見出し画像

滞在制作 1日目

昨晩は初めての滞在制作に不安と恐怖に襲われすぎて、ゼミ生とラーメンを食べながらつい、泣いてしまった。自ら、何やってんのかなぁ〜と思いながら、疲れのせいか夜はぐっすり寝ていた。

次の日、今回の滞在制作を紹介してくれたゼミ生の計らいもあって、一緒に滞在制作の場所に訪れた。埼玉県の熊谷市。初めての埼玉県だ。

画像1

埼玉県は映画の「翔んで埼玉」の映画の印象が強いまま、ここへ来てしまった。しかし、やはり現地に行くと、色々感じる事が出来る。東京のベットタウンだから意外と人がいる、ラグビーの街、戦争でかなり被害を受けた、とか。普段は関西に住んでいる為、歴史の流れなども異なり、それが新鮮で面白い。

関西は京の都が中心となって歴史が動いていた為、遺跡も古いものなら飛鳥〜平安から江戸時代まである。しかし、関東では京都から距離があった事もあり、鎌倉時代や江戸時代など、政治の中心が東京や鎌倉に移った時の遺跡の方が目立った印象だった。さらに、熊谷の観光案内所では熊谷駅周辺の地図をもらう。そこには、戦時中に空襲で焼けてしまったエリアなどが記載されており、この土地の歴史について考えさせられたと同時に、自らが住んでいた土地はどうだったのか?調べてみようと思った。

熊谷駅に到着したのがお昼頃だった事もあり、観光案内所で教えてもらったうどん屋さんに行った。

画像2

星川うどん、と言ってすごく平べったいうどんを食べた。少し寒かった事もあり、暖かいうどんが身に染みた。
お会計をした後、その店にウーパールーパーがいる事を発見した。小さな容器に入って販売もされており、その中で動く彼らはとても可愛らしかった。

うどん屋さんを出た後、熊谷の街を散策した。滞在制作でお世話になる人から、オススメのコーヒー屋さんを教えてもらった為、そこで少し一服した。
一般的なコーヒーは深入りが多いがそのお店では浅煎りのコーヒーが多く、スッキリとしていて、とてもフルーティーな印象だった。普段は深入りのガツンとしたコーヒーばかり飲んでいたので、浅煎りのコーヒーは新鮮でとても美味しかった。美味しくて滞在制作の帰りには、豆を買って帰ろうと考えるほどだ。

画像3

そろそろ現地に向かおうと思い、コーヒー屋さんのトイレを借りた時、ふとうどん屋さんにいたウーパールーパーを思い出した。可愛かったなぁ、と彼女達の様子を思い出していると、お迎えしたいという感情が芽生えた。

つい、一緒にいたゼミ生の人に「ウーパールーパー、お迎えしようかなぁ」と言うと爆笑された。それもそうだ、滞在制作に行ってウーパールーパーを連れて帰ってくる人なんて、そうそういない。
しかし、あまりにも可愛らしく、そこから暇さえあればウーパールーパーの飼い方について調べていた。飼育に必要なものは水槽、カルキを抜いた水、餌に水温計。両生類の為、水は1日でかなり汚れる為、1日1回は換水が必要らしい。

調べていくと、最低限必要なものは揃えることが出来る。しかし、ろ過器など細々したものを完璧に揃える事は自宅に帰ってからしか出来ない為、ここからは熊谷からいかにウーパールーパーを連れて帰るか、の議論になる。もし、ウーパールーパーを連れて帰る、となった時、在来線と新幹線に乗る必要があるからだ。
その容器もうどん屋さんにあった容器よりも大きめの容器を持参すれば、十分移動も可能だと思った。滞在制作の場所には自転車に乗れば、買い物するお店もある。あとは自宅で飼うために両親の了承を得るのみだ。

本当は滞在制作の現場に到着するために、あれこれ調べながらバスに乗ったりするはずなのだが、一緒に来てくれたゼミ生の人のお陰で、道中はウーパールーパーの飼い方ばかり調べていた。しかし、バスはどんどん山奥に近付く為、一人だったらすごくビビっていただろうと思う。そう思うと、彼女には感謝してもしきれない。

最寄りのバス停を降りて、滞在制作を行う場所に向かう。一山超える道のりであった。道中、なんとなく「近い」という距離感が全然違う事が分かり、何キロぐらいですか?とよく聞いた。私にとって「近い」とは、だいたい1キロ以内の事を指していたが、このあたりではだいたい5キロほどの距離感であった。

ついに、滞在制作を行う場所に到着した。「はじめまして〜」とお世話になる方に挨拶をしてお家に入れてもらう。
晩ごはんには豆乳鍋を頂いた。関西とは違い、うどんのコシがあってすごく美味しい。そこでは友人同士であるゼミ生の人とこれからお世話になる方との会話が繰り広げられる。いつもの私なら、互いの話をうんうん頷いて、黙々と食べることに専念してしまう。しかし、私はアーティストとしてここに来たのだ。そう思うと、沢山喋ろう!と思い、彼女達の輪の中に入った。

会話に入ると、「自立」という事について話をしたり、それも昨日まで受けていた授業の「眼差し」の観点から切り込んだりと、とても面白い時間だった。勇気を出して喋ってみて良かった、と感じたと同時に、こうして人は成長するのかもしれない、と思った。

夕食後、滞在する家などの説明を聞く。家の鍵として渡された鍵にはくまのプーさんの大きいキーホルダーが付いていた。さらに、そのプーさんのTシャツには、手縫いで「N」と縫ってあるのだ。

画像4

受け入れてくださる方のお母さまが縫ってくださったらしく、それを聞いた瞬間に、冗談ではあるが、もう簡単に名字を変えることは出来ないな、と思った。そのキーホルダーからすごく大きな想いが込もっているように感じたのだ。滞在制作が終わっても大事にしたい。

その後、滞在制作を行うにあたって企画のことについて話した。すると、驚くほどに話が早く進み、明日には準備して、明後日からどんどんやっていく方向で話がまとまった。すごいスピードで内容が決まった為、お互いビックリするほどだった。

明日からいよいよ本格始動である。
改めて、本当に良い人達に囲まれながら、支えられながら、制作できる事に本当に感謝したい。

100円からサポートを受け付けております。こちらの記事が気に入った方は、サポートして頂けると幸いです。よろしくお願いします!