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お弁当工場でアルバイト(1)

暖かくなり、GWには東京で展示を出来る機会が出来たものの、活動を広げようとすると、自ずと金銭的な問題が浮上する事もまた一つ。
日々どうしたものか、と考えつつも、ふとお金に囚われてはいけないと感じたり、いやお金は大事と、と思ったりの繰り返し。結論、楽しく生きれればそれで十分なのだが、そのバランスが難しい。

現在の職場はシフト制の為か、気付けば3連休が発生していた。しみじみと、3連休かぁ…とシフト表を見つめていた。そこで、ふと一日だけでも単発バイトを入れてみようと思ったのだ。
昨今のアルバイト市場は興味深く、単発アルバイト専用のサイトまであった。色々とサイトは見て回ったが、結局、そのサイトで3連休の日のアルバイトを探し、私は見事にお弁当工場で1日アルバイトをする事になった。私は学生の頃にアルバイトの派遣会社に登録しており、何度か単発バイトに行った事がある。しかし、それも4年以上前の話なので、久しぶりに緊張した。

アルバイト当日、事前に派遣会社の人から指定された場所に向かう。指定された場所に行くと、恐らく同じアルバイトをするであろう男の子がいた。時間になると点呼をする人が来る、と説明を受けていたが、来ない。そこで初めて男の子と話す。ひとまず派遣会社に電話すると、そのまま電話で点呼が完了し、工場に向かうバスに乗る場所まで案内された。事前に点呼を行う時間を鑑みての集合時間であるが、バスが来るまで約20分ほど時間があった。

その間、先ほどの男の子と会話をする。彼は春休み中の大学生。暇すぎてアルバイトをしようと思ったらしい。基本的には同級生達と遊びまくっているそうで、会話をしながらゴルフの素振りをしていた。
しかし、よくよく話を聞くと、遊ぶためのお金はアルバイトや競馬でしっかり稼いでいるらしく、「お金が無くなるまで遊ぶなんてことしないっすよ、だって後々しんどいじゃないですか」と少し低めのトーンで言った時は、すごくしっかりしている子なんだと感心した。
さらに、彼の話は続き、「3日間で3万使ったんですけど、その間に競馬で4万稼いだのでチャラになりました」と言ったと思えば、「親からは(彼の様子を見て)大学生がやるような遊びじゃない」と言われた、と話した。そんな話を聞きながら、きっと彼はそこそこ良い大学に入って、毎日遊んで楽しくて、それでいてちゃんと自分の事を管理出来て、多少要領が良いことを自覚しているからこそ、それを皆に見てほしいし、認めてほしいのかもしれない、と感じた。そんな青臭い学生らしい部分に可愛さを感じた。しかし、私には確実に不足している要領の良さを兼ね備えた彼と会話をすればするほど、きっと彼みたいな人が会社に就職しても上手くやっていける人なのかもしれない、と思った。私の日常では、中々彼のようなコミュニケーションも取れて、要領がよく、しっかりした青年に会うことがない為、中々刺激的で、まだまだ上には上がいることを実感させられた。

ここまで約20分。やっとバスが来て工場へと向かった。
受付で白い服を渡された私は更衣室で着替える。更衣室にはパートのおばちゃんらしき人と同年代ぐらいの女性がいた。同年代ぐらいの女性にヘアバンドから少し出た髪の毛をチェックしてもらう。その間にパートのおばちゃんは女性に手作りのシフォンケーキを渡していた。「これ、○○さんと○○さんに渡しといて」と三つほど、その女性に託していた。やはり、おばちゃんが食べ物を配ることはどの世界でもあるのかもしれない、そう思っていたら、「あんたはケーキやないけど、これ、あげるわ。」と言われ、個包装のアルフォートを貰った。

着替えが終了し、いよいよ中に入る、その間に何度もコロコロでホコリを取ったり、何度も手を洗う。流石、食品を扱う工場だけあって、衛生面に抜かりがない。その場所で、バスを待つまでに会話をした男の子とも合流し、社員さんに連れられて、いよいよ作業場へと向かう。

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