◆リプレイ◆#2

ニンジャスレイヤーに全員殺されるTRPG、サンシタGOのリプレイです



薄汚いバーで音楽がかかっていた。ネオサイタマの迷宮めいた雑居ビル群の中の一画、カタギではない男たちがたむろしていた。手にはコロナ・ビール。張り詰めた、ものものしいアトモスフィアだった。裏のトイレから断続的に物音が聞こえてくる。そのバーに、ひとりの男が入ってきた。

装束、メンポ!おお!ブッダ!その男はまさしくニンジャだった!銃口が一斉に、そのニンジャに向く。そのニンジャは、名をパラライサーと言った。


PL1「俺かよ!」(デスペラードパロに笑い転げていたのから復帰して)


(以下よりロールプレイが始まる。)

パラライサーが口を開いた。「おい、バーテン」「何だ」「コロナをよこせ」「ジョークかい?だとしたらつまらないな」「ジョークに見えるかい?」「ならな、まず、コイツを食らってから言うんだ」バーテンが発砲した!


PL1「じゃあ躱すよ」

PL2「殺らないの!?」

PL1「できるだけスタイリッシュに躱すよ」


「知ってるかい?メキシコのガラガラヘビに銃弾は当たらない」パラライサーは冷ややかに言い放った。

別の銃を構えた男が、バーテンを煽った。「お前、酔ってるんじゃあねーのか!?ビールの飲み過ぎでよー、バーテンだってのによぉー…俺が撃ってやるよ!」男が発砲した!


PL1「じゃあスリケンで撃ち落とすよ。で、ソイツごと殺すよ」


「アイエ!?ニンジャ、ナンデ…アバッー!」男の脳天にスリケンが刺さる!それから、パラライサーは言った。「そしてもうひとつ教えてやる。メキシコのガラガラヘビよりオキナワのハブの方が強い」

ゴロツキたちがいきり立つ!「何がオキナワだー!ザッケンナオラー!」銃の乱射!


PL1「じゃあー、バーテン以外殺していい?」

GM「いいよ」

PL1「スリケンに唾を吐きかけながらばら撒くよ(唾液が麻痺毒になっている)」


スポポポポポポポ!麻痺毒がばら撒かれる!しかし、麻痺毒といえどモータルには十分な致死量であった。呼吸が停止し、多くのモータルたちが窒息死する。残ったのはバーテンだけであった。

制圧は完了したかに見えた。が、突然にカラテシャウトが響いた。ヤリめいたドロップキックがパラライサーの水月に直撃する。アンブッシュだ!青緑色の装束を着たニンジャがパラライサーの眼前に立った。「ドーモ、クワキウートルです。また歯ごたえのない雑魚か、つまらん」

「まったく、ビズにこうも嘴を突っ込まれると目障りでかなわん。稼げるビズは大歓迎だが、ここまでハエが多いと転職を考えたくもなってくるな…。貴様の依頼主は誰だ?なに、俺のカラテで貴様の二倍の報酬を受け取ってやろうというだけさ。俺もフリーランスなものでな」


PL1 「(ワンツイートぶんの長い台詞を受けて)耳クソほじってるよ」

GM「え?アンブッシュ受けて君ガタガタの体勢だよ?」

PL1「それでも耳クソほじるよ。強がるよ、俺は」


およそ死に体といったていであったが、パラライサーは挑発的に耳クソをほじった。「タフな男気取りか、大したものだ。だがな、ガラガラヘビごっこもそれまでだ。イヤーッ!」クワキウートルが襲いかかる!


PL1「なんかしていいの?」

GM「いいよ」

PL1「じゃあ、顔面に向けて唾を吐きかけるよ。ブ…ペッ!って」


「イヤー!」右ストレートがパラライサーの顔面に直撃!「グワー!」パラライサーが呻く!「まったくふざけているのか?」唾をハンカチで拭きながらクワキウートルは続ける。「何かと思えばロクに反撃もできない雑魚か!」クワキウートルが言い放つ。一方、パラライサーは逆の耳の穴をほじくり始めた!

それを見てクワキウートルは言った。「知ってるか?耳の穴をほじくって、別の耳の穴をほじくったらなあ…もうひとつ耳の穴をほじくるんだ。耳の穴を作るんだよ!」「オメーそのジョーク、全然面白くないぜ」「ほざけ!イヤーッ!」クワキウートルがパラライサーの顔面に指で穴を開けにかかる。


PL1「じゃあ、躱して鼻の穴を目がけて唾を吐きかける」(唾に固執)


タツジン!クワキウートルは唾を避けた!「ジツか?いや、ジツではないな…?貴様本当にふざけているのか!?」


(GM、ここで既に唾が麻痺毒になる設定を失念している)

PL2「ヤバい、クワキウートル=サンにアワレポイントあげたい…」

GM「ア!」

PL1「ア!」

GM「アワレ忘れてたねえ」

PL1「あ、でもサイコロないんだっけ?」

(幸運にも、たまたまカバンに入っていた10面ダイスが見つかるのでそれでやることに。しかし直後、PL1がトイレに行ってアワレの計上を忘れる)


殴られるパラライサー、憤るクワキウートル。そして、それは突然襲いかかった。カラテシャウトとともに、クワキウートルが水平に吹っ飛んでいった。「グワー!」アンブッシュ、新たなニンジャのエントリーだった。「ドーモ、クワキウートル=サン。キセノンです」

