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日記20200606【in コンポンチュナン】

夜に廊下の戸を閉めるようになってから、部屋に侵入してくる虫が相当減った。よかったよかった。


昼、いつものように近所のコンポンチュナンマーケットの食堂でごはんを食べる。

今日の献立はソムロー・マチュー・ユオン(魚のサワースープ)。ソムロー・マチューはしばらく食べてこなかったので、久しぶりに食べるとかなり美味しく感じられた。絞ったライムがトロピカルな爽やかさを演出してくれる。まあ、食べているところは雑多な市場の一角にある食堂なので爽やかさとは程遠いのだが。

ぼくがごはんを食べ終わりそうになると、食堂のおばあちゃんが「もっと食べんさい」と言ってごはんを山盛り入れてくれた。

このおばあちゃん、はじめて会ったときから色々クメール語で話しかけてくれる。今日もずーっとニコニコしながらぼくが食べているのを眺めている。この食堂の人、このおばあちゃんだけじゃなくて他のスタッフもみんなニコニコ。

しかめっ面で携帯見て、客が来たときだけめんどくさそうに接客する人が多い中で、こういうお店に出合うとまた行きたくなる。いや、めんどくさそうに接客されても全然いいんだけどね。


帰り道、コンポンチュナン来てから毎日のように通っている甘味屋で今日はアイスを購入。バニラの上にイチゴ味のシロップがかかっているやつ。カンボジアのアイスって冷凍庫から出したばかりなのに柔らかいものが多い。なんでなんだろ。美味しいけど。

さらにそのあと、よく寄ってる揚げ物屋を発見。ここではサーターアンダギーみたいなドーナツ、揚げシュウマイ、大きい揚げ春巻きを売っている。

アイスを食べたばかりなのになぜか揚げ春巻きを購入。地方だと物価が安いのでどうも買いすぎてしまう。

あまりいい言い方が見つからないので「揚げ春巻き」と書いているが、実際は多分多くの人がイメージしている揚げ春巻きより大きくてワイド。揚げ春巻きのパイ版みたいな。お前は揚げ春巻きパイだ。

揚げ春巻きパイを食べながら宿に戻る。今日は揚げたてを買えた。ラッキー。揚げ春巻きパイの断面をのぞき込むと、中は細長い野菜と肉でできた迷宮(ラビリンス)になっていた。「揚げ春巻きパイのラビリンス」という物語を作ろう……とはまったく思わなかった。


宿に帰ってくると、服をクリーニングに持っていき忘れていることに気づく。ため息交じりで行ってきた道のりを引き返す。

雨季になったとは言え、昼間は歩くだけで汗が出るほど暑いカンボジア。喉の渇きを感じる。さっぱりしたものが飲みたい。そうだ、レモンティーを飲もう。

小石につまづきつつドリンク屋台へ。そこでぼくはあろうことか間違えて「レモンティー」ではなく「ミルクティー」を頼んでしまった。この一瞬だけ人格が入れ替わったのか?

ミルクティーを買ったのは完全にミスだった。カンボジアのローカルのミルクティーというのは、黒いお茶っぽい液体に大量のコンデンスミルクを入れて作られる。ちなみに買った屋台のティーとコンデンスミルクの割合は1:1くらい。

数口飲んでみると案の定脳がとろけるほど甘い。さっき食べたアイスを溶かしてその上から練乳をかけて飲んでいるみたいだ。さらに胃の中で揚げ春巻きパイの油と混ざり合う。水と油はひとつにならないって言うけど、油とミルクティーもひとつになれないことを知る。

それぞれはおいしくても合体したら地獄だった。


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