2018年J1第29節 鹿島アントラーズ対川崎フロンターレ レビュー「嬉しさと寂しさ」

2018年J1第29節、鹿島アントラーズ対川崎フロンターレは0-0の引き分けでした。

この記事の全文は有料でご覧頂けます。僕が発行している有料購読マガジン「勝ち負けだけじゃないスポーツの楽しみ方」を購読している人も全文読むことができます。およそ毎週2本以上のペースで更新しているので、毎週読んでくださる人には、有料購読マガジンの購読をおすすめしています。

今回は以下のようなテーマで書いています。「1と2」は無料でどなたでも読むことができます。有料のエリアでは、無料では公開できないような際どいことも書いています。

1.鹿島が得意な「マインド・ゲーム」に乗らないこと
2.守備時に「4-5-1」を採用した意図
3.
PKは次も小林が蹴ればよい
4.チームに手堅さを植え付けた奈良と阿部
5.中村が全てを仕切る必要がなくなった嬉しさと寂しさ

鹿島が得意な「マインド・ゲーム」に乗らないこと

この試合のプレビューで、僕はこんなことを書きました。

サンフレッチェ広島が敗れたので、川崎フロンターレとしては引き分けでもOKな試合です。もし同点で残り5分という局面であれば、無理せずに試合を終わらせてもよい試合です。状況によっては「わざと」ボールを渡してもよいのです。
(中略)
相手は残り試合を全勝しなければならない立場で、川崎フロンターレはそうではありません。優位な立場を活かして、上手く試合をコントロールしてもよいのです。同点で残り5分という時間だと、リスクを犯して攻撃を仕掛けてくるのは鹿島アントラーズです。

なぜ、こんなことを書いたかというと、鹿島アントラーズというチームが「マインド・ゲーム」を仕掛けてくるチームだからです。

マインド・ゲームとは、試合中に相手を威嚇、挑発することで、相手の心理や判断を乱し、相手に対して優位な立場に立とうとする行為のことです。鹿島アントラーズは、マインド・ゲームを仕掛けるのが上手く、特にリーグの終盤戦、トーナメント戦では大きな効果を発揮します。この試合でも、ファウルのあとに小競り合いを仕掛けたり、必要以上にコンタクトしてきた場面がありましたが、あれはマインド・ゲームなのです。

ただ、マインド・ゲームは、自分たちが優位な立場に立ち続ければ、効果はありません。自分たちが優位な立場であることを自覚し、コントロールできれば、相手のやっていることは全て徒労に終わります。

試合前に書きましたが、鹿島アントラーズとは勝ち点11離れています。絶対に勝たなければならない試合なのは鹿島アントラーズであって、川崎フロンターレではない。優位な立場にいるのは川崎フロンターレだということを自覚していれば、試合展開に応じたプレーができるのではないか。そう考えましたし、サポーターの方が事前に読めば、試合終盤に無理して勝ちにいくような雰囲気を作ることなく、冷静に試合を見てくれるのではないか。そう思ったのです。

守備時に「4-5-1」を採用した意図

全てが予想通りだったわけではありませんが、試合終盤の展開は予想通りでした。

前半は川崎フロンターレがボールを保持します。これも予想通りでした。鹿島アントラーズは、ボールを相手にわざと持たせ、相手からボールを奪い、攻撃を仕掛けてきたときに空けたスペースを活用して攻撃を仕掛けてきます。特に中央のMFのレオ・シルバ、三竿のところでボールを奪いたいという意図が読み取れ、レオ・シルバは中央のMFに対して、しつこいくらいボールを奪うアクションを繰り返してきました。

川崎フロンターレのMFは、多くの時間で右から守田、大島、中村と並びました。3人はポジションを入れ替わりながらプレーしていましたが、普段は中央でプレーすることが多い守田が右でプレーすることが多かったのは、守田が怪我から復帰したばかりということもありますが、大島を中央でプレーさせることで、レオ・シルバがボールを奪いにきても、ボールを奪われるリスクを最小限にしようという意図があったのだと思います。

前半は鹿島アントラーズの左サイド、川崎フロンターレの右サイドで、鹿島アントラーズの守備が機能しておらず、安部と山本が川崎フロンターレの阿部が中央に入る動きにつられて、何度もエウシーニョをフリーにしてしまいます。右から仕掛けた攻撃で得点ができればよかったのですが、試合当日は気温29.1℃と10月とは思えないほど暑く、等々力に比べたらボールも動かないグラウンドなので、無理はできません。これで良かったと思います。

なお、川崎フロンターレは守備時に「4-5-1」というフォーメーションを採用していました。「4-5-1」というフォーメーションを採用したのは、第24節のベガルタ仙台戦以来です。ただ、あの試合とは意図が違いました。

ベガルタ仙台の両サイドのからの攻撃と、中央でのパス交換を防ぐために採用した「4-5-1」ですが、この試合で採用した理由は、鹿島アントラーズがロングパスを活用して攻撃を仕掛けてくるので、中村をFWではなくMFの位置に留めることで、ロングパスのこぼれ球を拾いたかったのだと思います。

そして、この試合は暑すぎて、ボールを積極的に奪いにいったら、90分もたなかったと思います。この作戦は効果的でした。

後半に入ると、守備で機能していなかった安部を58分に土居に代えたことで、左サイドの守備が安定し、次第に鹿島アントラーズが攻撃する時間が増えていきます。ただ、鹿島アントラーズは相手が空けたスペースを利用して攻撃するのは上手いチームですが、相手がスペースを塞いできた時にこじ開る方法をいくつも持っているチームではありません。気をつけるのはセットプレーくらいです。

川崎フロンターレも知念を入れて4-4-2に変更し、FWのラインでボールを受ける選手を増やし、相手の攻撃を押し返し、連続したセットプレーもきちんと抑え、最低限の勝ち点1をもぎ取ることに成功しました。

PKは次も小林が蹴ればよい

この続きをみるには

この続き:2,642文字
この記事が含まれているマガジンを購入する
Jリーグ2連覇を飾った、川崎フロンターレの2018年シーズンのレビュー記事をまとめて読むことができます。まとめて読みたい方におすすめです。

Jリーグ2連覇を飾った、川崎フロンターレの2018年シーズンのレビュー記事をまとめて読むことができます。まとめて読みたい方におすすめです。

または、記事単体で購入する

2018年J1第29節 鹿島アントラーズ対川崎フロンターレ レビュー「嬉しさと寂しさ」

西原雄一

300円

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

サポートと激励や感想メッセージありがとうございます! いただいたサポートは移動費や機材補強などにありがたく遣わせていただきます!!

問題が起こったら改善していけばいい。
13

西原雄一

勝ち負けだけじゃないスポーツの楽しみ方

勝ったら嬉しい、負けたら悔しい。それがスポーツの楽しみ方の原点だと思う一方で、スポーツの楽しみは勝ち負けだけじゃないはずだ。勝ち負けだけじゃない、スポーツの楽しみ方とは何か。
2つのマガジンに含まれています