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庭の草ぬき

 2010年の日記です。
途中で当時の更に15年前を回想しているので、
ややこしいのですが、我慢して読んでいただければ幸いです。
 
 普段は通勤に便利な都心に住んでいるが、
5月の連休中は久々に別荘(横浜の自宅)で過ごした。
旅行の合間をぬって、2日ほど監視人どのと共に庭の草抜きをした。

 この10年、普段、住んでいないので、草が伸び放題だ。
毎年秋、庭木の手入れと草刈りを植木屋さんに頼んでいるが、
今年は、草が育つ前の春のうちに自分達でと、志は高い。

 普通に前かがみで抜くと、直ぐに腰が痛くなるので、
風呂場の椅子を持ってきてそれに座り、足元の草を抜くのだが、
それでも30分もすれば腰はコリコリになる。
その都度立ち上がり背伸びをするが、背伸びの頻度はどんどん増え、
2時間程度たつと10分毎、5分毎となる。
頑強に根の張った草もあり、
根っこから抜くには相当の力と根気を要する。

 草抜きをしながら、15年ほど前の事件を思い出す。
GWの直前に、会社の上司に、強烈なパワハラをされ、
相当な精神的ダメージを受けたことがある。
会議での対応がその上司の意に沿わなかったようで、烈火のごとく怒り、
「お前はサラリーマンとして失格だ、社長に言うからな。」
といったような訳の分からないことを、
30分ほど電話で怒鳴られ続けた。
今思えば、ばかばかしいと思って、さっさと謝ればよかったのだが、
そこは若気の至り(若くはなかったが)、
相手に非があるのだからと、謝らずに黙って聞いていた。

 連休に入っても、その時の上司の声が頭から離れない。
なんとか忘れようと、数日間草抜きをしていた。
何も考えずにもくもくと、抜くうちに、
つまらない事に拘っているような気がしてきて、ショックは和らぎ、
連休が終わる頃には、なんとか、まともな精神状態になった。

 といった事を思い出しながらの、草抜きだったが、
腰の痛いことを除けば、達成感もあり、それなりに楽しかった。

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