吹っ飛んだクワキウートルが体勢を立てなおしアイサツする。「ドーモ、キセノン=サン。クワキウートルです。何をしに来た!?どこのニンジャだ!?」「やきうニンジャだ」


PL1「(笑う)アイエ!?メジャーリーグからの刺客!?」

GM、脳がオーバーフローし始める。


「やきうニンジャだと?ふざけやがって!今日は一体何の日だってんだ!ハロウィンはまだ先だぞ!」「今日はエイプリルフールです」「嘘つけ今日はバレンタインだ!」


PL1「ここ終わってる奴らしかいねえ!」

GM、現在ニンジャ二人がかりなためにクワキウートルが既に詰んでいるので、どういう風に彼を殺していきたいかを尋ねる。

PL2「じゃあ俺酒飲んでるよ」

PL1「ええー!?君何しに来たの!?」

PL2「戦かうだけならお前で十分じゃん」

キセノンがバーカウンターにつき、バーテンにコロナビールを注文しはじめる。

GM、脳がオーバーフローし、まともにゲームに参加してくれという言葉も言えない

PL1、執拗に置き続けてきた唾(麻痺毒)の布石を回収しにかかる。


パラライサーが尋ねる。「ところで、クワキウートルさんよ…アンタ、顔が痒くねえか?」クワキウートルが答える。「何を馬鹿な事を言っているんだ?俺はメンポをしているんだぞ」

(一同笑う。メンポに思い至らなかったPL1、狼狽えてゴネ始める)

「そうか…お前のメンポ、それ何で出来てる?」「知るか!馬鹿め!スキだらけだ!イヤーッ!」「グワーッ!」ポンパンチが炸裂!


PL2「もうアワレ振っていいいよ。ゴネようとしたのだいぶアワレだよ」

GMとPL1、ここでアワレの付与をようやく思い出す。ここでアワレ付与作業メント。

そしてPL1、ゴネるのを諦めてカラテで戦うことを決意。


「しょうがねえ…耳も聴こえるようになったし、少し本気を出してや」「馬鹿め、スキだらけだ!イヤーッ!」クワキウートルの恐ろしき投げナイフ・ジツ!ジツによって生成されたナイフがパラライサーの胴に刺さった!「グワーッ!……お、お前!話を聞かないな!」パラライサーがうろたえる。


PL1「じゃあこっちからもお返しだ!イヤーッ!つってペペペペペペって」

GM「またかよ!」

PL2が笑い、PL1にアワレの付与をする。


「イヤー!」クワキウートルの右ストレート!「効くか!」パラライサーは受け流し、カウンターのサイドキックを入れた!「グワーッ!」クワキウートルが吹っ飛んだ!初めてまともな反撃だ!「俺が唾を吐くだけの馬鹿だと思ったか?」「……思ったさ」クワキウートルが答えた。

両者がカラテをぶつけあう!「おい!キセノン=サン!」そして、パラライサーが呼びかけた!「イヤーッ!」「グワーッ!」パラライサーがパンチを食らう!「お前こんな…お前ここに何しに来」「イヤーッ!」「グワーッ!」パラライサーがパンチを食らう!だが呼びかけに応じてキセノンが動いた!

「イヤーッ!」「グワーッ!」パラライサーがパンチを食らう!キセノンがパラライサーを殴った!「アイエエエエエエ!?」アワレ!パラライサーは瀕死の身!「気でも狂っているのか!?キセノン=サン」「お前は、飲むのを邪魔をした」キセノンは濁った目で言い放った!パラライサーが血反吐を吐く!

「よく考えてみろ!この状況でお前の飲酒の邪魔をしているのは俺じゃない!コイツだ!」パラライサーがクワキウートルを指さす!「イヤーッ!」「グワーッ!」パラライサーがパンチを食らう!慈悲のないキセノンのカラテ!そしてクワキウートルにもカラテ!「イヤーッ!」「グワーッ!」

「胡乱なニンジャどもめ!」クワキウートルが悪態をついた!「イヤーッ!」キセノンの追撃が襲い掛かる!「グワーッ!」クワキウートルが悶える!「もうたくさんだ!こんな人生!こんなニンジャども!」「イヤーッ!」「グワーッ!」パラライサーのカラテが炸裂!「ペペペペペペ!」そして麻痺毒だ!

「グワーッ!麻痺毒!」麻痺毒が効き始める!形勢逆転だ!ニンジャは麻痺毒によって無力化され、店内は制圧された!「だから最初に言ったのにさあ、顔が痒くねえかってよおー…」コロラドリバーのように血を流しながら、今にも倒れそうな姿勢でパラライサーは強がり、嘲った!

「お前何故ここにいる?どうして俺の酒を飲むのを邪魔する?」キセノンは言った!

キセノンは今にもクワキウートルを殺しに掛かりそうな勢いであった。「ザッケンナオラーッ!お前の上司ダレだッコラッー!ウエ出せウエ―!」マウントし、クワキウートルを今まさに爆発四散せしめようとしたその瞬間、ひとりの男が出てきた!「待て!まだ殺すな!」裏のトイレから一人。モリクボだ。

モリクボは生傷だらけの姿だった。クワキウートルが床に放り出される。「よーく分かってんだ、ここにいるんだろ」「何がだ」「ブチヨ。お前らのボスだ。ここにいるんだよな?」モリクボは不敵に笑い、クワキウートルの手を足蹴にした。痛みにクワキウートルがうめいた。


PL1&2「モリクボォ……」

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