見るのに終わりがないので困るの

昔ね、ロスコルームを訪問したんだ。
ロスコってさ、どこ見てるのかわかんなくなるじゃん。なんか、曇り空を見てるようでさ。見れども見れどもわかんないっていう感覚。
あれってさ、最初はいいんだけどだんだん疲れてくるでしょ?
見終われないっていうか、私はいったい何を見ているんだっていう。

あのアメリカ人の若冲コレクターはさ、朝起きてさ、ご飯食べてからずっと一つの作品を見てたんだって。んで昼食べて、またずっと見て、夜食べてまたずっと見る。
これってさ終わりが来ないじゃん。
作品はさ作家の手を離れているわけですわ。それをさ見ても見ても終わりがない。
終わりに慣れているのでね、映画とかドラマ小説も終わるんです。でもね作品はさ、終わってから始まりなわけですよ。だから終わらない。
すんげ―やきもきするんです。
いつまでもみたいけどいつまでも見られない。体力的にも、精神的にも。
という感覚を誰か共有しませんか。

終わりに慣れた人間としてね、何か解決策があればいいのだけど。
ずっと楽しいからいいねん。となるほどこころが練れてないからしんどい。
アートしんどい。
しんどいよアート。

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