この世界をどう生きたらいいのかわからなかった


物心ついた頃から、なんか人と違っていた。

なにかがズレていて、それはいまだにそうなのだけど、みんなが笑っている事の何が面白いのかわからなかったり、
逆に誰も笑わないような事でひとりで笑って変な感じになったり、小学校1年に入学してすぐの写生の時間に、みんなで近くの牧場に行って牛の絵を描いたのだけど、
描き上がった絵を教室の後ろに張り出された時、なんでみんなが私の絵を見て笑うのかわからなかった。

1学期の終了式が終わって、その絵を家に持って帰った時、父が言ったセリフでやっとその理由がわかった。 

「なんじゃこりゃ。人間の顔じゃないか。」



確かこんな感じの絵を描いた気がする
牛には目と鼻と口がらあったから、素直に私の知っている目と鼻と口を描いたのだった。

話し方や歩き方も特徴的だったらしい。
なので、周りの子供からしたら、からかいたくなる対象だったのだろう。

ロボットとか宇宙人とかよく言われたし、目が合っただけでぶたれたし、隣の席の男子なんぞは私の机によく鼻くそまでつけて来た。

そんな変わったキャラクターとしてこの世界に生まれたもんだから、特に学校に上がってからは、社会にうまく馴染めず虐められる事もあったし、

そんな中で自分を守るために、周りを見て周りを真似て、無理やり普通のフリをする事を学ぼうとした。
こういう時は「普通の人」はどういう顔をしてどういう受け答えをするだろう…
この事態に対して「普通の人」はどういう反応をしてなんて言うだろう…
人から「おはよう」と声をかけられただけで、いちいち↑このように考える。
もおたいへん。

自分は変わっていて恥ずかしいから、私の本性は決して表に出ないように…バレてはいけないと、必死に努力をしながら生きて来て、
(たぶんそれはうまく行っていなかったと思うけど)

大人になる頃には
もぉ、何が何だかわからなくなっていました。

何が何だかわからなくなっている、
ということすら、わからない程に。

つづく


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