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餌釣りの効率の良さは異常

科学論文を釣り情報へ還元する第5回目の投稿です。

今回のテーマ:餌釣りにおける針の種類とサケマス類のへのダメージ

今回ご紹介するのは、下記の論文です。
DuBois, R. B., & Kuklinski, K. E. (2004). Effect of hook type on mortality, trauma, and capture efficiency of wild, stream-resident trout caught by active baitfishing. North American Journal of Fisheries Management, 24(2), 617-623.

前回の研究に引き続き、針の種類に関する論文です。
ミミズを餌としてブルックトラウトとブラウントラウトを釣った場合の魚へのダメージ細かく分析し、フッキング率およびフッキング後にキャッチできた率(釣果効率)なども調べています。
前回はルアーで釣った場合の比較でしたが、今回は餌釣りに関する同様の報告になります。
いわゆる「タイトラインフィッシング」と言われる釣り方で、ボ~と待つ餌釣りではなく、ラインをタイトに張った状態で魚のアタックがあった場合に即アワセ(フッキング)する釣りで調査しています。バーブ(反しあり)とバーブレス(反しなし)の比較ですが、すべてシングルフックを採用しています。

結論を一言でまとめると、
釣り針に掛かけたブラウントラウト、ブルックトラウトに対して、釣り針の種類によってダメージは変わらないといことでした。
(両種のマスも釣られた後72時間の死亡率は2~7%)
ただし、深くフッキングした場合、バーブ(反しあり)フックの場合死亡率が高まることが確認されました。

フッキング部位と死亡率の関係は?

バーブでもバーブレスでも死亡率は変わらないというのは、前回のスピナーを使ったルアーの研究結果と同様でした。
一方で、フッキングの深さによって死亡率は変化するようです。
釣り針が魚の体内へ深く食い込んでしまった場合(鰓や胃など)は、その死亡率はバーブレスで6%ほどでしたが、バーブでは30%近くにのぼります。
なお、基本的に糸を弛ませボ~と待つ餌釣り(スラックラインフィッシング)よりもタイトラインフィッシングの方が、釣り針が魚へ深く食い込む時間を短縮するそうで、
魚へのダメージは軽減されると言われています。
つまり、魚へのダメージを軽減するにはよりフッキングに注意する必要がある、ということでしょうか。

餌釣りの効率の良さたるや・・・・

魚をキャッチした後にフックを外すまでの時間は、バーブフックで22秒、バーブレスで20秒とほとんど差がなく、
フッキング率(魚のアタック回数当たりのフッキング回数)、釣果効率(魚のアタック回数当たりのキャッチした回数)にも
バーブとバーブレスで差がなかったようです。

注目すべきは、フッキング効率と釣果効率のルアーとの比較です。
前回のルアーの報告ではフッキング効率は最大でも50%前後でしたが、今回の餌釣りではフッキング効率は70%と断然結果が異なっています。
また、釣果効率もルアーでは20~30%だったのに対し、餌釣りでは60%前後という結果でした。
もちろん魚種や環境がルアーの場合と全く同じとは言えませんが、餌釣り(タイトラインフィッシング)でのフッキングは10回中7回成功するということだけでなく、
フッキング後の「バラシ」も少ない(15~20%)ということが言えるでしょう。


今回のお話も「まさに釣り情報」な科学論文でした。
餌釣りって本当に効率が良いんだなというのがよくわかりました。
死亡率もルアーの時と同様に意外と低いので、
釣りの醍醐味は色々あると思いますが、まず初心者には餌釣りが最適と言えるでしょう。


それでは、また次回お会いしましょう。

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