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日記 2024.5.2(木) わたしが増えていく。

いい天気。朝から一気に洗濯をする。カラッと晴れているが気温はそんなに高くない。長袖をニ枚着てみる。
冬物の衣類を全て洗い終わって衣替えが完了した。衣装ケースひとつがパンパンになったけれど、コートとニット類を全部詰め込むことができた。ヒノキチップの防虫剤を間に挟みこみ衣装ケースを押入れの上に収める。実家に帰るための準備をしていくので今度はトランクを出した。

朝ごはんを簡単に食べて今日は区役所へ行く。弁護士さんの無料相談ができると税理士さんに教えていただいたのだった。家を出てポストを覗いてみると書類が届いている。離職票だった。やっと届いた。1年かかった。ほかの書類は一式持っていたので封筒を抱えてそのまま区役所へ向かう。まずは年金、健康保険の手続き窓口へ行き、その後区民相談窓口で弁護士相談の予約を取った。運良くキャンセルが出たとのことで今日の午後相談できることとなった。
14時の予約時間までまだ時間があるので先にハローワークの手続きを進めるために新宿に向かう。ようやく少しずつ前に進み始める。
区役所はそうでもなかったがハローワークは今日はすごく混雑していた。閉ざされた空間の中待っていると途中から頭痛がしてきた。頭痛がしたのは久々だった。目をつむって1時間待ち、ようやくわたしの番号が呼ばれた。
手続きを終えてまた区役所へ。駅に着いて5分くらい時間があったので外のベンチできのこのおこわのおにぎりを口につっこんでから弁護士さんの相談へ向かった。無料相談は30分。大した話は聞くことはできないと思ったけれどわたしが聞きたいことはひとつだったのでそれは聞くことができた。悪質なケースなのでやさしいやり口ではなくすぐに法的な態度に出た方がいいですよとのアドバイスを頂いた。しかし同時に裁判に持ち込んだところでわたしが納得できるような形に進む確率も高くないということも分かった。

わたしはわたしの楽しい時間を邪魔されたことに怒っているのだ。そっと好きにさせておいてくれればなんにも文句は言わない。それなのにわたしにかまってくるもんだからわたしは本当のところは人間大好きなので(人付き合いは苦手でも人間は大好きなので)、そしてそれはそれは面倒くさい人間なので、どんどんと構っていってしまう。はっきり言ってしつこい人間です。さっさとお金がもらえたらいいというわけでもないのだからとにかくやっかいだと思う。
さらにわたしは相手を心配してしまっている。こんな状態で大丈夫ですか?これから先もこのままやっていけますか?お節介にも程があると自分でも思う。でも自分に危機を感じるとわたしも生き延びるために自然と本気になる。わたしは本気が出ると急にシャキッとして冷静になる。本気の場面では慌てない。冷静に自分を守る方法を、お互いに最善になる道を探る。時間がかかって失敗しながら自分が納得する方法を見つけるしかできないと思っている。

15時ごろ帰ってきて疲れて眠たくなってしまった。どら焼きを食べて少し台所で横になる。30分くらい集中して眠ることができた。ちょっと安心不足。こんな時はと机に向かって絵を描く。絵を描くことが安心する行為になりつつある。すぐに没頭してだんだんと心がほぐれてくるのが分かった。洗濯物を取り込み畳んで収めていく。今日は寒さもあってなんだか冬の夕方みたいだ。衣替えをした途端に冬が戻ってきた。掃除して袋に入れて片付けたヒーターが恋しい。何度もヒーターのある押入れに目をやってしまったのだけれどなんとか我慢した。

元住人に頼まれて縫った敷物を渡すことになっていた。夕方取りに来る。明日は彼の誕生日。プレゼントも一緒に渡した。これまで彼への贈り物は欲しいものを聞いて一緒に買いに行っていたのだけれど、今回はこれだというものを思いついたので用意しておくことができた。
無職になってよかったことはと聞かれると、誰かへの贈り物を選んだり準備したりする時間ができたこととも言えると思う。贈り物を考えたりする時間があるというのはおだやかで楽しい。働いている時は忙しさと疲れでわたしの心と体はすべて埋まってしまっていてほとんどほかのことをする余裕がなかった。いつも何かに焦っていたのだと思う。そんな1年前を思い出すと懐かしい。

貯金を崩しながら自分としっかり向き合う。1年経ってこんなにも自分のことが見えてくるとは思っていただろうか。
周りからの影響を受けやすいわたしの場合は、一人になるからたどり着くことができた、一人で居続けることに意味があったのではないかと思う。

都会の小さなアパートの一室で、いまわたしはひとりだけどひとりじゃないようなしあわせを感じ始めている。わたしはほんとうに今ひとりなのだろうか、とときどき思う。自分が増えていっているような不思議な感覚が確かに、ある。だからなんだかお腹の底から力が湧いてきてすごく安心していて心強い。もう人と会って話を聞いてもわたしの中の芯はぶれないような気がする。だれの意見を聞くべきか、誰に会うべきか、少しずつ分かってきているような気がする。

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