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滞在制作 6日目

今日は数日ぶりに外でお茶会をすることが出来た。しかし、午前中は風がとても強く、とてもお茶会を出来るような気分になれなかった。ひたすら看板として使用しているスケッチブックを抑えながら、自らも風に耐える時間が続いた。

外にコタツがあるという状況は変わりなく、車で前を通る人や前を通る人はコタツをジッと見ている。そんなコタツにいる私は風に耐える為に精神的にも無に近い状態だった。目はいわゆる半眼という状態だ。
そんな中、ワンボックスカーが前を通った時、運転席の人がコタツを二度見した後に、後部座席に座っていたであろう子ども達が窓に張り付くように見始めた。5〜6人の子どもたちであっただろうか?まるでジブリ映画で見たことがあるような光景であった。彼らもコタツに入ったほぼ目が開いていないの女性を見て相当シュールだったに違いない。

以前、雨の日に「寒いから風邪を引かないようにね〜」と声を掛けてくれたおばあちゃんに会った。今日のコタツを見て「前のより(暖かそうで)良いじゃない〜」と言ってくれた。
初日から挨拶したり、少し会話をしていたおじいちゃんは、ついに開口一番で「おはよう」と言われた。もうコタツやお茶会の事には触れなくなってきたのだ。彼らのの適応能力は相当高いように思える。

おばあちゃんやおじいちゃんと会話したり、前を走る車を運転している人達の反応をずっと見ていた。すると、とある車の窓が開き、そこから「何してるの?」と聞かれた。少し声を張って「お茶会をしてます〜!」と言うと、「また後で寄るわ〜」と言われた。

未だお茶を振る舞う事が出来ていなかった為。初めてのお客さんになるかもしれない、と少しワクワクした。30分ほど経過した後に、本当にさっき声を掛けてくれた人達が寄ってくれた。
作品について少し話した後、お茶を入れようか聞いた。結果として、彼らはラーメン屋さんで仕入れの道中だったらしく、あまり時間がない為、お茶を入れることは出来なかった。しかし、彼らは私の作品の話を聞いて、「うちでやったら良いよ!人はいっぱい来るし」と言ってもらった。

作品がさらに循環、拡散する!と思った私は、すぐさまガレージの管理人さんに連絡を取り、明日の上演を別の場所で行うことが可能か確認を取った。こちらもすぐに確認が取れた為、「うちでやったら良いよ!」と言われた約1時間後にはラーメン屋さんに電話をし、具体的な時間などを決め、明日はラーメン屋さんで上演する事が決まった。

ラーメン屋さんへの電話が終わった後、ジワジワと嬉しさや喜びが湧いてきた。家の前でコタツを出してお茶会をしていたら、ラーメン屋さんでお茶会を行うことになったのだ。こんなに面白いことはない!作品がめちゃくちゃ面白いことになってきた!

改めて考えると、この土地の人は本当に素直でフットワークが軽い人が多い。ゴミ収集車のお兄さん達は車から降りてすぐに「何してるんですか?」と声を掛けてくる。近所のおじいちゃん、おばあちゃんも同様だった。
むしろ街のほうが警戒心が強いのではないだろうか?きっと街で同じことをしていてもこんなに声を掛けられる事はないだろう。

午後には管理人のご友人が訪ねて来て頂いた。お子さんも一緒で、やっと初めてお客さんに紅茶を出すことが出来た。元々京都にいらっしゃった事もあり、話が弾んだ。一緒にいたお子さんは楽しそうでスケッチブックに皆の名前と誕生日、絵を書いてくれた。

今日は1日、外でお茶会を行った為、夕日を眺めながら紅茶を飲むことが出来た。ここの夕日はいつも綺麗だ。

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