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3つの所属スタイルから考える多様性

僕の本業は人材マネジメントやチームビルディングでして、それらの情報はいつでもリーチできるようにしています。

恐らく、世間に出回るマネジメントのハウツー本は優に1万本は超えているでしょう。一番最初は60年代初頭だったように記憶しています。
(孟子や孔子などの史実に基づく書籍は省いて)

そして、昨今の時流を見ていてもエンゲージメントやカルチャー照合などチームビルディングのあり方が変わって来ています。

まさに、この結果などは最近のトレンドを強く感じさせます。AIの革新台頭などにより、採用文化も変わりつつありますよね。

機械に取って変えられる。
代替可能な仕事は労働不要論が打ち出されて数年が経ち、ちょっとずつちょっとずつ現実味を帯びて来ています。

私もこの理論は推奨派でセミナーなどに行って「SF映画みたいに人間が侵略される未来はありえませんよ」と聞いても「うっそだー」なんて思いながらどんどん僕たち人間の「働く」が変容していることに恐れ慄いています。
ビビるぜ、ほんと。

個性を発掘し、長所を伸ばして、多様性を活かす

個性や長所や強みを伸ばして、多様性を活かす。これが最近のトレンドであり、HR関連の仕事に就いている方々も至上命題みたいになってきています。

ロボットではない人間に残されたのは
人間らしさ

現状にアプローチするキッカケとしては
多様性」が昨今のパワーワードですよね。

私も組織に多様性を反映させる場合、最初に実施すべきは個性の分析ではありません。
所属スタイル」の掲揚だと感じています。

そもそも多様性を活かすにはその組織の多様性を表現する所属スタイル(器)が重要であり、そこにどんな資質の人に憑依してもらえるか?がキーになります。

つまり「あなたはどの色になりたいですか?」

と多様性を問えるようにあらかじめ色を設定しておくことが重要です。

多様性とは個性が基になるのでは?と考える人もいらっしゃいますが、半分正解で半分不正解といったところでしょうか。

多様性を意識する上で、少し差異のある個性同士が結びつかなければ多様性による新しい創造価値は出てこないんだと。

黄色と赤で=橙色
青と赤だと=黒

黒はここでいう

つまり、人間らしさに対する組織としての同質性を掲揚しておかないと結局は従来的な企業経営や人事戦略になりがちです。
上司だから、部下なんだからと言った普遍的階層論ですね。
(これがダメというわけではない。AIうんたらを除けば製造業なんかはむしろコッチ)

多様性=会社の理念/ビジョン+個性

採用手法ではwantedlyを筆頭にビジョンや理念を通した採用活動が本当の意味で主流になって、素晴らしい世の中になっているなと思います。
ツイッターでも各社人事の方々が本命でフィルターをさらけ出し、新しい採用のあり方が始まっています。

逆に個性や個人的意見を一生懸命できる限り、取り入れようとしている組織をよく見ますが、全く同質性の無い個性は単に無に帰する恐れがあります。
カラフルなようで混ざり合うと真っ黒です。
(その行動自体は素晴らしく尊敬します)

多様性は目的にするのではなく、手段でしかないのですね。

器を従業員に理解してもらい、器の中身を従業員の資質で深めていくことに現行の人材育成のキーがあります。

しかし、まだまだ所属スタイルに対する見地は低く、外資系やHRに強い企業が先進的に取り組んではいますが未発展だと感じています。
(未だに上司より早く帰りづらい。早く帰るとは何事だ。みたいな風土は目にします)

そこで、今日は僕が個人的に推奨する人間らしさを体現する所属スタイル(器)3つを紹介します。

3つのワークスタイル
➊コアワークフォース
➋フリーランスコントラクターズ
➌フレックスワーカーズ


コアワークフォース


簡単に言うと孫正義さんみたいな人です。

自分の想いや自己価値観を人生全て削ぎこむ勢いで体現する。何事も仕事に結びつけるような感性と課題や創造に対する投資体力が高い。独自性に溢れる価値観を常に追求するようなワークスタイル。

代表職として、起業家などになりやすいですが、別段起業しなければならないわけではない。お笑い芸人やyoutuberも近いスタイルと言えます。

未来永劫極め続ける。

ルーティンの中でも「自分で決めて、自分で行動する」という独立独歩をずっと歩むことが出来る人が目指すべきスタイルです。
行動すべての結果として、金銭報酬が発生するイメージです。わかりやすい消費行動から収入を得るイメージです。

メガベンチャーと呼ばれる企業やベンチャーから抜け出そうとしている企業はコアワークフォースに適性がある人を採用、内包(チームにうまく溶け込ませる)がマネジメント能力として強いイメージがあります。

フリーランスコントラクターズ

強いスキルを持ったフリーランスのことです。アスリート、研究者の類などはこの類かなと。武井壮さんなんかは➊と➋のハイブリッドなイメージがありますね。

いわゆる専門家として、必要なタイミングだけ呼ばれて専門課題に挑む。
専門分野のエキスパートであり、労働時間イメージは課題や依頼に対して都度対応、期間限定にて活動する。

余談ながら、私はこのタイプを意識してキャリアを構築しています。
代表職としてはコンサルタントやコーチ業など➊ほどの個人的価値観にウェイトは置かず、客観的な情報とその分野における多分な経験則をウリにアウトプットする職種になります。

契約種別や難易度によって、金銭報酬を提示するスタイルです。消費より、組織や特定のビジネスパーソンに対しての投資体力へサポートや助力の対価として金銭を得ます。

当然、士業関係や医療機関の方などは近いかと思います。

看護師なども、最近は総合病院であれば、手術担当、診断サポート、病棟担当など細分化されていますが、海外と等しくこれらが診療科毎や病状に応じて指名されるなど、よりエキスパートとしてのキャリアが始まるのでは?と読んでいます。

コントラクターズに関しては、これからですかね。副業やリモートなど、所属に対する認識がフレキシブルになってきていますが、一つのことをとても深く濃い位置で極めている人材が少ないことは今後の課題です。

フレックスワーカーズ

これはプロのサポーターを指します。約10年ほどまえに、ドラマ「ハケンの品格」で篠原涼子が主役としてやっていた役柄が最適なイメージです。

基本的にはオールラウンダーでありながら、仕事に対する正確さや精度によって評価を高めながら、信頼を担保し、自らの契約単価を引き上げるスタイル。タスク遂行型。

「やることやったら終わり」と定められた分、契約分が終われば自由にさせてもらいますねというスタイル。

➊のコアワークフォースをサポートする役回りに近いイメージです。

これら3つの所属スタイルを組織に普及させたいと考えています。

特に➋のコントラクターズは現行の組織論では位置づけがわからず、派遣型のコンサルなどで社会浸透が始まっているなという印象です。


まとめ
多様性を生かすには多様性を指し示す器と選択する機会を用意することであり、多様性を目的にして全てが個人色で覆うことは真っ黒になり、無意味となる恐れがある。
これからの組織にはHRの各採用、人事戦略、育成手法、管理手法など細分化した上で、それらの適正と個性を見極める専門家を育成すること。

つまり、現組織の至上命題は

多様性を活かすための教育準備

だと感じています。多様性はやるもんじゃなく、結果的にそうなったという事後論的な考え方が正しいと思います。

では、次回はその器への適性、強みや個性への考え方を旧来と現代で比較して書いてみようと思います。



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