FCバルセロナのデータサイエンティストの経歴とスキルを調べてみた

最近「イノベーション」という言葉を、よく目にするようになりました。僕自身は、「イノベーション」という言葉が使われるようになった背景を、こう捉えています。

これまでの日本の企業は、欧米の企業が立ち上げた商品やサービスに改善を施し、より使いやすい商品やサービスを提供し続けた結果、世界中に商品やサービスを利用してもらえるようになりました。商品やサービス改善の過程で、ソニーの「ウォークマン」のように、全く新しい商品を作り出す企業も現れました。

ところが、21世紀になって、ユーザーが求める商品やサービスが多様化し、企業が長年研究してきた技術や知見を活かした商品やサービスを発表しても、ユーザーに受け入れられず、成果が出ないというケースが増えてきました。

そこで、新しい商品やサービスを開発するにあたって、何を求めているのか、人が集まる場を使って簡単なテストを行ったり、「新しいサービスを作りたい」「社会に貢献したい」という希望をもった人や、「自分の腕を試したい」という人が「ハッカソン」という場に集まり、新たなサービスや製品の種になるものを生み出そうとする取り組みが行われています。

そして、最近になって、スポーツの強みでもある「人が集まる」力を利用して、新しいサービスや製品を生み出そうという取り組みが、海外でも、日本でも、行われています。

サッカークラブとハッカソン

サッカーでの事例を挙げると、清水エスパルスがIBM SPORTSと共同で、ファンとの交流やパートナー企業との連携強化など、5つの領域でのアイディアを募集する取り組み『SHIMIZU S-PULSE INNOVATION Lab.』を実施すると発表しました。

『SHIMIZU S-PULSE INNOVATION Lab.』で募集するアイディアのテーマは、次の5つです。

1.スタジアムでの観戦体験(新しい顧客体験)
2.ファンとのエンゲージメント(ファン層拡大)
3.パートナーシップ(地元活性化)
4.サポーター360
5.ワイルドカード

IBMとしては、面白いアイディアや優秀なエンジニアといった人を集め、自社の新しいサービスや製品のヒントを見つける場として活用できますし、清水エスパルスとしては、サッカークラブが、企業と人とを結び付けられる場として活用できることを示すことで、新たなスポンサー企業を獲得するための提案をすることが出来ます。

海外でも、サッカークラブがハッカソンを行う事例は増えています。バイエルン・ミュンヘンは、2018年1月29日から2月2日の4日間にかけて、「FC Bayern Hackdays」というイベントを開催。世界中からエンジニア、起業家、学生を招き、新たなサービスを考える取り組みを行いました。

このイベントには、SAP、SIEMENS、adidas、DHLといった錚々たる企業が協賛し、新たなサービスを考え、創り出す場として、サッカークラブを活用しようという意図が伺えます。

先日行われた、MIT Sloan Sports Analytics Confrenceの報告会で、ユーフォリアの橋口さんが教えてくださったのですが、ハイパフォーマンススポーツの領域は、航空宇宙産業やモータースポーツなどと同じで「スピアヘッド」と呼ばれ、様々なリソースが投じられ、仮説検証が高速で進む「R&D」の苗床と言われているそうです。そして、スポーツで得た知見を生かして、一般産業や民生用テクノロジーへと転用されています。

(MIT Sloan Sports Analytics Conference 報告会より)

今後はスポーツという場を活用し、ビジネスの実証実験を行い、仮説検証した結果を、サービスに反映していく企業が増えていくと思いますし、今後スポーツクラブが、ビジネスの実証実験の場として、活用するメリットを上手く伝えられるかは、今後のクラブの繁栄を左右する重要なポイントではないかと思います。

そして、ハイパフォーマンスの領域で、仮説検証を行うために重要な役割を担うと思われるのが、データサイエンティストです。僕は以前「データサイエンティストやエンジニアにとって、いまのスポーツ業界はチャンスしかない」という記事を書きましたが、海外のサッカークラブは、データサイエンティストの採用を増やしています。

今回はFCバルセロナが、どのような経歴のデータサイエンティストを登用しているのか、紹介したいと思います。FCバルセロナにデータサイエンティストがいるかどうかは、LinkedInで調べました。

最近はLinkedInに経歴を掲載している人も多く、MIT Sloan Sports Analytics Confrenceに登壇されている人もいるので、調べようと思ったら調べられます。

FCバルセロナの年間予算は、2016-17シーズンで7億800万ユーロ(約915億円)と、日本のクラブとは桁違いです。ただ、FCバルセロナは、事業規模が大きくなったから、データサイエンティストを採用しているわけではありません。対戦相手に勝つために必要だから、データサイエンティストを採用しているのだと思います。

続きを読みたい方は、継続課金マガジン「勝ち負けだけじゃないスポーツの楽しみ方」を購読してください。この記事だけ読みたい方は、note単品での購読も可能です。ぜひ購読して頂けるとうれしいです。

(ただし、これから書く話は、西原の個人的な見解になりますので、所属している会社や広報活動をサポートしている日本スポーツアナリスト協会の見解ではありませんので、ご了承ください。)

この続きをみるには

この続き:1,653文字
記事を購入する

FCバルセロナのデータサイエンティストの経歴とスキルを調べてみた

西原雄一

280円

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

サポートと激励や感想メッセージありがとうございます! いただいたサポートは移動費や機材補強などにありがたく遣わせていただきます!!

失敗とはトライしないこと
3

西原雄一

勝ち負けだけじゃないスポーツの楽しみ方

勝ったら嬉しい、負けたら悔しい。それがスポーツの楽しみ方の原点だと思う一方で、スポーツの楽しみは勝ち負けだけじゃないはずだ。勝ち負けだけじゃない、スポーツの楽しみ方とは何か。
1つのマガジンに含まれています