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彼女が見つけた虹いろの瞳(KAORUKOさん個展)

その昔、瞳少女と呼ばれた天真爛漫なアイドルがいたのだけど、全盛期といわれる「花の82年組」の中でもみくちゃになったのかカラダを壊し、ほどなくして故郷の名古屋へ帰った。療養中に絵を本格的に学び始め、やがて絵本作家の五味太郎さんの所へ押しかけて弟子入り。時が過ぎてイラストレーターとして少しずつ名前を聞くようになり、ついには海を渡った。10数年余りNYで過ごしたものの、コロナ禍の中で活躍の場を求め、四国で和紙(阿波紙)を使って作品を作るようになった。

今回、そんなKAORUKO(新井薫子)さんの凱旋個展が渋谷西武の美術画廊で開かれていると聞き、訪れてみた。宝飾・時計売場のシックでおハイソな空気漂う中、緊張しながら受付へ向かうと、爽やかなお兄さん「どうぞどうぞ、写真も撮って下さって大丈夫です」。そんな訳でいくつかご紹介を。シルクスクリーンやコラージュを用いた、和洋折衷で一見ふんわりとした作風(美術には詳しくないのであくまでも感想)。けれど少女達の眼差しはキリリとしていて、甘さ控えめでどこかシュール。どの作品も不思議な魅力に包まれていて、目が釘付けに。実は薫子さん、直接存じ上げている訳ではないけれど名古屋のS中の先輩。卒業アルバムで美術部の友人が、人形を描いた彼女の油絵を掲げていたのを久々に思い出した(美術部におられたのですね)。

芸能界ではちょっと苦労されたのかもしれないけれど、自分の虹いろの瞳を見つけられたのだな、素晴らしいなと思った。(〜6/19まで、入場無料)
🖼https://www.sogo-seibu.jp/shibuya/artmeetslife/
写真は西武渋谷店A館ウィンドウディスプレイ。

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