★SIFオリジナル★イスラエルで、私も考えた #こんな社会だったらいいな⑥

こんにちは。日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム(SIF)運営チームの岡です。イスラエルで様々な視察先を訪問した1週間、私の気づきをシェアします。

【イノベーションは、理系や技術屋だけのもの?】

強く印象付けられたのは、イスラエルの人々の「イノベーションは誰にだってできる」という姿勢でした。「イノベーション=技術革新」「イノベーションって、理系の、研究職の、なんだかすごい技術開発をしている人たちだからできるんでしょ?」イスラエルに行くまでは、そう感じていました。

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(写真)Anna Forte

視察先のひとつ、Anna Forte。ここは、歴史ある建造物の保存を目的として、古い建屋に改修工事を施し、多目的なスペースとして活用されていて、アートギャラリーや企業家・IT系の社員がブレストの場として使用したりと、地域の多様な人々に愛されています。

オーナーは、ロンドンで修行を積んだインテリアデザイナー。そんな彼女が「この建物の保存は、イノベーションの連続よ」と、とても楽しそうに、誇らしげに話してくれました。「古い建物を生き返らせ、多目的スペースとして新たに息を吹き込んだことは、いわゆる”テクノロジー”ではないけれど、既存のものの新しい組み合わせという点で”イノベーション”、革新的であるのよ。」と。

もともと建物の保存のみを目的に改修を行ったそうですが、結果的に若い世代が移り住むきっかけにもなっていて、街を活性化できているし、移住者が新しいコミュニティを形成するという副産物も得られたそうです。

【"イノベーション"が入り乱れるイスラエル人の価値観】

デザイナーが自分の強みを生かして、建物を再生し街を元気にすること。学生時代に行った他の惑星に水があるかどうかを探るNASAとの共同研究から、水道管からの水の漏洩を探知する技術を開発すること。グラフィックアートの学生が、心理学者の助けを借りながら不登校の子どもたちのためのゲームを開発すること。徴兵中に携わったミサイルにカメラを埋め込む技術開発から、カプセル型の胃カメラ開発に取り組むこと。

イスラエルでは、新しい視点から何かをつなぐことで、誰もが気軽にイノベーションカルチャーに参加していました。テック系でもそうでなくても関係なく、そんなこと気にも留めず。

超文系な私は、自分から”イノベーション”との間に壁を作って遠ざけていたみたい、よくも悪くも”イノベーション”がぐちゃぐちゃに入り乱れるイスラエル人の価値観の中で気づきました。好きなこと・得意なことを起点に、ちょっと見方を変えてみるだけで、イイんです。イノベーションなんて私には無理、そう思っている人は少なくないはず。テック系が注目されがちですが、社会を良くする方法はテクノロジーだけではない、と当たり前に思える風土ができたら、日本人はもっとイノベーションを身近に感じられるかもしれない。

私の得意なことで何が出来るだろう?この問いを忘れずにいたいです。

#こんな社会だったらいいな


【ソーシャルイノベーションフォーラムとは】
「社会をよりよくしたい」、「日本の明るいビジョンを語りたい」という想いをもつ方々が共に対話し行動するための「ソーシャルイノベーションのハブ」として、日本財団が2016年より毎年開催しているフォーラム。官民学等のセクターを超えた豪華ゲストが登壇する基調講演や特別企画、参加型の分科会、次世代の社会起業家を輩出するソーシャルイノベーションアワードなど、多様なプログラムを提供し、これまでに延べ1万人の方々が参加しています。2019年度は、11月29日(金)~12月1日(日)に東京国際フォーラムにて開催予定です。
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