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自分であって自分でないもの


全身の細胞の中に、自分であって自分でないものが存在している。

生物の授業の時に、ならったでしょうか。


各細胞のなかで、せっせとエネルギーを作りでしてくれているミトコンドリア。

この、ミトコンドリアは自分とは別のDNAを持つという不思議な存在です。


太古の昔、たった一度の古細胞と細胞との融合が、今の私達を造っている。


奇跡的な、この融合の成功が進化の幕開けということになるだろうか。


おそらく何度もおこなわれていた融合の、その殆どは上手くいかず死滅していったことだろう。


生命はいろんなことをくり返す、波のように何度も何度もくり返す。


実際にうまく行った、ただの一度のできごとに端を発して、我々にまでいたった。


とは、生化学者であるニック・レーンの言葉。


ただの一度の融合の成功。ただの一度の受精の成功。


たくさんの奇跡が今日もあちらこちらで起きている。




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