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辞書のできごと(2023年11月)

先月の辞書に関する出来事をまとめます。コメントはあったりなかったりします。

11月も何やかや濃かったため色々諦めました。



11/1 🎪CollinsのWOTYが発表

イギリスの辞書出版社Collinsが選定したWord of the Year(今年の語)は「AI」でした。
12月にかけて発表された英米のWOTYを眺めますと、米Merriam-Websterは「Authentic」、米Dictionary.comと英Cambridge Dictionary「hallucinate」を選出しており、と軒並み生成AI関連の語となっています。
一方、英Oxfordは「rizz」を選出し、他とは一線を画しました。ただし、選定基準としてOxfordでは一般投票も加味している点が他と異なります。なお、(時系列がぐちゃぐちゃですが)投票の募集に先立ちOxfordは「私たちにとってWOTYとは何なのか」という記事を公開しています。


11/3 📃タガログ語辞書に関するnote記事が公開


11/3 📻アニメ「舟を編む」スタッフによるラジオ番組が公開

前編・後編に分かれており、11/25の後編の方は原作者・三浦しをんさんもゲストとして参加し、大いに語っています。後編おすすめ。


11/3 📃毎日ことばplusで〈無礼語辞典〉編集・松岡澪さんの寄稿が公開


11/6 🌐例解学習辞典のサイトが開設

小学生向けの〈例解学習国語辞典〉〈例解学習漢字辞典〉の紹介サイトです。


11/6 📱ロゴヴィスタ iOS版〈熟語本位 英和中辞典 新版〉が発売


11/7 📱DONGRI〈新明解類語辞典〉コンテンツが発売


11/13 🌐イシス編集学校のオウンドメディアで辞書の紹介記事が公開

松井栄一さんに関する言及があります。


11/13 📃〈中央辞〉編纂法に関する記事が公開

「よい辞書は、ユーザーが欲しているものを理解し、その導線が明確に敷かれています」という基本的な立場を明確に述べたうえで、クラウドソースによる見出し語の募集と、さらに実地での用例採集が行われている様子を紹介しています。
辞書づくりの基礎プロセスが極めて真っ当に遂行されており、感動すら覚えます。


11/14 📱DONGRI〈大修館 四字熟語辞典〉〈明鏡 ことわざ成句使い方辞典〉コンテンツが発売

DONGRIのコンテンツ拡充が止まりません。


11/16 📕『『大漢和辞典』の百年』が発売


11/17 📺国語研・柏野和佳子さんのインタビュー動画が公開

9月に前編が公開されていました。今回は後編に当たります。


11/18 📺翻訳者・高橋聡(帽子屋)さんの辞書選びインタビュー動画が公開


11/21 📕三省堂〈大限界〉発売

毎日ことばplusほか各メディアでも関連記事が公開されました。

現物を見ると、装幀(特に帯)が豪華でびびります。


11/24 📰毎日ことばplusで夏の辞書関連イベントレポート記事が公開

「朝まで生辞書部屋チャンネル」のレポート。後編「下」が11/28に公開されています。


11/27 📃「今年の新語」選考発表会の歴史まとめ記事が公開

「今年の新語」の歴史ではなく、「「今年の新語」選考発表会」の歴史、という観点で情報が集約されています。
伊集院さんゲストの回は、観覧していて実際よかったと私も思います。北川さんも鴻上さんもよかったのですが、伊集院さんは格別で、まさにハマり役でした。


11/28 📃辞書尚友の記事「【参加レポ】語彙・辞書研究会 第64回研究発表会」が公開


11/29 📕日本漢字学会編〈漢字文化事典〉が発売

🔗漢字文化事典(丸善出版ページ)


11/29 📕〈例解学習国語辞典 第12版〉が発売

〈例解学習漢字辞典〉も新装版になって同時発売です。


11/29 📃「シン・今年の新語2023」が発表

昨年に続き、ヤシロタケツグさん主宰で三省堂「今年の新語」への対抗企画「シン・今年の新語」が行われました。しかも昨年と異なり、本家とは完全に独立してエントリー語が選定された上、本家より先に発表しています。
僭越ながら私も選考に参加しております。


11/29 📃四次元ことばブログで「今年の新語」予想記事が公開

毎年恒例、ながさわさんの「今年の新語」予想記事です。


11/30 🎪「「今年の新語2023」meets 国語辞典ナイト」が開催

毎年恒例、「今年の新語」発表会と「国語辞典ナイト」の併催です。先立つ11/28に三省堂が動画を公開。同日のうちに選評が発表されています。


今月分は以上です。


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