音質で聴けるから、当時とは少し違った感動がある気がする。

２．グランジ襲来直前のスラッシュメタル最盛期
TESTAMENT "Souls of Black"

SODOM "Better off Dead"

その他で言うと
DEATH ANGEL "Act III"
EXODUS "Impact is Imminent"
KREATOR "Coma of Souls"
UNITED "Bloody But Unbowed"
辺りか。

３．スラッシュより過激なデスメタルバンドたちが充実のアルバムを発表
DEATH "Spiritual Healing"

DEATHは今聴いてもカッコいい！
その他は
NAPALM DEATH "Harmony Corruption"
OBITUARY "Cause of Death"
辺りだが、自分の中でのピークは共にこの後のアルバムで、当時はまだ財力も許容力もついていっていなかったかな。

４．メタル定義拡大の90年代幕開けを象徴するアーティストたちのデビュー
ALICE IN CHAINS "Facelift"

PANTERA "Cowboys from Hell"

その他は
BIOHAZARD "Biohazard"
CANNIBAL CORPSE "Eaten Back to Life"
DEICIDE "Deicide"
ENTOMBED "Left Hand Path"
PARADISE LOST "Lost Paradise"
これらのバンドはその後メタル界にそれぞれ大きな影響を与えるが、すべて1990年にデビューとは、やはりこれがこの年を象徴している気がする。

というわけで、自分の思っていた以上に充実の1990年だった。
1990年発売のメタルアルバムを片っ端から聴きまくっていた結果、現時点で最もかっこよかったのは意外にも？
SUICIDAL TENDENCIES "Lights…Camera…Revolution"
だったのであった。