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今年の巨人の投手運用を考察します

 あと数日すればキャンプですね!

 今日(1/29)現在、一軍キャンプメンバーは一足早く宮崎へ行き、毎年恒例の合同自主トレを行っています。支配下新人の5人も全員怪我なくキャンプ入り。嬉しい限りでございます。

 今年のキャンプでは21人の投手が一軍キャンプ入り。そのうち8人が新加入投手と、去年と比べるとかなり陣容が変わっている。何せ去年20登板し84イニングを投げた横川凱投手が二軍スタートですからね。驚きましたが、それだけ一軍で見てみたい投手が多かったという事でしょう。

 さて、今オフの補強は投手の補強にほぼ全振りした結果になりました。支配下数は35人。これは去年のキャンプスタート時点の26人を9人も上回っておりまして、今後の展開によっては7月31日までに3〜4人は増える可能性がある。

 去年は最終的に36人まで増えましたが、現時点で同じくらい揃えるというのはあまり見なかった気がします。

 今年も去年までと同様、一軍枠は31人。投手枠は15人くらいと見ています。一軍未経験の投手は新人を除けば高卒3年目の石田隼都投手と今年24歳になる山田龍聖投手の2人だけなので、使える駒も十分にある。

 というか、ありすぎます(笑)

 これだけ多かったらさすがに去年よりは投手層も分厚くなっていますが、逆に言えば運用が凄く大事になってくる。ある程度は固定メンバーがいるにしても、どうやって回すか、どこでチャンスを与えるか。今年から就任した杉内俊哉投手コーチ、内海哲也投手コーチの責任は重大です。


杉内コーチ(左)と内海コーチ(右)

 そこで今回は、支配下35人+これから上がってくるかもしれない育成の投手達を現場がどう運用していくのか、もしかしたらこうしていくんじゃないかというのを自分なりに考えてまとめてみました!考えるのが本当に楽しかった(笑)

 ではまずはこちらから。

①先発投手3+5人制の提案


 普通、先発ローテ枠は6人ですよね。

 1週間の試合数はだいたい5〜6。たまに9連戦がある時に7試合やる程度で、本来なら8人も要りません。 

 現実的な線で考えると、先発は普通に6人。一軍投手枠が15人としたら、残りの中継ぎは9人という事になります。それでも普通に多いとは思いますし、ゆとりを持って運用できない事もない。

 ただファンの方ならだいたいご存知かとは思いますが、阿部慎之助監督はオフの間何回もこう仰っておりました。

 記事の一部を引用いたします。

ドラフト1位で中大の後輩の155キロ右腕・西舘を日本ハムとの2球団競合の抽選で引き当てた。

 「パワーがあって三振を取れるのが魅力。大学で絶対に負けられない試合、厳しい場面を何度も経験して場数を踏んでいる。最初はビハインドの場面のリリーフかな。そういうルール【注1】をチーム内で作ったから。そこで抑えて自信をつけて、ポコッと空いたところで先発させる方がいいかなと。今年は(実績のない若手を)急に1軍で先発させることはない

2024年1月1日スポーツ報知より抜粋

 この記事は大分界隈をざわつかせていましたね(笑)

 それはともかく、僕は阿部監督のこの発言をずっと考えておりまして。

 二軍の先発を最初はビハインドの場面で使うって…どうやって使うの?

 まあわりと謎じゃないですか。まず僕の考えでは、先発候補はまあまあの数いるんですよ。名前を並べていきますと。

先発候補(背番号順)
西舘、菅野、山崎伊、戸郷、高橋礼、グリフィン、メンデス、赤星、又木、森田、直江、高橋優、横川堀田、松井、井上、京本
計17名

 もちろん長いシーズンですからどうなっていくかわかりませんし、途中の中継ぎ転向かそもそも最初から中継ぎなのかとかいろいろありますが、でも総勢35人なので中継ぎの枠だってそんなにない。

 それに二軍ローテもいなくてはいけませんから、このくらいが妥当かなと。

 で、ここから6人引いても11人残るわけで、この11人を二軍先発→一軍のビハインドでテスト枠に使うのか?と。

 仮にその枠が1としたら、先発枠6+二軍先発枠1+中継ぎ枠8となります。

 二軍先発枠を1使っても中継ぎ枠が8もある、という考えもできますが、個人的な考えでは少し足りないかなと。

 というのもまず勝ち試合で投げさせてもいいと思うのが大勢投手、中川皓太投手、菊地大稀投手、アルベルト・バルドナード投手、そして阪神タイガースから移籍したカイル・ケラー投手の5人。この5人は怪我や極端な不振がなければ前半戦の登板は保障されていると考えます。つまりは一軍枠には絶対いると。

