リーガ・エスパニョーラ 2018-19シーズン 第27節 レバンテ対ビジャレアル レビュー「リーガで最も上質なサッカーをしているのはレバンテ」

リーガ・エスパニョーラ 2018-19シーズン 第27節 レバンテ対ビジャレアルは、0-2でビジャレアルが勝ちました。

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リーガ・エスパニョーラで最も印象に残ったチームはレバンテ

僕は2018-19シーズンから、ビジャレアルというチームのレビューを書き始めたことで、リーガ・エスパニョーラの試合を観るようになりました。ビジャレアルの試合を観ていて、対戦相手で最も印象に残ったチームがレバンテでした。

FCバルセロナでも、レアル・マドリーでも、アトレティコ・マドリーでも、footballistaでよく取り上げられているレアル・ベティスでもなく、レバンテです。第11節に披露したレバンテのプレーは、僕にとって衝撃でした。

なぜ、レバンテのサッカーがすごいのか。それは、プレーしている選手の質以上にチームで披露されるプレーの質が高いと感じるからです。他のチームは、だいたい選手の質にチームの質が比例し、アトレティコ・マドリーやレアル・ベティスのように上回っているように見えるチームの方が稀ですが、レバンテは選手の力を最大限引き出した上で、チームとして機能するサッカーを披露しているように感じたからです。

レバンテのサッカーを改めて

レバンテのサッカーについては、第11節のレビューでも解説したのですが、改めてここでおさらいします。

レバンテは「3-5-2」というチームオーガニゼーションを採用しています。「3-5-2」というチームオーガニゼーションは、採用するチームが少ない時期もあったのですが、ドイツ・ブンデスリーガのTSGホッフェンハイムが採用してから、採用するチームが増えつつあります。

「3-5-2」のチームオーガニゼーションのメリットは、「ウイングバック」と呼ばれるサイドの選手を活用することで、自陣でも、敵陣でも、数的優位を作りやすいこと。そして、直線的にゴールが狙いやすいことです。

以下は「3-5-2」というチームオーガニゼーションに選手を並べたときの図です。

薄く書いた図の形が矢印のような形をしているの分かるかと思います。サイドからも、中央からも、FWに対してロングパスが出しやすいチームオーガニゼーションなのです。

このチームオーガニゼーションを再び注目させたTSGホッフェンハイムのユリアン・ナーゲルスマンは、サイドからも、中央からも、ロングパスが出しやすいという特性をよく知っています。レバンテの戦い方もTSGホッフェンハイムの戦い方に近いと感じました。

ただ、レバンテとTSGホッフェンハイムでは、圧倒的にTSGホッフェンハイムの方が選手の質は上です。でも、レバンテは、TSGホッフェンハイムと同じような機能性を披露してみせます。選手の質の差を、チームの連動性の質で補っているのです。

レバンテとビジャレアルの意外な関係

レバンテのサッカーを観たとき、この監督はただ者じゃないぞと思いました。

レバンテの監督を務めるのはパコ・ロペス。日本ではほとんど知られていませんが、この監督はすごいです。就任から22試合で挙げた勝ち点42を上回ったチームは、FCバルセロナのみ。このデータだけでも、パコ・ロペスの凄さが分かります。27節時点では15位と順位を落としていますが、僕の中で評価が変わるわけではありません。

実は2018年12月にビジャレアルの佐伯さんにお会いしたとき、「一番印象に残ったチームはレバンテ」だと伝えると、こんなことを教えてくれました。

佐伯さんによると、パコ・ロペス監督は元々ビジャレアルのサテライトチームで監督を務めていたのだそうです。そして、パコ・ロペスと共にレバンテを支えているセルジオ・ナバーロというスタッフは、元々ビジャレアルのヘッドオブコーチングを務め、ビジャレアルのメソッドを改革した人だそうで、2人ともビジャレアルと縁が深い人物だったのです。僕が共感したのも合点がいきました。

僕は2019年中にビジャレアルに行きたいと思っているのですが、もしパコ・ロペスが来シーズンも監督を務めるなら、レバンテの練習や試合も観てみたいと思ってます。あれだけ質の高いサッカーが、どうやったら披露されるのか。その理由が知りたいのです。

だからこそ、この試合はリーグ後半戦で最も楽しみにしていた試合でもありました。そして、予想通りとてもエキサイティングな試合になりました。

レバンテのサッカーに上手く対応したビジャレアル

試合序盤はレバンテが優勢に試合をすすめます。レバンテのDF3人と中央のMFの4人でパスを交換しつつ、ビジャレアルの選手が食いついたら、他の選手がパスコースに顔を出し、相手陣内にボールを運んでいきます。ビジャレアルは中央のMFにイボーラをマーカーとしてつけていたのですが、他の選手への対応が上手くいかず、狙い通りにボールを奪うことはできませんでした。

ビジャレアルが修正したのは、後半15分にFWのジェラール・モレノに代わってチャックエズを入れ、チームオーガニゼーションを試合開始時の3-5-2から3-6-1に変更したことがきっかけです。レバンテの3人のDFに対して、カソルラ、エカンビ、チャックエズの3人が対応するようになってから、徐々にレバンテ陣内でプレーできるようになりました。

この選手交代は、試合開始前から準備していた交代だと思います。レバンテの欠点は、選手同士の連携が求められるサッカーをしているがゆえに、時間が経つと少しずつ質が落ちていくのです。あと中央のMFを務めるホセ・カンパーニャがキーマンなので、彼にボールを渡さないようにイボーラをマークさせていたのですが、マークを振り切ろうとカンパーニャがプレーしていたのも、時間が経つにつれてボディーブローのように効いてきました。

そして、ビジャレアルはこの試合は中2日で迎えた試合でした。ゼニト・サンクトペテルブルクとのアウェーゲームから中2日ということで、コンディションはとても厳しかったと思います。前半は耐えて、後半勝負と考えていても不思議ではありません。

チャックエズの後、フォルナルスを入れ、中央にイボーラとカソルラを並べてからのビジャレアルは、選手の質でレバンテを凌駕していきます。アディショナルタイムの2得点でビジャレアルが勝ちましたが、両チームの戦い方や試合中の対応など、とても見ごたえのある試合でした。レビューを書く前に3回も観てしまいました。

ビジャレアルはこの試合に勝ち、ようやく降格圏を脱出しました。3日後のUEFAヨーロッパリーグのゼニト・サンクトペテルブルク戦でも勝利しベスト8進出。ようやく混迷の時期を抜け、少しずつ光が差し込み始めているように感じます。

次節の対戦相手は、降格圏の19位に位置するラージョ・バジェカーノ。中2日で迎える試合ですが、必ず勝ちたい試合です。今のビジャレアルなら、ファンが期待する結果を残してくれそうな気がします。楽しみです。

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西原雄一

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西原雄一

プロ・スポーツレビュアー。note「勝ち負けだけじゃないスポーツの楽しみ方」で #川崎フロンターレ #ビジャレアル と #Bリーグ のレビュー連載中。趣味は愉快な人同士をつなぐこと。#coffee ☕好き。

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