★SIFオリジナル★イスラエルで、私も考えた #こんな社会だったらいいな⑤

こんにちは。日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム(SIF)運営チームの正木です。

「失敗に対するセーフティーネットがある社会っていいな」

スタートアップ大国として世界の注目の的となっているイスラエルでの視察を終え、日本が日本らしく、より挑戦することのできる国となる為にはどうすればいいのか考えてみた。

第二のシリコンバレーとも呼ばれるテル・アビブの風景

〈写真〉第二のシリコンバレーとも呼ばれるテル・アビブの風景

【失敗がプラスに?イスラエルで年800もスタートアップが誕生する理由】
今回視察で訪れたイスラエルでは約6,000のスタートアップ企業が存在しており、年間約800ものスタートアップ企業が誕生している。勿論、その分潰れている企業もあり、複数回の起業を経験している経営者も多い。

イスラエルでは失敗を恐れない文化があり、失敗に対しても、その失敗から何を学んだかが重視され、失敗は貴重な経験としてプラスに捉えられるのだ、ということをあるスタートアップの代表者から伺った。

日本で何か大きなチャレンジを行う時、例えば起業を考えた際、行動するにあたって最大の壁は失敗後の「恐怖」にあるのではないかと思う。失敗すれば周りからネガティブなイメージを持たれるんじゃないか、今まで自分が築いた地位を失ってしまうのではないか、自分の家族はどうなるんだろう、起業を考えてわくわく心踊るそんな時にも、ふと頭をよぎる瞬間がある様に思う。

「そんな物に頼っている様なやつは成功しない」という声も勿論あると思うが、起業に失敗した人を対象とした採用枠、これまでに起業を失敗している人の為の補助金制度、起業する前に所属していた企業への出戻り制度等、日本においては失敗が評価される風土を育んでいくだけでなく、失敗後のセーフティーネットを整えていくことも同時に必要なのではないかと考える。

【価値ある失敗を評価し、新たなチャンスを与えられる社会に】

私の友人にも起業経験者がおり、彼は大学卒業後にIT関係で起業、しかし約3年後にその会社はたたむ事となってしまった。起業当初から隣で彼の働きぶりを見ていた私は、一国一城の主としての彼の仕事に対する姿勢や活力にいつも驚かされていた。会社をたたんだ直後、彼とは連絡が取れなくなり、次に会ったのは彼が民間企業に転職をした後だった。当時の話を聞くと「失敗した人、という周りの目が怖かった。自分が再就職できるのかという不安もあり、欝気味になった事からできるだけ人と会うのを避けていた」という事だった。

挑戦する段階では多くの補助金等が存在している一方、失敗した時に手を差し伸べてくれる様な制度や仕組みはまだまだ少ない様に感じる。「価値ある失敗を見定めて評価し、新たなチャンスと機会を与えられる社会」になる事で、一歩が踏み出せないで悶々としている人々の背中を少しは押すことができるのではないか。

そんな社会の実現に向けてまずは自分にどんな挑戦ができるか、これから考えていきたい。
#こんな社会だったらいいな

【ソーシャルイノベーションフォーラムとは】
「社会をよりよくしたい」、「日本の明るいビジョンを語りたい」という想いをもつ方々が共に対話し行動するための「ソーシャルイノベーションのハブ」として、日本財団が2016年より毎年開催しているフォーラム。官民学等のセクターを超えた豪華ゲストが登壇する基調講演や特別企画、参加型の分科会、次世代の社会起業家を輩出するソーシャルイノベーションアワードなど、多様なプログラムを提供し、これまでに延べ1万人の方々が参加しています。2019年度は、11月29日(金)~12月1日(日)に東京国際フォーラムにて開催予定です。
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