 となると残りの枠は3あるわけですが。負け試合要員が3人+二軍先発枠1だと、どうしても連投になった時勝ち試合要員の動員も必要になってくる。

 中でも菊地投手、バルドナード投手、ケラー投手は駆り出される可能性がわりと高いと思うのですが、「どの場面でも使う」という状況になると、まあ年間50〜60登板は避けられません。

 50登板を超えるのはまあいいとしても、年間60登板まで行ったら来季が少し不安になります。

 各投手の登板数、球数などを調整する時、個人的にはもう1〜2人中継ぎがいてほしい。でもそんな枠はない…。

 それに話を戻しますが、二軍先発枠の登板機会はどうするのかという話ですね。先発がKOされた時にロングリリーフをさせるにしても、3イニングくらい投げたら中2日くらいは空けないといけない。投げたタイミングで他の投手と入れ替えるにしても、逆にそもそも出番のないまま落ちる可能性だってある。

 上がってきた後、何試合一軍の帯同チャンスを与えるのかという話ですよ。

 ここらへん非常に難しいような気がしてて、どうやって舵取りするのだろうかと去年からずっと考えておりました。中継ぎ枠を増やしたい、二軍先発枠の一軍日数も確保してほしい…。 

そこで考えたのが、先発3+5人制であります!

 +5ってなんだよと思う方もいるかもわかりません(笑)+5とは、言ってしまえば競争枠の事ですね。

 まず先発のランクを4つに分けます。

ローテ確約
戸郷、山崎伊、グリフィン(3人)

併用ローテ
メンデス、赤星、横川、高橋礼(4人)

第2先発
西館、森田、松井、京本、井上、直江、高橋優、又木、堀田(9人)

特別枠
菅野(1人)

 戸郷翔征投手、山崎伊織投手、フォスター・グリフィン投手はいずれも昨季100イニング以上投げた投手です。

 この3人は去年年間通して安定したピッチングを見せてくれましたし、中6日で年間投げてほしい投手です。

 ヨアンダー・メンデス投手、赤星優志投手、横川凱投手、菅野智之投手は50イニング以上投げた投手。怪我や不振で年間ローテとは行かないまでも、一軍で投げさせるに値する投手。

 高橋礼投手は3年間苦汁を舐めておりますが2019年には143イニングを投げており、阿部監督の要望で獲得したという話もあります。新戦力ですし、使っていくのは間違いないでしょう。

 この5人のうち3人しか使えないというのももったいないですし、組み込んだとしても年間通しての活躍は未知数。個人的には去年の後半戦良かった赤星投手には大きな期待を寄せてますが、そんな彼も数字で観れば後半戦6登板しかしてないんですよね。

 例えば戸郷投手を金曜、グリフィン投手を土曜、山崎伊投手を火曜に投げさせるとしたら、他の5投手を水曜、木曜、日曜で回したい。

 じゃあそれで回したらどんなメリットがあるの?という話じゃないですか。 

 5人を水曜、木曜、日曜枠でローテすると、必然的にみんな中10以上空くんですよ!

 前半の試合と照らし合わせたローテを実際に仮ですが作ってみました。 

先発(戸郷、山崎伊、グリフィン、赤星、メンデス、横川、高橋礼、菅野の場合)

火水木金土日月
   戸グ礼
伊赤メ戸グ菅
伊 横戸グ礼
伊赤メ戸グ菅
伊横礼戸グ赤メ
伊菅 戸グ横礼
伊赤 戸グメ
伊菅 戸グ横
伊礼 戸グ赤
伊メ菅戸グ横
伊礼赤戸グメ
伊菅横戸グ礼
   戸グ赤
伊 メ戸グ菅
伊横 戸グ礼
伊赤 戸グメ菅
伊横 戸グ?

