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うんのよさ。

昨日に続いてドラクエの話になるけれど、ドラクエの勇者たちには「つよさ」「かしこさ」「すばやさ」といったパラメータが割り振られていて、その中に「うんのよさ」というよくわからないものが混じっていた。

「つよさ」や「かしこさ」は装備を変えることでぐんと上がったし、勇者たちが明らかに強くなるので気にしていたけれど、「うんのよさ」は高くても低くても冒険には影響しなさそうだったので、ほとんど気にしたことがなかった。

ところが、僕らの実人生において「うんのよさ」は極めて重要なパラメータだ。若い頃はドラクエと同じように、自力でなんとかできる「つよさ」や「かしこさ」の方が大事に思えていたけれど、この頃は「うんのよさ」の方がずっと大事じゃないかと思えている。

だって、どの国に生まれるかも、どんな家族に生まれるかも運だ。にもかかわらず、それらはその後の人生に決定的な影響を与える。いまこうして暮らしていることだって、多くの「うんのよさ」に支えられている。自力で成したことと「うんのよさ」で成されたことでは、比べものにならないほど後者の方が大きい。

「運の上げ方」なんて本もよく見かけるけれど、本当に運が自力で上げられるのかは分からない。でも、運は確かに存在していて、人生に多大なる影響を与えている。

「運がいいなあ」「得したなあ」

最近そんなふうにつぶやくことが多いのは、ちょっと運が悪ければ、こんなふうにゆかいに生きられなかっただろうなということがリアルに想像できるようになったからだ。幸運の女神の機嫌がちょっと悪かったら、僕がそうなっていたかもしれない、という道が脇に見えるから。

人が「ふつうに暮らしてる」というのは、もしかしたら見えない力のおかげで、とんでもない細道をすれすれで生きさせてもらえている状態かもしれない。にもかかわらず「あれが足りない、これが足りない」と不満や愚痴を言えるほど、人は生きていることに安心しきっているのかもしれない。

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