★SIFオリジナル★イスラエルで、私も考えた #こんな社会だったらいいな②

こんにちは。日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム(SIF)運営チームの佐治です。

常識を疑う、視点を変える。そうして生まれたアイデアを臆面もなくみんなが表明し、挑戦できる。そんな社会になったら、日本でもじゃんじゃんイノベーションが生まれるかもしれない。

我々の仕事を飛躍的に効率化してくれたUSBやZIP圧縮技術を開発し、CT検査やカプセル内視鏡などで医療にもイノベーションを起こし、ドローンの最大輸出国でもある。

そんな技術大国イスラエルをSIFにかかわる同僚たちと視察するという得難い機会を前に、私は「スタートアップ×イスラエル」「先進技術×イスラエル」「イスラエル発の技術」…などの検索ワードで情報を読み漁って日本を発った。

螺旋階段、上から見るか下から見るか。イスラエルの初代大統領であり化学者でもあるハイム・ヴァイツマンの家にて

<写真>螺旋階段、上から見るか下から見るか。イスラエルの初代大統領であり化学者でもあるハイム・ヴァイツマンの家にて

【先進的な技術大国の日常は、実は・・・】
実際、視察したスタートアップは、宇宙から地中の漏水をチェックする技術や、じっくり長期間にわたって効果が持続する薬など、先進的な技術を開発していた。

意外だったのは、そうした技術が街なかではあまり実感できないことだ。
第2の都市テルアビブの高級外資系ホテルが集まるビーチ沿いのエリアですら、舗装されていない道が多く、バスに乗ってもパスモのような便利な機能はないし、配達サービスもない。

最新技術を研究開発している国なのだから、少なくとも都市部は近未来的な環境にあるんだろうと思い込んでいた私にとって、視察の1週間は事前に詰め込んだ知識と実際の町のギャップに驚きながら、自分が先入観にとらわれていたんだなぁと気づかされる時間だった。

大学時代にはマスメディアによるマニピュレーション(情報操作)をテーマに、情報の受け取り手としてのメディアリテラシーについて偉そうに綴ったこともあったのに、自分が思考停止していたことを痛感した。

【イスラエルの強さは『KY』にあった!?】
そんな反省を覚えながらイスラエルの人たちがなぜ「スタートアップ大国」たり得たのかを考えてみると、私のように既存の考え方にとらわれていないのかもしれない、と思い至った。

常識を疑い、別の視点から考えてみる。そこで思いついたアイデアは、ニュースや新聞で何が伝えられていようと、前例がなかろうと関係なく表明し、誰かに忖度することなく、失敗を恐れずやってみる。

彼らは、良い意味で「KY」なのだ。会う人会う人、みんな自分の考えやアイデアを饒舌に語る。イスラエルの強さは、そういう一人ひとりの強さが結集したものなのではないか。

エコシステムという仕組みを持ち込むだけでは、きっと日本では機能しない。そのシステムの一端を担う個々人に、自ら考え、人を巻き込み、行動する力が必要となる。

SIFでは、参加した方々のアクションを応援できるようなセッションをつくっていこうと、改めてメンバー一同気を引き締めている。
#こんな社会だったらいいな

【ソーシャルイノベーションフォーラムとは】
「社会をよりよくしたい」、「日本の明るいビジョンを語りたい」という想いをもつ方々が共に対話し行動するための「ソーシャルイノベーションのハブ」として、日本財団が2016年より毎年開催しているフォーラム。官民学等のセクターを超えた豪華ゲストが登壇する基調講演や特別企画、参加型のセッション、次世代の社会起業家を輩出するソーシャルイノベーションアワードなど、多様なプログラムを提供し、これまでに延べ1万人の方々が参加しています。2019年度は、11月29日(金)~12月1日(日)に東京国際フォーラムにて開催予定です。
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