  これ作ってる時めちゃくちゃ楽しかった(笑)

  こうすると、5月の9連戦以外は一軍の先発枠を4でいけます!ひたすら投げ抹消すればいいわけですからね。そうする事で中継ぎ枠を2は増やせる

 同時に、併用ローテの登板数を前半戦で最大8試合確保する事ができる。去年後半戦の赤星投手の登板数より2回も多い数字です。

 この5人でローテ争いをし、勝ち残った2人くらいを後半戦ローテに組み込む。余った1枠はまだ競争枠、というよりは戦略上空けておいて、2人くらいにチャンスをあげる。この時のチャンスは前半戦の5人に与えるかはまだわかりませんが。

 毎登板平均6イニングくらい投げれたとすると、前半戦48イニングは投げれますね。で固定ローテのチャンスを掴めば後半戦10登板くらいはできますので、100イニング超える事も十分に可能。

 もちろんよほどよかったら前半戦途中から固定ローテに組み込んで回したら良いので、来年戸郷投手や山崎伊投手と並んで開幕ローテ入りする事ができるかもしれません。

 この3+5人制のメリットについては他にもありますが、少し置いておくとして。

 では、二軍先発枠の9人についてはどうするのかという話に移っていきましょう。

②二軍先発枠&中継ぎ枠の運用考察

 先ほども触れましたが、阿部監督は「二軍先発にいきなり一軍の先発チャンスは与えない」と仰っていました。

 という事は普通にやれば僕が予想した二軍先発陣9人(西館、森田、松井、京本、井上、直江、高橋優、又木、堀田)のチャンスは大分厳しいものになりそうですが、ちょっと発想を変えてみました。 

 二軍先発枠もローテすればいいんじゃないか?

 どういう事かと申しますと。

 先ほど書いたように先発枠を4に縮めれば、中継ぎ枠が11まで増えます。ゴールデンウィークには一時的に9まで減りますが、それでもほとんどの期間で余裕のある編成をする事ができます。

 まず中継ぎ枠に9宛てがい、二軍先発枠を2に増やします。2に増やせば常に片方をベンチ入りさせ、ロングリリーフさせた翌日にはもう片方をベンチ入りさせれば良い。そうすればロングリリーフ→翌日抹消などしなくても、ある程度余裕を持った運用をする事ができると。

 常に9人のうち2人を一軍に帯同させ、二軍では残りの7人+併用ローテ投手(菅野以外)で登板感覚が空きすぎてしまう投手+谷間で回す。こちらも二軍日程(一軍開幕日〜前半戦終了まで)と照らし合わせてみたのでご覧ください。

サバイバル昇格制(2枠)
ローテ投手
西館、森田、松井、井上、直江、高橋優、堀田、又木、京本
谷間ローテ
代木、山田、石田、三浦他育成

開幕時西館森田一軍の場合
3カードずつ
一軍にいる投手の先発日は谷間が登板

火水木金土日月
    松井
直優横堀又礼←㈪西舘森田降格
京赤直優メ堀←㈫松井井上昇格
西森横 又京←㈮松井井上降格、㈮直江優貴昇格
   西松井森←㈪直江優貴降格
京谷 西谷メ直←㈫堀田又木昇格
優  森松横←㈮堀田又木降格、㈮京本西舘昇格
礼赤井堀又メ←㈪京本西舘降格
    直横←㈫森田松井昇格
優礼堀京西又←㈮森田松井降格、㈮井上直江昇格
 谷谷森松京←㈪井上直江降格
西井直 赤メ←㈫優貴堀田昇格
   森松礼←㈮優貴堀田降格、㈮又木京本昇格
横井直優堀礼←㈪又木京本降格
赤松井メ又京←㈫西舘森田昇格(変動あり)
直横優 堀礼又
京谷

 二軍戦の場合は少しの雨でも中止になったりするので、この通り行かないとは思いますが。

 まず仮に西舘投手、森田投手が開幕一軍入りするとします。彼らを3カード分帯同させた後、予定通り落とします。そうしたら次のカードから松井投手、井上投手を昇格させ、やはり3カード帯同させる。

 これを2セット繰り返します。

 1セット目終了後に併用ローテ枠との入れ替えを行ってもいいですし、基本的には9人に2度チャレンジの機会を与えます。この中にいる京本投手はまだ育成ですが去年二軍で76イニング投げており、支配下候補の筆頭として挙げられるなど大きな期待をかけられている投手。十分に力はあるだろうと判断して勝手に昇格させました(笑)


京本眞投手

 そしてこの9人を投げさせてみて、適性がありそうなら中継ぎに転向させるという手もありますよね。

 例えば共に高卒5年目の井上投手、堀田投手なんかは中継ぎでもいいのではないかと思ってます。井上投手は去年二軍ではまさに無双といっていい状態で沢村賞クラスのピッチングをしていましたが、一軍では球種の少なさか癖があるのか打ち込まれるケースが多かった投手です。


