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大雪の中、サメ母子の死を見つめる。

ここ2日ほど、隠岐・海士町は大雪でした。

とんでもなくふっております。

雪が降っていようと、なんだろうと、世話が必要なことはあります。
まぁ、家から近いので、とにかく様子を見にきたのですが、

残念な事に、サメが死産していました。

死んでうまれたホシザメの子供達。うーむ。

そもそもでいうと、
サメは卵を産む「卵生」と人間や哺乳類のように子供を妊娠してから生む「胎生」のものがいます。もう一つが、近年では専門的にいわなくなってきてますが、お腹の中で卵を育てる「卵胎生」のものもいます。

今回死産してしまったのは、最近、漁師さんよりいただいたホシザメの雌です。ホシザメはいわゆる「卵胎生」にあたります。
なので、母体内で子供は育つわけですが、母サメとへその緒がつながっているわけではなく、卵の中で最初からもっている卵黄を吸収して育ちます。

普段みれるものでもない気がするので、無駄にしない意味でも紹介します↓

卵黄。栄養を吸収しきって体を大きくしてから、母の体からでていく。妊娠期間は約10カ月。

サメの母体内における子供の成長はいろいろとバリエーションが多く、勉強してみると結構面白い分野でもあります。最近で有名な発見でいうと、ホホジロザメは妊娠初期は子供に子宮内でミルクを分泌して子供に食べさせることがわかっています。みんな写真のような卵黄吸収で育つわけではないんですね。サメの育ち方もいろいろです。

話をもどすと、残念なことに今日の朝までは母サメも生きていいたのですが、夕方に死亡してしまいました。

大雪や強風の影響で、普段使用している天然海水がかなり濁ってしまい、
補給しても、あまり水質の健全化に効果を発揮できず、水質の悪化を改善できずそのストレスで死んでしまったのかなというところです。無念。

子サメの全体。体長はおおよそですが20㎝程度。
死亡してしまった母サメ。足と比較すると体長は約70㎝ほど。肌が傷んでいる箇所があり、スレてしまっていた箇所があったかもしれないと考えさせられる。。

飼っている生物が死ぬと、一応僕も人間なので普通に落ち込んだり感情的になるのですが、一番よくないのが感情的になりすぎることですね。

感情的になりすぎると、重要な今後どうすればいいか?という分析の精度がブレていってしまうと思います。

落ち込むのも人間。しかし落ち込み過ぎて堕落するのも人間。切り替え大事です。

とにかく雪で結構作業が大変な状況ではあるのですが、一つサメの飼育で学びを得れたので水族館の設備改修計画にも反映していきたいとおもいます。

とりあえず「雪、早くおわってくれ・・・」と寒さに震えながら、
冬の海士で孤独に作業を頑張る毎日です。

ま、今のうちに生物を健康的に維持管理する設備やら作業手順やらが整理できていれば、春からの移動水族館が相当スムーズにできます。

例えはレべチですが、プロ野球選手のオフシーズンみたいなもんですね。
準備準備です。

作業している自分。寒い寒いと独り言を叫びながらやっている。

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