見出し画像

スリランカでホロスコープを見てもらう

スリランカのホロスコープはインドのヴェーダ占星術が由来のもので、古くからスリランカで根付いてきた学問・占いである。スリランカでは、お正月の日や結婚相手、子どもが生まれた時の名付けを占星術を使って決めるようで、現地の人々の生活に馴染んでいるそうだ。

私が最初にホロスコープについて知ったのはシンハラ語の先生からだった。授業中にひょんなことからスリランカの恋愛話についての話題になり、そこから現地の人は結婚相手をホロスコープで決めると知った。そんな面白いことあるのか!と思った私はスリランカに来て1度はホロスコープを見てみたいと思ったのだ。

ホロスコープを見れる場所を教えてもらう

しかし、現地の人に広く浸透していると言われているホロスコープだが、まれにインチキホロスコープをする人もいるらしい。確かに今までサリーを仕立てに行ったりする中で、地域に知られた良いお店や人は外部の人間は簡単にアクセスすることが難しい。恐らく、わざわざ広報をする必要もないぐらいにお客が毎日来るからなのかもしれないし、そこまでの商売っ気がない可能性だってある。
逆にGoogleマップで検索すれば出てくるようなお店や街中で張り紙をしているような所は大体相場よりも2倍ぐらい値段が高いか、現地人曰くボル(嘘)のお店であることが多い。

そのような経験則もあってか、今回はホストファミリーにホロスコープが見れる場所を教えてもらってから行こうと考えていた。しかし、満を持して自分のホストマザーに「この辺でホロスコープを見れる場所を知ってる?」と聞くと「私は知らない。ホロスコープを信じてないから」と言われた。ああ、スリランカでもそういうことってあるんだなぁと思いつつ、「よく家にくる○○ならホロスコープについて知っていると思う」と教えてくれた。
後日、家に来た彼女に自宅近辺でホロスコープを見ることのできる場所を教えてもらい、マハトゥマヤ(目上の人を尊敬する時に使う人称代名詞?的なもの)の電話番号を教えてもらった。

私は早速マハトゥマヤに電話を掛けて、ホ。スコープを見に行く日程を決めた。その時に自分の名前と生年月日、生まれた場所と生まれた時間を伝える。ちなみに私は生年月日が上手く伝えられなかったので、その後にWhat’s appで同じ情報を送った。

実際にお話しする

私は近所の人に書いてもらった地図を元に、マハトゥマヤの自宅兼仕事場のような場所に向かう。その家は普通の住宅街の中にあり、庭に果物もあるような長閑な時間が流れる良い場所だった。

最初にマハトゥマヤから事前に伝えた生年月日、生まれた時間、場所が正しいか確認される。それからホロスコープを見るためのPCソフトのようなものを一緒に見ながら話が進んでいく。今まで紙に書いたホロスコープを見てきたことはあったけど、最近は全部パソコンで出来るのだなぁと時代の進歩に感心してしまう。
その後、宗教について聞かれて、私が仏教と答えると、仏教の教えに沿った話の道筋となった。ピン(徳)とか仏陀とか。

そして、最初にホロスコープの世界観についての話が終わった後、いよいよ私についての話となった。マハトゥマヤは幾つか私についての特徴について述べた。

  • 沢山考える人、小さなことから考えを大きく出来る

  • 綺麗な場所(清潔というより、自然がいっぱいあるみたいな場所)が好き、そういう場所で仕事をしたい

  • 勉強するのが好き

  • 頑張って仕事をすることが好き

  • 怒ってもすぐ忘れる

それに対してマハトゥマヤは「オウダ?ネーダ?(Yesですか?Noですか?)」と聞いてきた。と言うのも、この特徴があまりにも当てはまらない場合は多少のホロスコープの調整が必要だからとのこと。とは言え、マハトゥマヤの言う私の特徴は殆ど当たっていたので「オウ」とばかり言っていた。

しかし、占いの話を聞くのは難易度が高く、開始30分ほどで両者ともGoogle翻訳を利用しながら話を進めた。特に、マハトゥマヤの話は難しい言葉も多いため、最終的にはマハトゥマヤの話を日本語に翻訳して、それを見て私はシンハラ語で答える、という方法に落ち着いていた。
とは言え、一外国人に対してここまで親切に接してくれるのは有難い。大体ここまで来ると面倒がられるのだが、色々ツールを活用したりして話をしてくれるのは本当に有難い。

話をするうちに、マハトゥマヤから「何か悩んでいることはない?」と聞かれた。そこで、最近ホームステイ先で色々起こったことに対して、自分自身がモヤモヤしていることを伝えた。すると彼は、「それは特に問題ではない。些細なことを考えすぎて大きな問題にしているだけ。」と言った。なるほど、それは確かに。
そこからマハトゥマヤは「とにかく考えすぎちゃダメ」と何度も私に言った。さらに「問題がある時に決断を下してはいけない」と助言を加えた。確かに無駄に行動力があるからこそ、問題がある時に決断を下してしまいがちである。

さらに、健康面・恋愛面・将来の話と色々しているうちに気付けば2時間が経っていた。近所の人からは1時間と話を聞いていたので、こんなに時間が超過してしまって大丈夫なのだろうか?と内心ソワソワしながらも話を聞く。しかし、マハトゥマヤが言うには私には特に大きな問題はないそうで、終始和やかにお話が出来た印象だった。

マハトゥマヤとの話で印象的だったのは「考えすぎないで」と何度も言われたことだ。2時間ほど話したうちの15回以上は言われているんじゃないか?と思うぐらい、とにかく「ゴダック カルパナーカランナ エパー」と言われた。

帰りのバスで、ふと今日のホロスコープについて考える。「ホストファミリーとの色々は些細なことであり、問題ではない」そうマハトゥマヤに言われた。確かにアルフォートなんて些細なことだし、それだけで怒ったり考え過ぎちゃうのは良くないのかもしれない…。些細なこと、些細なことだなぁ…としばし感じる。

いや、待て。些細なことか?あのアルフォート1個いくらすると思っているんや。1個120円や。スリランカルピーなら240ルピー。それを日本にいた時は日々やりくりしながら、どうしても甘いものが食べたかった時にだけ買って、「ああ、今日はアルフォート買ってしまったから、晩御飯は節約しよ」なんて思ってた、あのアルフォートなのよ!!!!
それを!!!なんの価値も知らない12歳の子どもにバリバリ食べられて!!!何が些細なことや!!!現地の人が何といおうと、これは私にとって大事なことなんや!!!うるせーーーーー!!!

と何かのタガが外れたかのように、ムクムクと感情が湧いてきた。
まぁ、されど占い、所詮占い。ホロスコープの結果がどうであれ、信じたいことは信じればいいし、自分の好きなことや感情を押し殺してまでホロスコープの結果を信じる必要はない。今まで通り、楽しく気楽に生きていけばスリランカ生活は少なくともホンダイである。

ホロスコープを見に行ったまとめ

値段:1500ルピー
時間:たぶん本当は1時間
感想:完全に現地スタイルでホロスコープを見たので、シンハラ語が分からない観光客は、通訳が必要だと思った。でも、マハトゥマヤは噂通りめちゃくちゃ良い人でした。


100円からサポートを受け付けております。こちらの記事が気に入った方は、サポートして頂けると幸いです。よろしくお願いします!