井上温大投手
堀田賢慎投手

 個人的にですが、この2人を中継ぎでも戦力化できたら凄いと思うんです。2人ともストレートのパワーはありますし、1イニングなら相手をねじ伏せられる力も付けてきた。

 中継ぎですが、例えば勝ちパターンを前半戦2パターン用意するとします。

①7回菊地→8回中川→9回大勢
②7回ケラー→8回バルドナード→9回大勢

 ここに同点〜負け試合中継ぎ4枠を他の投手で争わせる算段ですが、ここに夏場あたりから井上、堀田両投手を投入してもいいのかなと。

中継ぎ一軍候補(ビハインド、4点差以上リード時。ローテで回す)

一軍第1候補
畠、高梨、船迫、泉、近藤、馬場

第2候補
今村、鈴木康、田中千、平内、大江、ソリアーノ、ラモス

 前半戦はまあこうで、例えば第1候補の6人(畠、高梨、船迫、泉、近藤、馬場)の中から勝ちパターンの代役になれる投手を探していってもいいと思うんですね。例えば大勢投手が2連投したら翌日に代役守護神をしてもらったり。

 ただまあファンの方には申し訳ありませんが、この6人の投手は戦力には絶対なると思いますが、勝ちパターンまで行けるかというとちょっと微妙かなと。去年までの鍵谷陽平投手のような便利屋ポジションでやってもらうのが良い気がするんです。

 そこで井上、堀田投手を後半戦あたりから中継ぎに転向させて、勝ちパターンをもう一個作るくらいまでやってもいいのかなと。もちろん2人が先発で成功するならそれに越した事はありませんが、もう二軍で余らせとく戦力でもないので、戦力化は絶対にしてほしいですね。

③後半戦は5〜7+6〜7+2〜3制にしてほしい

 ここまで読んでいただいたらなんとなく意図を理解していただけていると思いますが、僕がこうしてほしいと思ったのは投手にできるだけチャンスを与えてほしいからです

 去年まで巨人の投手陣は崩壊していると言われました。しかし僕は質という面では悪くなかったと思うんです。どちらかといえば当時の原辰徳監督の使い方に問題があったという認識ですね。

 そして今年は8人もの投手を補強。投手陣を根本から変えようという思惑が汲み取れます。ならば前半戦は去年までのように目先の勝利にこだわって選手を潰すような真似はせず、計画性を持ってできるだけ多くの投手にチャンスを与えて欲しい。

 当然実力が追いついてない投手には与える必要はありませんが、僕は今のチームの中には、明らかに実力が劣っているような投手はほとんどいないと思ってます。例えば中継ぎにしても勝ちパターンに指定した5人と同点〜ビハインドの第1候補に指定した6人は一軍でも十分に力を発揮してくれると思いますし、第2候補の投手も状態が良ければ短期間なら実力を発揮できると思ってます。

 先発にしても二軍先発枠にしても同じで、実力のある投手達だと思っているので、その投手達にチャンスを与えてあげてほしい。そしてそれを後半戦に繋げてほしいのです。

 例えば後半戦が始まったらローテを3+5人制から5+2人制に絞ります。菅野投手は今年35歳なので後半戦も中10日ローテで行ってもらって、もう1人は二軍先発枠から出てきてほしい。

 こうすると何が良いのかというと対戦相手によって投手を動かす事ができるんですね。例えば後半戦の日程を貼りますが。




 例えば阪神戦は週頭に2回連続で試合した後、8月末には週末カードになる。この時に阪神が得意な先発、または苦手な先発がいたら前週のローテをずらし、代わりに菅野やもう1人の谷間を当てはめる。

 固定ローテではない浮きが常に2人いれば、相手の嫌がるようなローテの組み方も可能というわけです。

 その為に菅野投手にはジョーカー的な役割をしてもらいたいなと。

菅野智之投手

 そして先発枠が5〜6で変動するので、中継ぎ枠を6〜7に。ここを勝ちパターンと、勝ち試合でも投げれる投手で固めたい。そして余った2〜3枠を他の投手に。負け試合を担当してもらうと。

 前半戦に1人でも多くの投手を戦力化して後半戦勝負をかけられるようにしておけば、野手はまた別ですがあまり大型連敗しないようにはできると思いますし、有利に戦えるんじゃないかと思うんですよね。

 無論これはあくまで僕の考えですし、杉内・内海コーチはプロフェッショナルですから、もっと良い戦略を練ってくれてるかもしれません。

 2人とも40代前半の若いコーチですし、他球団でプレーした経験もあります。きっと良い運用を見せてくれると思いますし、期待しております!

 まずはキャンプをしっかり見守って、どのような指導をするのか楽しみにしましょう。

 それでは長くなりましたがここで終わります。最後まで読んでいただきありがとうございました〜!

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